Abandoned Night 10話
朝を迎えてからユニはずっと俯いている。
人が目の前で殺されたからだろうか…?
そんなにショックだったのかな…?
するとシオンちゃんがゆっくり口を開く。
「ユニ君…さっきは私の言った事聞いてくれてありがとう…お父さん殺されたのに…冷静になってくれてありがとう…ごめんね…何にもできなくて…。」
シオンちゃんは泣きそうになりながら謝っていた。
そうかユニはお父さんを殺されて泣いてるのか…。
私にもそんな風に思える人がいたら分かり合えたのかな?
ユニは涙を拭いて顔を上げた。
「ありがとう。シオン。もう良いんだ。ソラの事は許せないよ。でもシオンがあの時止めてくれて良かったと思ってる。」
シオンちゃんは少し驚いた顔をして少し微笑んだ。
「良かった!きっとユニ君にこれから良い事があるよ!神様はきっと見てくれてるから!」
するとユニはフッと笑って
「シオンは俺の死んだお母さんに似てるな…俺が小さい時、風船を空に飛ばしっちゃった事があるんだ。その時にお母さんが『きっと神様が取っておいてくれるから大丈夫!』って言ってくれたんだ。そういう前向きで優しい所がそっくりだ。」
「えへへ!ありがとう!」
シオンちゃんは嬉しそうだ。
するとシオンちゃんは立ち上がって「移動しよっか!ここにずっといるとまた狙われるかもしれないし!ね!アイちゃんは疲れてない?大丈夫?歩けそう?」
私はコクリと頷いた。
ユニはふと思い出したように「ちょっと忘れ物。」と言って家へと戻ったろ思ったら、ロングコートを着て戻ってきた。
私は思わず「…コート?寒いの…?」と聞いた。
「いや…違うんだ。これはお父さんの。形見なんてないから。まだ少し大きいけれど袖をまくれば問題ない。」
シオンちゃんは寂しそうに笑って「そっか。そうすればお父さんと一緒だもんね!」と言う。
そういう物なんだろうか…。
シオンちゃんといると色んな考えに触れ合える。
こんなに新鮮な気持ちは初めてだ。
「ところで」とユニは歩きながら私たちに質問してきた。
「二人とも悪魔と契約してるわけだろ?どんな悪魔で武器なんだ?」
シオンちゃんは少し驚いて、「ここじゃ話ずらいから、あんまり人が通らない所行こうか!」と言った。
3人で近くの路地裏に入る。
シオンちゃんはふぅ…と息をついて答え始める。
「私の悪魔は憤怒の悪魔!でもね、私素質無いから悪魔の名前教えてもらえてないの…いわゆる喧嘩?みたいな…意見の食い違い…みたいな…」
シオンちゃんは少し気まずそうだ。
「でね、武器は短刀だよ!守り刀なんだよね…。実はね武器って人によって違うでしょ?それはねその人の殺気の強さなんだって。誰かを強く殺したいほど憎めば憎むほど大きかったり強い武器になるらしいの…」
ユニはふむと納得したように頷き「で?アイは?」と冷静に聞いてきた。
「私の悪魔は強欲。多分、優しいと思う…。武器は鎌。」
多分というのは私の悪魔はとやかく何か言って来たり殴ったり蹴って来たりしないから。でもシオンちゃんとは違う。それが優しさというのか私は知らない。
ユニは「なるほど…」と呟くと「ソラと俺の武器が違うのもそういう事か」と納得していた。
「そして俺たちはどうしたら良いんだ?」ユニは不思議そうに尋ねてきた。
シオンちゃんは明るく言う。
「えっとね、朝とか昼は休憩して、夜になったら活動するんだけど、それぞれの位置は自分の石を見たら分かるの!」
それでもユニはまだ疑問をぬぐい切れてないようで
「なぁ、後何人ぐらいいるんだ?全員で7人いると聞いていたが昨日会ったソラとミラという女子とアイとシオンだろ?後二人いるんじゃないか?」
私は答えた
「死んだよ。」
シオンちゃんとユニは一瞬驚いた顔をしたが。
ユニはすぐに「そうか…」と呟いた。
何か可笑しな事を言ってしまったのだろうか?
教えて欲しいが知りたくない気持ちもある。
やっぱりシオンちゃんといると今まで感じた事ない考えを見つける。
不思議だ。




