★第十章 ダイジェスト版
本話は、第十章のダイジェストです。
本編のみお楽しみの方はスルーしていただいて構いません。
10-1. 魔神たちの選択
帝都ジェリングスへの道中、山道で突如魔神ベルからの攻撃を受ける。ガレンとザラは魔剣によって応戦するも、視界は悪く、敵の姿は見えないまま――。
そこに現れたのは晦冥の七柱の一柱、魔神ヴィーリェン。そして同じく七柱のベル。驚くべきことに、二柱の魔神の意見は対立していた。
ヴィーリェンはこの巡りでは人間側を「見守る」選択をしていた。
そして語られる衝撃の事実――ザラは赤子の頃、ヴィーリェンによって拾われ、聖ティラール王国の騎士・育ての親に託された存在だった。
そして彼女の存在こそが帝国と異界の騎士を結びつける「鍵」だったのだ。
ベルは魔神たちの本来の役割を全うしようとするが、ヴィーリェンの説得により今回は「娯楽として見届ける」立場を選ぶ。魔神たちの撤退とともに、ザラのアイデンティティと過去は大きく揺らぐ。
「円環世界でも、お前は強かったのだろう」
ヴィーリェンの言葉を残し、魔神たちは姿を消す。
そして次の瞬間、鬱蒼たる森が炎に包まれ、物語は新たな災厄へと踏み出す。
10-2. 帝都消滅
帝都ジェリングスにて、ジクラータ教皇と守護の魔竜アングラーフが激突する。
世界の終焉を阻止するべく怒り狂う魔竜は、数十万の民を巻き込み、帝都を瓦礫と業火で焼き尽くす。
対するジクラータは、自らと融合した黒紫の巨甲冑を顕現させて応戦。
ニーゼルトとグランヴァイス両将軍は民を守るために散る。
戦いは頂点に達し、ジークフリートの槍が竜の首を貫通。
しかし魔竜はあがく。その翼は分離し、光の兵器と化す。だが、ジークフリートには歯が立たず、そのことごとくが破壊されてしまう。
魔竜の顎に捕らえられたジークフリートは口腔内部から爆発を起こし、魔竜の顔面を吹き飛ばす。
覚悟を決めたアングラーフは巨大な球体へと姿を変え、自身ごと帝都を白炎で焼き尽くす。
――人々の営みの一切を残さず、ジェリングスは沈黙の中で消滅した。
引き続き第十一章をお楽しみください!




