★第二章 ダイジェスト版
本話は、第二章のダイジェストです。
本編のみお楽しみの方はスルーしていただいて構いません。
2-1. 氷血の女狐、友の死地
ラガンドーラ帝国の若き将軍ザラ・ベルトリージェは、ニーレド王国への侵攻の先鋒を任される。
だが、彼女の前に立ちはだかるのは、かつて命を救われた“異界の騎士”ガレン・エリアル。
ザラは親友であり忠臣でもある女騎士ヴェルギアに、死地への突撃を命じる。
戦場に散る友情と、背中に疼く過去の傷。
ザラは涙を兜の奥に隠しながら、かつての恩人に剣を向ける覚悟を固める。
2-2.:その涙は、誰のために
夜襲を前に、ザラは夢を見る。
それは、かつての祖国・聖ティラール王国の残党を処刑した記憶。
幼馴染ハルーグとの対話、そしてヴェルギアとの絆――。
「正義」とは何か。「力」とは誰のためにあるのか。
ザラは自らの信念を問い直しながらも、戦場に立つ覚悟を新たにする。
夢の中で交わされた言葉と、現実に散った命。
そのすべてを背負い、ザラは再び“異界の騎士”と対峙するため、剣を取る。
2-3. 夜の剣、暁の契り
ザラはわずか二十騎を率いて、ガレンのいる敵陣へと夜襲を仕掛ける。
激しい一騎打ちの中、二人は互いの記憶の断片を垣間見る。
そして、ザラの妹が帝国に人質として囚われていることが明かされる。
「俺が手を貸す。妹を救うために、共に戦え」
ガレンの申し出に、ザラは揺れる。
将軍としての忠誠か、姉としての愛か。
そして彼女は、自らの肩書を捨てて答える――
「ザラと呼んでください。私にはもう、将軍を名乗る資格がありません」
敵と味方の境界が崩れ、共闘の誓いが交わされる。
運命の歯車が、静かに音を立てて回り始めた。
引き続き第三章をお楽しみください!




