008:ご利用は計画的に…
召還3日目…
今日から国王としての仕事始め…
まずは、溜まった書類を片付けたいとのことで、宰相達が執務机の前にも横にも後ろにも積まれた書類を指して、
「押すだけなので早ければ3日ほどで終わります。バンバン押していってください!」
「へ?押すだけ?内容確認は?」
って言ったら、
「え?中身に興味があるんですか?中身は各大臣が確認しているはずですよ。ちなみに今まで召還した国王様は、押すだけで読みもしなかったのですが…」
と、ヨハンとフィリップにビックリされた。
中身に興味…じゃなくて責任あるだろうさ~~~~~!
「冗談でしょ!中身が分からない書類に印鑑は押せないわよっ!書類に紛れて高利貸しの証書とか、無罪の人の死刑執行書があったらどうすんのよ~!」
「「…まあ、そうですね…」」
そうですね…じゃな~~~~~い!!
君たちもおかしいからっ!!
中身を確かめないヤツに、大事な印鑑渡さないでよ!
「はぁ~でもぉ~国王印は国王様限定品のため代理では印も押せなくて、仕方なく各大臣で書類を吟味して、面倒がる国王様に、後は印鑑押すだけにして渡していたんですよ~」
…ああそうか~
戴冠式でつけられた指輪が国王印だったね。
国王限定品だから、他の人は押せないんだっけ…
そんな重要な印鑑を、中を見もしない書類にポンポンと押す国王…
んん~じゃあ、この書類に紛れ込ませておけば、不正経理も横領も可能?
だから財務大臣が簡単に横領できたのか?
まさか、他の大臣もそんなことやってないよね????
うえ~心配だ~
一回、全部署で会計監査しておくか?
どちらにしても、前回と前々回の国王は、何て奴らだったんだろう
簡単に、印鑑押しやがって(怒)
成人してたんだろ?
元日本人だろ?
印鑑使ったことあっただろ?
マジでこの国、8年間よく持ってたな…