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052:<番外編>マリー in ワ○ダーランド



『マリー様、皇帝との茶話会って、各国首脳陣が集まる、高度に政治的な話しが飛び交う席だから、言動に注意してね~ただ、ここのお茶会は、ちょっと変わってるって言われてるのよね~』







皇城に付いてから1日ゆっくりしたマリー達が、茶話会のためにお呼ばれしたのは、小ホールと言われている【椿の間】である。

警備上の問題から、従者として連れて行けるのは1人のみだったため、少々揉めたが、護衛ともしもの時の解毒処置(回復魔法)を買われて、エリザベスがついて行くことになった。

前述の台詞はその時のエリザベスのモノである。








そんなことで、少々緊張しながら【椿の間】に着いたマリーだったが、何故か入り口でくじを引かされ中にはいると…

マリーとエリザベスが絶句する光景が、そこには広がっていた。








何なのこの人達?







「エ、エリザベス…今日って、仮装パーティーだった?」



「…えっとぉ~私は、聞いてなかったわねぇ~」



そう、そこには真っ白いテーブルクロスがかけられた、巨大な円卓に色とりどりのお菓子が乗せられ、お茶会の雰囲気を醸し出しているテーブルがデ~ンと置かれ、その周りには…

動物の着ぐるみを着ている人や、女装や男装をしている人たちが、着席していた!

その光景に、唖然としているマリー達の後ろから、声がかかる。



「儂の茶会にようこそ!さて、そなた達は何番のくじを引いたのじゃ?」



振り向くと、ピッチピチにつまって短いタキシードを着て、おかしな帽子をかぶり、何かのファイルをを持ったおじいちゃんが立っていた。



「もしかして…シャフリヤール王ですか?初めまして、グラウンド王国のマリーです。これは我が国の魔術師長でエリザベスです。」



恐る恐る尋ねながら、挨拶をすると、



「いかにもそうじゃ!初めましてじゃの~マリー国王、どれ?そなたは18番…おお!白ウサギじゃ!!そちらのお供は3番…ハートの女王じゃな!ささ、あちらで着替えてきてくれ!」



さらっと挨拶を流され、あれよあれよという間に、着ぐるみなどの衣装に替えさせられるマリー達…










「しかし、エリザベス…あなた違和感ないわね」



「おほほほほ~『女王様とお呼び!』ってところかしら?マリー様も似合うわよ?ベストを着た白ウサギ?耳が邪魔そうだけど~」



「このカッコを褒められても、あまりうれしくないわね…ま、タマゴの着ぐるみや、トランプ兵よりはマシだからいいけど…」



そう、マリーの席の前方にはタマゴの着ぐるみを着た何処かの王様と、トランプ兵のカッコをした何処かの女王様が、所在なく座っていたのだった。






『さてさて、レディース アンド ジェントルマン!儂の茶会へようこそ!!

記念パーティーまでは、まだ3日もあるでのぉ~、今日は皆さんのために、無礼講の茶会を開いたんじゃ!今日の皆の肩書きは、その仮装した人物じゃ。王様ではないぞぉ~

わはははは~~~それ!乾杯じゃぁ!!!』






な、なんて言うとんでも皇帝だ!

しかし、周りを見回してみると、唖然としているのは、若手の国王達だけで、半数近い年配者が苦笑いしている。

気になったので、隣に座った中年の<ハツカネズミ>に聞いてみた。



「あの~もしかして、以前にもこのようなお茶会があったのですか?」



「んあ?ああ、この国の皇帝陛下は遊び好きでね。以前行った20年目の就任式の時には、何とか言うミュージカルに傾倒していて、皆が猫の着ぐるみを着て参加したんだよ…」



と疲れたように言うと、エリザベスの横にいた<ドードー鳥>のカッコをした年配の女性が、



「そうだったわね、でもあなたはまだ幸せよ?参加は前回と今回の2回だけでしょ?私なんて、これで3回目なのよ?」



ため息をつきながら眉間を押さえていった。

その言葉に、エリザベスが食いつき目をキラキラさせながら



「まあ!3回目?じゃあ1回目は何をしたのかしら?」



と問いかけた。



「日本○話よ!」






「「「は?」」」






「だから、各国の国王夫妻で日○昔話に出てくる、主人公と悪役のペアのカッコをするの!」






「「「………」」」






「あの時は、凄いメンツだったわよ~金○郎&熊・桃○郎&鬼・舌○り雀&おばあさん…やっぱり圧巻だったのは、ヤマト○ケル&八○大蛇だったわね~」




そ、それは!?凄すぎるんじゃないだろうか…

そして、マリー達が<ドードー鳥>に聞こうかどうか迷っていた事を、<ハツカネズミ>が口にした。





「ちなみに、あなたは何を?」



「…薪を背負った狸よ…か○かち山の兎と狸、主人が兎で私が狸だったのよ…」





「「「………」」」





「ま、こんな催しは10年ごとの在位記念パーティーだけよ、安心して頂戴。

私も次回は息子夫婦が来るでしょうから、このイベントに出席するのは今回が最期!」



と<ドードー鳥>が言えば<ハツカネズミ>も



「おや!偶然ですな~私のところも、王子がまもなく跡を継いで即位しますのじゃ!」



と、笑いながら同意する。

そして、マリー達に向かって



「「あなた達は頑張って~」」



と言って、上品に笑いながら<ドードー鳥>と<ハツカネズミ>は、違う席に挨拶に言ってしまった。



「…10年ごと…?マリー様、次回のお供はフィリップにしてね~」



目が笑っていない笑顔で、エリザベスがそう言う



「1人だけ逃げようっての?エリザベス…許さないわよ!たとえ結婚しても、この席に連れて来るのは、あなたよ!!一度やれたんだから次回もやって貰うわ!!」



「そ、そんな!横暴よっ!パワハラよ!!」



「茶会の情報を仕入れ損なったあなたの責任でしょ!諦めなさい!!」



「そ、そんな~あんまりよ~」







こうして幾多の悲鳴を飲み込みながら<キ○ガイ帽子屋>のお茶会は更けてゆく…















おかしいな~厳格な皇帝陛下にする予定だったんだけど、見事なまでに変人皇帝になっちゃった(笑)


この後の展開どうしよう~~~

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