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042:裏話①

前話の御前会議と違って、こちらは私的なお話です。

公式な会議じゃないので、議事録も残りません。

この国って、こういうのが多いんですよ~

ちなみに、マリーちゃんが腹黒い訳じゃなく、王様業が悪いんです!





…と、思っておきたいな(笑)





今日は、昨日と違って執務室での極秘会談。

メンバーは、ヨハン・フィリップ・ジョージ・ナナ・エリザベスのいつもの5人に、財務大臣のカレンと監査大臣のアーサーの2人を入れて計7名。



「アーサー、この子がこの間言っていたクーちゃん。頭の良い子だから、連絡係にしてちょうだい」



そう言って取り出したのは、鳥かごに入れられた一羽の白い鳩



「…伝書鳩(れんらくがかり)ですか…」



「ええ、本当ならエリザベス達の水晶玉みたいな方法があれば良かったんだけど、魔法使いは少ないし、高給取りだから雇うのも大変なんで、安上がりな方法をとることにしたの。クーちゃんは、お試しも兼ねた第一号よ。上手くいったら、今後は各支部に10羽位ずつ支給するから、世話係も雇ってね」



「分かりました。」



「あとは…カレンとアーサーにお願いしていた、各領主家の帳簿どうだった?」



では、私から…とカレンが書類を見ながら話し出した。



「まず、大領主家ですが、100%黒でした。どの領主も税額1割のところ2割以上取っていましたね。特にひどかったのはH国と国境を接しているゴルト家と、交易港を持っているシャード家で、税額4割でした。」



そこで、アーサーが挙手して、



「追加情報です。その両家とも、家名を隠れ蓑にして高利貸しや人身売買、おまけに密貿易までしていましたので、一網打尽にしました。マーガレット様にも裁定をして頂きましたが、両家とも今の法律であっても、一番軽くて領地没収・家名断絶の上、死刑とのことです。」



「あ~そうでしょうね~じゃあカレン続けて」



「…小領主家の方ですが、こちらは、ほぼ税額1割を守っておりましたが、ゴルト家及びシャード家に隣接していた5家が2割に値上げしていて、内2家は密貿易や人身売買を手伝っていました。」



報告を聞いていたマリーは、頭を抱えて、



「…どいつもこいつも悪代官(おやくそく)な事を…ヨハン!」



「はい」



「密貿易と人身売買をしていた、ゴルト及びシャード家と、他2家は財産没収の上、家名断絶、責任者は法に照らし合わせて裁いて、不正に携わっていなかった家族や親族は神殿預かりにします。

あと税額を多く搾取していた大及び小領主は、不正が2割なら4年間、3割なら6年間税金の取り立てを禁止します。ああ、その間も国への税金は1割きっちり取り立ててね」



「そ、それは!領地からの税収がないと生活できませんよ!」



フィリップが、『さすがに、まずくありませんか~』と訴える。



「何言ってるの、不正蓄財を没収しないんだから、優しいもんでしょう~貯めた分で4年なり6年なり暮らしなさい!

その間、そこの領民は、国に1割の税金を払うだけで良いわ、それでも暮らし向きが苦しい人は、監査に相談するように指導して、アーサー達は暮らしに見合わせて減税してあげて」



「わかりました」



「あと…カレン、宮廷魔術師達の制服が許可できないって、どういう事?」



「まず、値段が高すぎるんです!」



「高すぎるって…エリザベス筆頭に魔術師は15名よ?いったい幾らの予算だったの?」



「金貨2枚です」







「「「「「「…は?」」」」」」






「ちなみに、これは服だけで、装備品(杖・水晶玉など)も入れますと、プラス銀貨800枚ほど増えます」



カレンが淡々と報告したのを聞いて、他の5人は口を開けたまま声も出ない状態なのに、エリザベスが



「あら~結構するのね~」



と感想を漏らしている。



「ばっ!馬鹿言わないで!何で服を15着くらい作るのにそんなにするのよ!!!!」



あまりの高さに文句を言えば、カレンは



「お怒りはごもっともですが、超有名デザイナーに最高級品の素材を渡してデザインさせれば、これくらいにはなります。また、デザインには難しい色合いだったので、難色を示され値段がつり上がったというのも理由にありました」



「デザインが難しい色合いってどんな?」



私が聞くと、カレンはチラッとエリザベスに視線を走らせて、



「…今、エリザベス様が着ているような色合いです。ちなみに他の魔術師の皆さんからは『出来るだけ目立たない色合いにして欲しい』と苦情が寄せられています」



と答えた。







「………エ・リ・ザ・ベ・ス~~~~~!!!!!

どこの世界に、ピエロのような扮装する宮廷魔術師がいるのよっ!!」



「まあ!失礼ね~可愛らしいじゃないの、ピンク地に紫の水玉模様♡」



「キモイわ!!!!」



私が怒鳴れば、他のみんなも賛同する。




「「「「「同意見です」」」」」




まだエリザベスがワイワイ言っていたが、



「とりあえず、制服の色は以前検討した黒に近い紫で統一、せめてデザイナーだけは女性服も扱っている所にしてあげるわ」



「いやよ~そんな暗い色!明るくてかわいい色じゃないと着ないわ!!」



「煩いわよ!エリザベス、魔術師が目立ってどうするの!

これは国王命令!!その代わり、この間見せたレース飾り、あなたの制服だけにつけてもらってあげるから、それで妥協しなさい!」



あんまりにもエリザベスが騒ぐので、<()()>を出すことにした。



「え?ホント?レースってあの時のレース飾り?」



「そうよ~色は制服に合わせて、作ってもらってあげるから!」



「まあ~~~!それならいいわ!マリー様、約束ですからね!!」



いきなり妥協したエリザベスに、みんなは驚きつつも安心したが、ナナだけは厳しい顔で、



「マリー様…まさか、この間のレースって<妖精のレース>じゃないですよね?あれは、王家の方しか身に着けられない物なんですよ!」



「まあまあ、良いじゃないの、私が下賜したってことにすれば問題ないわ、だいたい今の王族は私しかいないんだから、文句なんかでないわよ」



「そ、そんな無茶な…」



ナナは絶句していたが、エリザベスは高笑いしており、他のみんなはホッと胸をなで下ろしていた。






ホントに良かった。

エリザベス色の人間が、15人にもなるなんて耐えられないもんね~

とりあえず、宮殿が<オ○マバー>もどきになるのは、避けられた。




そして秘密会談は続く…

















なかなか出かけられませんね~(笑)

話のストックがないので、どれくらいで旅に出るとは言えないのですが…

たぶん、後2~3話くらいのうちに旅に出たいです。



しかし、これじゃあ50話過ぎてもA帝国に着かないかもしれない( ̄_ ̄∥


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