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037:王子様が一杯




「…えっと、手紙(これ)が何だって?」



脱力しながら私が聞くと、



「ですから、これは求婚(プロポーズ)のお手紙です。」



律儀にフィリップが答えてくる。



「誰から?ってか私、その人達と面識あった?」



「はあ…たぶん100%無いでしょうね~」



「なのに、いきなりプロポーズ!?」







「「「はぁ………」」」







「まさかとは思うけどさ、外務大臣がいるって事は、やっぱり外国からもあり?」



「あ~~ほぼ100%外国からです」








中身を読めば読むほど、頭が痛い内容だよ…



「何で、お付き合いをすっ飛ばしてプロポーズかなぁ~~ったく

後宮事件の時も思ったんだけど…この人達、私の年齢知ってるんだよね?

B帝国の第17王子・28歳は…第17ってのが気になるけど…まだマシとして、

何?このI王国の王子・12歳って!未成年だし!向こうじゃ小学生だよ!犯罪じゃん!!

かと思えば、J王国の××公爵家の17歳・第4男と第5男は双子でいかがって?

どうよこれ?若けりゃいいとか両手に花?って事はないでしょ?」



「仕方ありませんよ、貴族や王族は年齢など気にしません。

ほとんど家柄や血筋で結婚を決めるのですから…恋愛結婚はマレです。」



「血筋って、私は召還されただけの一般人だけど?」



「一般人って…マリー様は国王だし、何より財産が効いてるんですよ~」



「ちっ!相手の財産狙いか、もうサイテー

財産くらい自分で築ける男じゃないと却下!!」



「そうですよね~まあ俺なら、妻の財産は当てにしませんけどね~」



建前を言いながらも、自分の意見もちゃっかり言ってる副宰相(フィリップ)(笑)





「みんなが、貴方みたく健全だったら良かったんだけどね…

この12歳くんとかは、親の意見だろうからさておき、他の男どもなんて

『どうせ結婚しても愛人は別なんだから俺に釣り合う地位さえあれば~』とか

『俺の魅力で参らせて地位も財産も国もいただきさ~』とか、

『歴史ある我が国の正妃が産んだ王子だから文句なんてあるはず無い』

とかだね…おまけに一緒に付けられてる、王子の似顔絵って、

笑顔が嘘くさいんだけど、修正してしてないって言える?」



そう言いながら、フィリップに絵を渡すと、



「おお~~~!美男ばっかりですね~外務大臣分かりますか?」



フィリップがおもしろがって聞けば、外務大臣も似顔絵を見ながら、




「B帝国の第17王子…確かにこのような感じでしたが、女癖が悪くて庶子が沢山いるのがばれてR王国への婿入りの話が流れたって聞きました。

あ!J王国の公爵家の双子は超・美形で、二人とも有名なマダムキラーだそうです。

こちらのK王国の王子とH王国の王子は、2割り増しくらいで修正が入ってますね。」



「は~~~旦那を顔で選ぶとでも思ってるのかな~?

どいつもこいつも肩書きは嫡子だけ?経歴くらい付けてよ~」







「「「王子…は立派な肩書きでは?」」」







「王家に生まれりゃバカでも王子でしょうが!

私が知りたいのは、どれだけ働けるかって事よ!!

いくらお金があったって、(酒を)飲む(女を)買う(博打を)打つなんて旦那をもらってご覧?あっという間に赤字国になっちゃうわよ!!!」







「「「ごもっともで」」」







「じゃあ、マリー様この手紙類どうします?一応、恋文(ラブレター)も付いてますけど…」



「は?恋文(ラブレター)~~~?…じゃあトイレにでも置いといて」








「「「は?トイレにですか?」」」







「そ!」



「え~マリー様お腹壊したんですか?」



「何か悪いものでも拾い食いしたんですか?」





「誰が拾い食いなんかするのよっ!(怒)」





「じゃあ何でトイレで読むなんてなんて…」



「あ!異世界では、恋文(ラブレター)は、トイレに籠もって読むとか?」





「向こうに、そんな風習(しきたり)あるかっ!!!!

いらないからトイレットペーパーにしろって言ってるの!!!!」







「「「いや~流石にそれは…」」」







「じゃあどうしろってのよ!求婚状(そんなもの)なんて捨てるしかないでしょう?

だいたい、会ったこと無いヤツからのプロポーズなんて、どうしろって言うのよ」



「あの~王族同士などは、それが普通ですが…」



「が、外務大臣…そんな事、マジな顔して言わないでよ~」



「すみません!」



「まあいいけど、どっちにしても断ってね!」



「しかしマリー様、断るにしても理由がいりまして…」



まじめな外務大臣の言葉に、うんうん頷いている他2名…

仕方なく、無難な路線で考えて、







「理由ね~じゃあ副宰相(フィリップ)と恋仲だからって言っておいて!」



といったら、



「止めてください!マリー様~~俺はまだ死にたくないですぅ~~!!」



副宰相(フィリップ)が、半泣きになって訴えてきた。



「死ぬなんて大げさな!恋愛ぐらいで死なないでしょ~」



「そんなこと発表したら、各国の暗殺団に抹殺されます!!

だいたい、マリー様との間に、恋愛のれの字も無いじゃないですかぁ~!」



「れの字なんて、無くていいのよ!上辺だけで良いんだし!

腹芸出来て、今フリーなのはフリップしかいないでしょ?

流石に妻帯者(ジョージ)とかだと、まずいだろうし…」



と言ったら












「「「まずい以前の問題です!」」」







怒られちゃった…やっぱりね~~~~!




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