035: <番外編> 真夏の夜の悪夢
え~皆さんすみません!続きのファイルが3話ほど間違って消えてしまいました(泣)
書き直すには、ちょっと気力がいるので、今日は夏用に書いていた番外編を載せます。
今回、職員の慰労のために国王主宰のパーティを開くことにしたのに、
夏休み期間で観光客が多く、場所が押さえられないと、担当者に泣きつかれた。
その為、今は使用していない後宮を宴会の場にしようと考えたのだが…
「ねえ女官長、今度の宴会のために、閉めていた後宮使ったらダメかな~
あそこだと広くて、全員泊まれるし、キャンプみたいだと思わない?」
「あの~マリー様、それは止めた方が…」
「え?女官長やっぱり問題あるの?
そうよね~一応は後宮だから、解放するのはまずいかぁ~」
「い、いえ!そう言う問題ではなくて、後宮を使うと男性方に問題が起きると思います。」
と、珍しく女官長が、歯切れ悪くそう言った。
すると、宰相と近衛将軍が、胡散臭そうに
「「女官長殿、あれは眉唾では?」」
などと反論している。いったい何?
「えっと、取りあえず理由を教えて欲しいな~」
「はい、実は…出るんです。」
「出るって何が?まさか幽霊とかじゃないよね?いくら夏だからってぇ~あはは~」
「いえ、そのまさかです…」
「え?マジ~?マジで出るの?」
異世界なのに凄いな!と思っていたら、近衛将軍が
「ああ!後宮に出る幽霊の噂なら私も聞いたことがあります。
確か噴水の前で女が皿の枚数を数えるんでしたよね?」
と言い、それに対して宰相が、
「ええ?違うだろう?私が聞いたのは、
寵姫が乳母と2人で、ランタンを持って追いかけてくるだろう?!」
と言う。すると、女官長が、
「あら、そんなのもありました?私が知っているのは、廊下で泣いている女を助け起こしたら顔がなかったのと、全身冷たい女に息を吹きかけられて凍らされるのと、夜中に目が覚めたらランタンの油を嘗めている女がいたってのですけど?」
何の話じゃ!!四○怪談か!?牡丹○籠か!?○物語か!?
「何それ、物語でしょ?全く、女官長達が真剣な顔して言うから、信じちゃったじゃない!だいたい話だけで、誰も見たこと無いんでしょ?」
「いえ~一応目撃者はいるんですよ、男の方限定ですけど~」
「へ?後宮なのに、なんじゃそりゃ~女性は見てないの?」
「はあ…眉唾って言われているのは、遭遇したのは全て男性しかいないからです。」
「じゃあ、後宮に住んでいた女性は誰も見ていないの?」
「はい、遭遇した人は男ばかりで、この20年間で10人ほどです。」
「20年で10人以上か~2年に1人の計算?結構だね…遭遇者の内訳は?」
「ほとんどが、運の悪い警備の兵士ですが、寵姫に言い寄った間男もいますね~」
うわ~間男かっ!凄いな!さすが後宮~~~
「それで、その人達はどうなったの?」
「みんな一週間ほど取り憑かれて、ノイローゼになって、仕事を辞めて行きました。」
「げぇ~~~~!のろい殺されたの?」
「いえいえ~死んではいないらしいので、どうやら幽霊は、後宮から離れたら1週間ほどでいなくなるようです。」
うっわ~いくら何でも1週間も、幽霊付きなんて勘弁だわ~
後宮は危険地帯だ!!あそこで宴会するのは断念しよう!
後宮は、このまま開かずの宮だわ~
季節外れですみません!
この番外編は、夏用に書いていたおまけなので、内容は本編とは全く関係ありません(笑)
本編の続きは、書き直してから載せますが、土日は時間が取れないので、再開は月曜からになると思います。