020:<番外編> 魔王襲来
今回は、話の流れ的に本編に入れられなかった、魔法使いがお城に来た話を、番外編として入れてみました。
あの日…
銀行の応接室で、全ての借金を精算した。
ちなみに、借金は金貨200枚分+金利・手数料が金貨10枚ほど、
なので残金は晶貨63枚と金貨790枚。
私としては、たいした事もしてないのに、大金を神様から騙し取ったみたいで、残りは返しますって言ったんだけど…
真っ青な顔した店長に、
「神様のお気持ちです。返すなどとんでもない!お使い下さい!」
って、止められた。
何でも、以前どっかの国の王様が、「こんなのいらない!」って返したら、神罰が下ったんだとか…
なので、店長には、新しく私の口座を作って入金するって言われた。
だけど、そんな大金私だけのモノになんて出来ないよ!
だから、せめて国のお金にさせて!って、ヨハン達に泣きついた。
全員で検討した結果
『前例はないけど、国王が使用を許可した時だけ使える事にしたら、国のお金でも良いんじゃないか』
って事になり、約1/6の10枚分を、何とか国のお金にして貰った。
で、残りは私のお金に…
実は初め、神殿にも1/6寄付したい…って言ったのに、速攻で拒否された!!
やっぱり昔、神様からの賜り物を、部下から無理矢理取り上げた将軍がいたらしいんだけど、これも神罰で酷い目にあったんだって!
だから、それに由来して…
無理矢理寄付を強請ったと神様に思われて、神罰が下ったら困る、なので寄付よりも、銀行にお金を預けてくれって、お願いされた。
ま、銀行としては、高額なお金を預けてくれて、それを運用させてもらえるなら利益が上がるから充分らしい。
しかし、自分のお金はともかく、国のお金も銀行に預けていいのかどうか分からず、宰相に聞いてみた。
すると、普通だったら国のお金は、お城が管理して財務大臣経由で支払うらしいのだが、今回色々と問題が出てきたので、出来るなら誰も手を出せないように、銀行に預けて一括管理したいから、あっさりOKが出た。
で、寄付問題や指定銀行は解決!
その後、何か考えていたらしい店長が、
「これからは身辺が騒がしくなるでしょうから、良ければ銀行付きだった、優秀な魔法使いを、国王側近にしませんか?」
って提案してきて、魔法使いにも「どうだ?」と聞いている。
その際、店長が、
「性格はともかく、この者は大変優秀です。必ずや国王様のお役に立つと思いますし、まかり間違っても国王様を襲う心配もありません!
まあ、間違いがあって後悔するのは敵ですし~当方には問題は無いでしょう?ははは~」
って、黒いことも言ってたけど~
まあ~宰相達によると、魔法使いを側近にすることは、大賛成。
それというのも、魔法使いは天才肌なので、人選も雇うのも大変だし高給取りでもある。
今までは給料も払えないので、魔法使いなんて城にいなかったけど、今なら給料も払えるし、この国でちゃんと働いてくれるなら、自宅をつけるから是非就職して欲しいんだって!
「え?自宅をつけるって…そんな空き家あった?」
って、私が聞いたら、
「ああ!ほら財務大臣の家が空いたじゃないですか!使わないと勿体ないからどうしようかと思っていたんですよね~それと、もし研究施設が入り用なら、財政難で閉鎖している塔が城内に2~3あるので、良ければ使っても良いですよ~むろんキッチリ働いて貰うこと前提ですけど、お一ついかがですか?」
と、フィリップが、飴と鞭を駆使して勧誘して、
無事、魔法使いをGETした。
そうして、5日後の御前会議で発表するまでは、借金返済と高額入金のことは内緒にって言ってたのだけど、その日の夜までには、思いっきり知れ渡っていた。
筒抜けすぎるでしょ?って思っていたら、
宮廷魔術師のトップになった魔法使いが、
「あら~隠すこと無いわ!どうせ無理矢理いらしゃるお客様なら、早いほうが対応も楽なのよ~私も趣味と実益を兼ねられるし一石二鳥よ~」
って、言ってワザと情報を流してたらしい。
自国・他国を問わずにいらっしゃる、招かれざるお客様。
特に、手ぶらでいらして、お土産のみを持ち帰ろうというお客様。
自分の身が可愛いなら…
ここは、私だけじゃなく、
魔王も住み着いた城だって事に気付きましょう!
なんだか…あっという間に20話まで、来てしまいました。
結構早かったなぁ~と、感慨にふけっています。
次話から、王国立て直し編に入る予定…
ただし、1日1話くらいのスピードかもしれません。ご了承下さい。
今回、サブタイトルのNumberingが、バラバラだったので改めました。
中身は、ほとんどいじってません。