018:わらしべ長者
あ?私、一瞬気絶してた?
気がついたら、エリザベスの名刺持って、ソファーに座ってたよ…
ふと周りを見れば、店長と、魔法使いの鑑定士が、唐草模様の風呂敷を広げて、四隅のうちの1つをルーペで見ていた。
「まぁ~久しぶりに見ましたわ~本物の神様印ぃ~!
ほらぁ~店長ご覧になって~~~~!
ちゃ~んと、神様の隠し模様がありますわ~~~!
これは、中身も期待できますわねぇ~~~~!」
と、鑑定士が、シナを作りながら風呂敷の隅を示し、
黄色い声で、叫んでいる…
チャララ~~~ン♪
再び、モンスターの攻撃!
ガシュ!ドシュ!
マリーは、視覚と聴覚の暴力を浴びた!
防御に失敗!
痛恨の一撃!!
HP:0 MP:0
GEME OVER
THE END
これがRPGだったら、こうだったろうな~~~~
私、マジでもう一回気絶しそうになったよ
なのにっ!!!!
そんなエリザベスを見ても…
店長もヨハンもフィリップも、全く動じていない!
凄いよ君たち!その強心臓を私に分けてぇ~~~~!
と私が、パニクっている間に、話はどんどん進んでいって…
風呂敷の鑑定が終わり、オセロに行こうとしていた。
店長が
「こちらも拝見します。」
と言いながら、ふたを開け…固まった!!
そして、たっぷり一分経過後、蒼白なまま横にいるエリザベスに
「エ、エリ、エリ、エリザベス~~~き、君は、ど、どう見るね?」
と引きつった声で、問いただしていた。
その言葉に、エリザベスはオセロのコマを水晶にかざし、呪文を唱えた…
え?何?何かペンギン?みたいな模様が浮き出てきたけど~
「………ま、間違いありませんわ!全て本物の晶貨です。」
部屋中に沈黙が降りた…
その一瞬後、
「「「「すげぇ~~~~~~~~!!!!!」」」」
4人の興奮した声が響き渡る
そして、興奮は続き…
「ああ~これで来月の新年度予算が組める!マリー様召還して良かった!!」
とか
「ありがとう!マリー様!!これで借金が返せて、一気に金持ち国だぁ~!」
とか
「う~む、長いこと銀行に勤務してますが、こんなに大量の晶貨を初めて見ました…むろん銀行に預けて頂けますね?」
とか
「凄いわぁ~!確か昔話で、どこかの国の王様が、神様との賭に勝って晶貨貰ったって話がありましたけど、ホントだったんですね~
こんなに頂けるなんて…マリー様、いったいどんな賭をしたんですの~?」
とか、盛り上がってる…
え?マジ?それマジ~~~?
「そ、そ、そ、それってオセロじゃないのぉ~!?
しょうかって、あの晶貨?1枚で金貨10000枚分の晶貨ぁ~~~~?
ほ、ほ、ホントに本物ぉ~~~~~?」
「「「「もちろん!本物ですよ!」」」」
あまりのことに、
腰が抜けた!
顎が外れた!!
目が飛び出た!!!
さっきのエリザベス攻撃より凄いよ!!!!
だって、それって、神様が(たぶん)タンポポの御礼にくれた物だよ?
そ、そんな高価な物だなんて~~~
…どうしよう…
リアルわらしべ長者になった気分だよ…