017:華麗?なる登場
ちょ!ちょっと!!ヨハンどうしたの~~~!
マジで、白目剥いて倒れたよ!
どうしよう!どうしよう!どうしよう!!!!
って、私が慌ててたら、フィリップが懐から何か取り出して、ヨハンに嗅がせた。
あ!もしかして、気付け薬?
おお~凄いよ!そんなのTV時代劇の中だけかと思ってた!
でも、ここもある意味時代劇の中っぽいか(笑)
で、「うっ!」て言いながら、気がついたヨハンは、助け起こしてくれたフィリップを一瞬ではね除け、ガバッと私にすがりついた!
「あ、あのヨハン大丈夫?何処か調子悪いなら休んで…」
「そ、そんな場合じゃありません!!!!
これっ、これを私たち以外の誰かに見せましたか!?」
「は?これってオセロのこと?
あ~直接見せたのは、ヨハン達2人だけじゃないかな。まあ風呂敷に包んでいるところは、色んな人が見てると思うけどね」
と言ったとたん、ヨハンは凄い早さで風呂敷にオセロを包み、
「マリー様、フィリップ、今すぐ神殿に行きます!付いてきてください!!!」
と私たちを引きずって、神殿に駆け込んだ。
で、現在に至るんだけど…
神殿は神殿でもヨハンに連れてこられたのは、何故か銀行の方…
ヨハンは受付で、唐草模様の風呂敷を見せて、
「賜り物の鑑定を頼みたい!」
と、お願いした。
さすがにVIPな私たち、豪華な応接間に通されましたよ!
で、店長を待っている間、
「ね~オセロなんか鑑定してどうするの~?
これって宝石なんかも付いてない地味なもんだったじゃん!
それとも神様から貰ったって事で、価値が上がるの?」
とヨハンに聞いても、首を振るばかりで答えてくれないし、
フィリップも、ヨハンが鑑定してって言ってから、蒼白になって黙り込んでいる。
もう~どうしちゃったの?二人とも…
そろそろ沈黙が耐え難くなってきた頃、やっと店長さん登場!
ああ~良かったと思ったその時、
店長の後ろから…
紫の水玉模様が入ったピンクのローブを着て、真っ黒なサングラスをかけた、派手なオジサンが入ってきた!
で、シナを作りながら開口一番、
「初めまして~!ワタクシ鑑定部の技術主任でオリバー・スミス、通り名はエリザベスと申しま~す!」
と言って紫色の光る名刺を差し出してきた。
あまりの事に、思いっきり引き気味で
「…えっと、オ、オリバーさん?初めまして…」
って、挨拶をした私に、…
チッチッチ!と1本だけ立てた人差し指を振り
「イヤですわ~国王様!エ・リ・ザ・ベ・ス!!です。
どうか、エリーって呼んで下さいね☆」
とハートマークが飛びそうな笑顔で答えた。
…ちょっと私、気絶してもいいかな?
どうしよう…
最初、魔法使いのイメージは、某・魔法映画の校長先生だったのに、全く違う人になっちゃた(笑)
ますます、コメディ色が強まって、Love色は遠のいていく…