015:濡れ手に粟
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読者の皆様、ご来店(?)ありがとうございます。
話が最近、ファンタジーと言うよりコメディになってる気が…
そろそろ、ファンタジー要素の魔法使いさんを出したいのだけど、欲張って話数が増えちゃったからか、話がそこまで進みません。
看板に偽りあり?
神殿から自室に帰ってくるまで、妙に人の視線を感じる…
なんでだろう?
やっぱり、唐草模様の風呂敷が怪しいのか?
ただ、怪しんでいるというよりは、困惑の目を向けられたりもするし…
気になるな~?
と、思いつつも衛兵にさえ誰何されず、自室まで戻って来ちゃったよ。
重かった風呂敷包みを下ろし、お茶を入れて一服していると
血相替えたフィリップが、怒鳴り込んできた。
「マリー様!何処に行ってたんですか~~~~!」
「え?神殿だよ?出がけに言ったじゃない…ペンちゃんに会いに行ってくるって!」
「は?私も後から追いかけましたが、居ませんでしたよって…
マリー様!?こ、この風呂敷包みは…」
「ああ~これ?ペンちゃんに貰ったの~」
「まさか!…マジで神様から頂いてきたんですか?」
で、私が「そうだよ!」って言ったとたん、フィリップは無言のまま何処かへ走り去っていった。
どうしたんだろう~?
何か顔色悪かったけど…
ま、いいか、何か用事あればまた来るだろうし…
と、再び一人でお茶していたら、
ドタドタドタ~~~~って足音と共に、ヨハンとフィリップが駆け込んできた。
「「マリー様~~~!!いくら使ったんですかぁ~~~~~!!!!」」
いきなり大声で、2人に攻められるけど、意味が分かりません。
「えっと、使ったって何を?」
「「だから、お金ですよっ!!!!神様に何か頂いたんでしょ?」」
「うん貰ったけど、それが何か?」
「「え?何かって…まさか、知らないんですか?」」
「だから何を?」
…奇妙な沈黙の後、ヨハンが
「取りあえず、神殿に行ってからの事を、全て話してください!」
って言うから
「えっと、ペンちゃんに会いに行ったら、何故か神殿の奥に連れて行かれて、神殿の中を散歩しながら、ペンちゃんの部屋を覗いてきた!!
その後、たぶん歴代国王達のオモチャらしきモノが置いてある部屋に案内されてね~
で、ペンちゃんが、好きなオモチャを持って行けって、言うので幾つか貰ってきた。
だから、お金なんて使ってないよ!」
と、話してあげた。
すると、信じられない!!って顔をしながら、二人が説明してくれたのだけど…
こちらの世界では、神頼みってのは実際にあって、直接お願いすることも可能。
ただし、神様から何か貰おうとしたら、何か神様の気に入るモノを捧げないとならず、そのせいで歴代国王は、苦心していたらしい。
今までの経緯から、神様の好みは召還者の知識だが、そうそう気に入る物はなく、大体はキラキラした宝飾品を渡していたらしい。
だから、莫大なお金がかかり、ここ20~30年は貢ぎ物なんてしたこともなかったって!
だいたい、そんなにお金かけたって、神様からは、国王達が期待したような物を貰った事はないらしかったが…
それでも、神様から何か貰ったという箔は付くし、特にその唐草模様の風呂敷を持っているって言うのが、神様に気に入られているって言うステータス・シンボル?になるんだと…
なので、あの風呂敷だけでもオークションにかけると、凄い値が付くらしい…
だって、話の途中マジな顔した2人に「「あの風呂敷をオークションに懸けても良いか?」」と聞かれたからね~
────閑話休題────
そんなわけで、二人は私が神様から何か貰ってきたのを見て、借金して貢ぎ物を買い神様に差し出したのか!?と勘違いしたらしかった。
「え~?何それ~!!
だいたい私、ペンちゃんに何か頂戴なんて言ってないし…
それに、ペンちゃんには、貢ぎ物なんて言える物を渡してなんか…
ん~~~~~?
渡した物と言えば、タンポポの首飾りと冠くらいだよ?あれって貢ぎ物になる?
あ!じゃあこのプレゼントって、その御礼だったのかな?」
「「………なんて幸運な………」」
ヨハン達は、目を丸くしながらも、お金がかかっていないことに安心していた。
ま、その気持ち分からないでもないよ、これ以上借金できないしね…
どうやら、私は濡れ手に粟で、ちゃっかりペンちゃんから宝物をせしめていたらしい。
しかし、あの広いオモチャ部屋にあったのは、貢ぎ物だったのか。
そうか、歴代国王達は、あそこで遊んでいた訳じゃあないんだ~
ん?貢ぎ物の部屋?
じゃああそこって、ペンちゃんの宝物庫だったの…?
私が、入って良かったのかな~?
でも、トランプとか、オセロって、そもそも宝物なの?