めもめも
ミキ:はーい!みんな!今日はオイラから特別なお知らせがありまーす!詳しくはオイラのSNSから確認してねー!
ミキ:とにかくハロウィンはみんなで盛り上がろうー!
導:西園寺さん、急に呼び出して何事ですか?しかも北さんも一緒になんて何かあったんですか?
西園寺:すまないね。キミ達に確認して欲しいものがあったものでね
北:まぁオレは別件で呼ばれたワケだが…どうしたボウズ?
西園寺:北警部、ボクももう三十歳だ。ボウズはよしてくれないか?
北:何言ってやがる、ボウズはいくつになってもボウズだよ
西園寺:北警部には敵わないな
導:西園寺さんが口で負けるなんて珍しいですね
西園寺:そうかい?…それよりも久しぶりに問を出させてもらうよ?正解しても罪の告白はないがね
導:それは残念ですが、望むところです
西園寺:では…人類の最大の発明品は何だと思う?
北:発明品…。電気か?
西園寺:確かに電気も欠かせない。だが、もっと単純で魅力的なものだ
北:だったらダイナマイトか?爆発は化学だ芸術だ、って言うしな
西園寺:ハズレだ。残念ながら兵器の類ではなく、誰でもその価値を理解し扱えるものだよ
導:…お金?ですか?
西園寺:中々に惜しいね。お金よりも具体的で単純だ
北:ひねくれた問題だなボウズ。それは今回呼び出した事に関係あるのかい?
西園寺:あぁ、大いにある。今回呼び出した理由を説明しやすくする為の問だ
導:お金が惜しい…。もしかして数ですか?
西園寺:ほう…正解だ。さすが導くん!今回の場合だと正確に言えば数字だがね
北:数字だぁ?そんなもんが人類最大の発明品なのか?
西園寺:あぁ、そうだ。数字や数値で表せばその物の価値を具体的に伝えることが出来る。また抽象的な物であっても価値の証明になるのさ
導:それでいて価値観の共有もでき、魔性の魅力も持つ。ですか?
西園寺:その通りだ
北:つまりは試験で100点を取れってことかい?ますます話が見えないな
西園寺:残念ながら彼らは百や千では納得出来ないのだよ
北:どういうことだ?
西園寺:動画配信者の『ミキゆき』。この人間のチャンネル登録者数は万を超えている。そして数字に取り憑かれた哀れな人間さ
北:ほぅ、これが最近流行ってる配信者ってヤツか?この兄ちゃん?姉ちゃん?ってどっちなんだ?
西園寺:この人物に性別はない。いわゆるISだ
北:アイエス?なんだそりゃ?
導:インターセクシャル。男でも女でもない性別のことですね
西園寺:導くん、ボクはその言い方はあまり好きでは無い。男であり女でもあると訂正してくれ
導:すみません…。確かに神話では両方の性を持つ者は神に等しいという逸話もありますよね…。不適切な発言でした…
西園寺:いや、すまない…言い方がキツくなってしまった
北:で?このガキんちょがなんだって言うんだ?
西園寺:それはこの動画を観てくれ
ミキ:ただいまー!
ミキ:いや、こんにちは…かなー?何でも良いって?
ミキ:りょー!
ミキ:さぁハロウィンも間近になってきたけどーみんな準備は良いかなー?
ミキ:ってコトで!ミキの
ミキ:人生かけた大イベント楽しみにしててね!
ミキ:んじゃ、ハロウィン当日待ってるよー!
北:ただ喋ってるだけの動画じゃないか?これのドコが問題なんだ?
導:た…い…りょ…
導:まさか…?
西園寺:導くんは気付いたみたいだね、この動画の違和感に
北:どういうコトだい?お嬢?
導:動画内の頭文字を並べると…『大量殺人』になるんですよ。多少濁されてますが
西園寺:そうだ。だから気になって二人を呼んだわけだ
北:考え過ぎな気もするが…ボウズが言うならそうなんだろうな
導:分かりました。では、早速本人の所に行きましょう!
西園寺:あー、すまないが導くん1人で頼めるかい。ボクは北警部と一緒にヤボ用があってね
導:え?その為に呼んだんじゃないんですか?
北:悪いなお嬢。オレはボウズに同行しなきゃならない。だから頼めるかい?
西園寺:それに今回は確信がもてない部分もある。だから導くんが適任だと思う
導:…分かりました。ならアポ取ってから向かいますね!
0:部屋を出る導
北:…これで良いのか?ボウズ?
西園寺:あぁ…ここからは彼女の仕事だ。北警部、ボクらも向かおうか
北:あいよ
ミキ:やぁみんなー!今日はビックリどっきりゲストの登場だよー!
ミキ:美人刑事と話題にもなった東条導さんだよー!
導:これはどういうコトですか?
ミキ:いやぁ有名人に来てもらったからさ動画回さないと!って思ってね!実物は顔が小さくて美人だねー
導:…ありがとうございます。今は生放送ってコトで良いですか?
ミキ:いやー?さすがに国家機関を敵に回したくないから録画だけだよー!編集したらアップの許可申請もしなきゃだしー!
導:それなら良かったです
ミキ:で?オイラに聞きたいコトって何かなー?
導:SNSで上がってた告知動画についてです
ミキ:おー!見てくれたんだー!嬉しいなぁ!で?導さんも参加してくれるの?
導:大量殺人ってなんですか?
ミキ:大量殺人?どっからそんな情報が出たのー?オイラ怖ーい
導:とぼけないで下さい!ウチの捜査官がアナタのあの動画は殺人予告で間違いないって言ってるんですよ!
0:カメラを止めるミキ
ミキ:えへへ、ありがとうね?ちゃんとメッセージは伝わってたみたいで安心したよ
導:なっ!?やっぱりですか!それなら逮捕します!
ミキ:そんなに慌てないでよー?オイラはメッセージが伝わったコトを肯定しただけで殺人予告だなんて言ってないよー?
導:それでも私はアナタを…
ミキ:逮捕状は?
導:え?
ミキ:だから逮捕状ないでしょ?それに今は任意の事情聴取だから決定的な証拠がないと逮捕はムリだよ?
導:なら任意同行で…
ミキ:ムリムリ!任意でしょ?それにオイラは仕事の動画編集と撮影があるから断れるし
導:そんなに動画が大事ですか?
ミキ:まぁーね。一応仕事だし。それに増えていく数字を見てると安心するんだぁ…
ミキ:良かったぁ…オイラはこの世界に必要な人間だって肯定された気分になれる
導:私には理解できません…
ミキ:だと思うよ?だって導さんは有名人だもん。オイラみたいな凡人とは生きてる世界が違うからねー
導:…また来ます
ミキ:はーい!またのお越しをー!
ミキ:さてと…準備しないとね…今から楽しみだぁ
北:ボウズ、話は終わったか?
西園寺:…あぁ。終わった
北:どうだった?
西園寺:…相変わらずだったよ。5年ぶりの再会だったが、まともに言葉を返してくれなかった
北:そうか…。なぁ、アイツの事をお嬢は知ってるのか?
西園寺:いいや、知らないよ。彼女に余計なものを背負わせるコトになりかねないからね
北:気持ちは分かるが、お嬢はボウズのコト慕ってるぞ?もう少し心を開いても良いんじゃないのか?
西園寺:それはそうかもしれないが…
導:私のコト話してましたか?
西園寺:導くん!?何故ここに!?
導:西園寺さんのGPS追って来ちゃいました!ちょうど近くだったので!
導:…ここって、精神病院ですよね?
北:あぁ
導:こんなところに何の用だったんですか?
西園寺:…カウンセリングだよ。上からのお達しでね
導:なら私が同行した方が良かったんじゃないですか?
西園寺:それは…
北:まぁまぁ!それはそうとお嬢。例のガキんちょから話は聞けたのか?
導:そうでした!報告したいので西園寺さんの部屋に戻りましょう!
西園寺:…あぁ。分かった
導:…と、言った具合で犯行予告の可能性が高いです。ただ場所や時間については分かっていません
北:なんつーガキんちょだ。今からテキトーな理由作って、しょっぴくか?
導:今からだとかなり厳しいです…。それに法律関係の知識も人並み以上に持ってそうでしたし…
北:せめて場所と時間さえ分かればな…。って、ボウズさっきから元気ないけどどうした?腹でも減ったか?
西園寺:あ…いや、すまない。少し考え事をしていた
導:西園寺さん、今回の件について見当付きましたか?
西園寺:いいや、残念ながら…だが数字にこだわる人間である以上、今日か明日には新しい動画を上げるだろうね
北:さすがにそれじゃ遅い…。それなりの人数を動かすなら事前に伝えておく必要がある
西園寺:果たしてどうしたらいいものか。…んパソコンに通知音?
導:西園寺さん!ミキさんの新しい動画上がってます!
西園寺:モニターをこちらに向けてくれ
ミキ:やぁやぁやぁ!
ミキ:ミキゆきだよー!今回はみんなに明日の集合時間と場所を教えようと思ってねー!
ミキ:明日17時に集合!で、場所なんだけど…オイラもそこそこ有名人だからみんなで一気に集まってパニックになったら大変だからヒントだけ教えるよー!解けた人は来てねー!
ミキ:あと場所が分かった人はこのお店に売ってるコスプレ商品を装備して来てねー!待ってるよー!
北:とりあえず時間は分かったな
導:ですね!背景に映っていたのはスクランブル交差点でしたね、それに大型ディスカウントショップですね
北:まぁ、ここなら警察官が配備されるから増やすように要請すれば問題ないだろう
導:そうですね!これなら上もすぐ動いてくれますよね!
西園寺:待ってくれ
導:どうしたんですか?西園寺さん?
西園寺:なぜ仮装衣装の指定があいまいなんだ?
導:それは自分も大衆に紛れやすくする為では…
西園寺:それなら顔だけ隠すように伝えるべきだ!服装をある程度統一させる理由…なぜだ?
北:ボウズ…考えすぎじゃないのか?戻ってきてから様子がおかしいぞ?
西園寺:ボクは正常だ!至って問題ない!
西園寺:…あ、いや、大声を出してすまない…
北:そもそもなんだが、ボウズはどうしてこのガキんちょのコト知ったんだ?配信者なんて星の数ほどいるだろ?
導:確かにそうですよね…動画配信なんて興味なさそうなのに
西園寺:いや?ボクは人間観察の為に動画をよく見ている。まとめサイトとかもね
導:そうだったんですね
西園寺:その中でも一際配信内容が過激になって来ているのがミキくんだ
北:だからボウズが気になってた訳か…
西園寺:あぁ。幸いにも明日まで時間はまだある。ボク達3人だけでも迅速に対応出来るように動画を見直してみるよ
北:あぁ頼む。じゃあオレらもお暇するか
導:そうですね。では西園寺さん失礼します
0:部屋から出る二人
北:お嬢、この後少し時間あるかい?良かったらメシでも行かないか?
導:構いませんよ?
0:個室居酒屋にて
導:北さん、この緊急時にお酒飲むんですか?
北:まさか。ココはオレが他人に聞かれたくない話をする時に利用している
導:聞かれたくない話ですか?
北:そうだ。とりあえず腹は減ったから何か頼もう。お嬢食べれないもんあるかい?
導:いえ、特にありません
北:あいよ。じゃあオレのオススメを二つ…っと
0:北はタッチパネルを使い注文する
導:ありがとうございます。北さん…話とは?
北:単刀直入に聞く。ボウズの過去をどこまで知っている?
導:西園寺さんの過去ですか…。世界的にも有名カウンセラーでお姉ちゃんの恋人だったこと位しか…
北:そうか…。ならあの収監部屋の事も知らないのか…
導:あの収監部屋とは?
北:ボウズの部屋だ。さっきまで居ただろう
導:あの部屋は自身の為に私財を使って作ったんですよね?他の犯罪者の声を聞きたくないから防音かつ自分好みにしたって聞きました
北:なるほどな…。お嬢はボウズが捕まってから作ったと思っているのか?
導:あれ?でもそれだと完成が異常に早すぎる…?
北:察しが良いな。部屋の作りに関してはボウズから直接聞いたのかい?
導:いえ…元刑事の武藤さんからです
北:なるほどな…。ボウズはお嬢に何も伝えてないわけか…
導:どういう事ですか?
北:いや…年寄りの戯言だ…。あんまり気にしないでくれ
導:…わかりました
北:なぁ…お嬢…。ボウズが全てを語るとは思えないが…どうか力に…
0:導のケータイに着信が入る
導:すみません、電話出ます
導:はいこちら東条。…えっ?火事?分かりました!すぐに北さんと向かいます!
ミキ:ふんふふーん。バズれバズれー!
ミキ:身体を晒してもあんまり伸びなかったしー、卑猥なセリフをいっぱい言ってもダメ
ミキ:知識の披露や悩み相談のマジメな内容も全然伸びない
ミキ:ゲーム実況や歌ってみた、やってみたも何番煎じー?って叩かれて終わり
ミキ:…結局伸びるのってコレが1番なんだよね
0:車で火災現場に向かう3人
北:まさか例の店で火事とはな…。とんだ偶然もあったもんだ
導:ですね…。西園寺さん、お休み中に本当にすみません
西園寺:…インパクト
北:何か言ったかボウズ?
西園寺:ミキくんにとってハロウィンなど、どうでも良かったのだよ
導:ハロウィンに犯行を起こすつもりじゃなかったんですか?
西園寺:そう思っていたが、それだとインパクトが足りない。そしてリアリティに欠ける
北:さっきから横文字をやたらと並べるがそれは何だボウズ?
西園寺:あぁ、創作物における人の心を動かす3大要因さ。恐らくミキくんが今回思い描いているものは…
ミキ:リアリティな日常にインパクトのある出来事が起きる…そしてドラマチックなフィナーレ
ミキ:インパクト…まさかのハロウィン前夜の悲劇
ミキ:リアリティ…買い物中に火事でパニックに陥り本性をさらけ出す民衆
ミキ:ドラマチック…前の2つが人の心を掴む程、より感動的になる
ミキ:さぁて…今の視聴者数は…っと。なぁんだ…まだ100人程度か…。なら、もっと盛り上がって貰わないとね
西園寺:新しい動画が上がっている!…どうやらライブ配信のようだ
導:場所はどこですか!?
西園寺:どうやらディスカウントショップ内のようだ。だが音声は切られている…。なぜだ?
北:なんにしても急ぐぞ!ボウズはとにかく情報を集めてくれ!
西園寺:あぁ
0:火災現場に到着した3人
北:到着っと…。とりあえず俺とお嬢は野次馬共の相手だ。ボウズはパソコンで何か情報が無いか引き続き調べてくれ!
西園寺:承知した。連絡のやり取りは無線で大丈夫かい?
北:あぁ、それで頼む!お嬢行くぞ!
導:分かりました!
0:車から降りる2人
北:ちっ、野次馬が想像上に多い。現場に近付けやしねぇ…。
北:警察だ!通してくれ!
西園寺:2人とも聞こえるかい?
導:聞こえますよ。どうしましたか?
西園寺:ミキくんがライブに音声が入り始めた。それに複数の階の映像も流れ出した
導:どんな状況ですか?
西園寺:どうやら火は出ていないらしい。だが…どの階にも異常なほど煙が充満している
西園寺:中の人間たちはパニック状態だ。まさに阿鼻叫喚といった具合だね
北:だったら急がないとマズイな。消防隊員は中に入ってるか?
西園寺:あぁ、居るよ。だが客の多くが上層階にいるから避難が思うように進んでいないようだ
北:だったら早いとこ行って出入り口の整理をしないとな
導:ですね。…ふーっ、何とかたどり着けましたね…
北:危ないから下がってくれ!けが人搬送のジャマになる!
ミキ:ふふふっ。待ってたよ。刑事さん達。美人薄命…。んー…そんなのはありきたりかなー
西園寺:北警部、導くん気を付けてくれ
導:何かあったんですか西園寺さん?
西園寺:どうも中の様子がおかしい。ミキくんは建物の中に居ないようだ
導:つまりどういう事ですか?
西園寺:ミキくんの単独行動ではなく、ミキくんの信者が中で騒ぎを起こしている可能性がある
北:だったら尚更厄介だな…。ボウズ!その信者ってヤツらは何人位いる?
西園寺:正直分からない…。だがこの手のものであれば10から15人程度だと思われる
導:思ったより多いですね…。音声が急に入りだしたのにも訳があるんですか?
西園寺:それについてはミキくんの不在を隠す為だったのかもしれない。恐らく今はリアリティを追求しているのだろう
導:なんて悪趣味な…
西園寺:だが…ミキくんの目的はパニックに陥る民衆のライブだけではない。色々と腑に落ちない点が見えてきた
西園寺:また何か分かったら報告するよ
ミキ:ふふっ。ありがとねオイラの信者達。おかげでオイラの目的を達成出来そうだよ
北:頼んだぜボウズ!さてと…こうなったらオレらも突入する方が良いのか?
ミキ:中の様子も良い感じに注目されてる。そして今ここには沢山のマスコミも来てる。舞台は整ったね
0:フードを被った小柄な一人が入口に近づいていく
北:おいアンタ!これ以上近付かないでくれ!聞けないなら逮捕するぞ!
ミキ:タイホ?喜んで!これでもーっと注目されちゃうね!
北:ガキんちょ!?
0:ミキはフードを取り北の腹部にナイフを突き刺す
ミキ:これでフィナーレだよ!
北:がはっ…!どういうことだ…っ…
0:導はミキを取り押さえ手錠をかける。それと同時に近くにいた救急隊員が北の止血に入る
導:ミキ容疑者!あなたの目的は何なんですか!
ミキ:ふふっ。言ったでしょ?数字が欲しいって
導:たったそれだけ…?
ミキ:たったじゃないよ!オイラにとっては自分の命よりも大事なんだよ!オイラが生きてる証なんだよ!増えなきゃ生きてる価値なんかないんだよ!
導:数字に取り憑かれた悪魔…
ミキ:良いね!それ!インパクトすごいじゃん!導ちゃんネーミングセンスあるね!
導:ふざけないで下さい!アナタは何をしたか分かってるんですか!
ミキ:分かってるよー?ベテラン警部があっけなく死ぬ。インパクトすごくない?キレイなお姉さんじゃなくオジサンが死ぬ。見る人もワクワクすると思うんだよね!
導:何言ってるんですか…。アナタはそれで本当に満足なんですか!
ミキ:満足だよ?
ミキ:それよりも良いの?このままだとー、あのオジサン死んじゃうよー?
導:くっ…!すみません、あとはお願いします
0:他の警察官に引渡し北に駆け寄る
北:お嬢…すまねぇな。下手こいちまった…
導:喋らないで下さい。治ったらいくらでも聞きますから
北:いや…悪いが…ダメだ…
導:そんなこと…
北:いいから…聞いてくれ…
導:…
北:ありがとうな…。お嬢…。ボウズ達の事…頼む…
導:西園寺さん達…?
北:あぁ…アイツら…を…まもっ…てく…れ………
0:意識を失う北
導:北さん?…北さーん!
0:パトカーに連行されるミキ
ミキ:これで1000万再生行ったかな?トレンド入りしたかな?えへへ…えへへ…。最高のクライマックスだったでしょ?
導:黙りなさい!
ミキ:はいはーい!分かりましたー!そうだ!私の取り調べってライブ配信出来る?
導:何言ってるんですか?
ミキ:良くない?世界初の取り調べライブ配信!めっちゃバズりそうー!ねぇねぇ!どう?どう?
導:…アナタは人として最低です
ミキ:ありゃりゃ。残念。ダメかー
ミキ:でも…安心してよー導ちゃん?だってオイラは…
ミキ:数字に取り憑かれた悪魔…なんでしょ?
0:車に戻る導
導:西園寺さん…北さんが…
西園寺:…
導:聞いてますか?西園寺さん途中から何も話さないですし…ひどすぎですよ…
西園寺:す…まな…い…
0:西園寺の異常に気付き後部座席に移動する導
導:西園寺さんっ!どうしたんですか!?
西園寺:さえ…こ…
導:さえこ…?そんな事より救急車…っ!
ミキ:これなら絶対バズってる!間違いなくバズってる!これでオイラも超有名人じゃん!
ミキ:世間が、世界がオイラを見てる!チャンネル登録者数は…
ミキ:…え?アカウントが凍結されました…?やめてよ!ウソだよね!?
ミキ:返せよ!返してよ!オイラの…オイラの数字を返してくれよ!
ミキ:こんな結末オイラは絶対に認めない!
ミキ:…そうだ!自殺発見タイムアタック…これってバズるよね?
ミキ:よーし!じゃあ…まずは…この布でロープを作って…っと…
0:ベッドの上で目を覚ます西園寺
西園寺:…んっ、ここは?ボクの部屋…?
西園寺:…そうか。ボクは意識を失ったのか…。トラウマというものは中々に厄介だな
導:西園寺さん、大丈夫ですか?
西園寺:導くん…。あぁ迷惑をかけてすまなかった。大丈夫だ
0:ゆっくりと上体を起こし座る
導:西園寺さんのおかげでミキ容疑者は無事逮捕出来ました
西園寺:そうか。…北警部はどうなった?
導:一命は取り留めましたが意識不明の重体です。
西園寺:…それなら良かった。北警部が刺されたのを見た時からの記憶がイマイチなくてね…
導:あの…西園寺さん…
西園寺:なんだい?
導:サエコさんって誰ですか?
西園寺:…何故その名前を?北警部から聞いたのかい?
導:いいえ。西園寺さんが意識を失っている時に言っていました。それにさっきもトラウマと…
西園寺:…すまないが導くんに話すことは何もないよ
導:でも…
西園寺:だから何もないと言っているだろう!
導:西園寺さん…どうしたんですか?
西園寺:すまない。どうも感情をコントロール出来ないようだ…
導:精神病院に行ってから西園寺さんおかしいですよ!何かあるなら言ってください!相棒じゃないですか!
西園寺:…しばらく一人にしてくれ。改めて連絡する
0:西園寺は再び横になり布団を被る
導:西園寺さん…
0:導は首を横に振り、伸ばした手を下げる
導:分かりました。でも間違っても自殺なんてバカなマネしないで下さいね。あなたの命は私のモノなんですから…
西園寺:あぁ…そんなマネはしないから安心してくれ…
導:分かりました…。ゆっくり休んで下さい
0:部屋から出ていく導
西園寺:導くんに伝えるべき…なのか?だが…それは…燈も裏切る事になる…。ボクはどうしたら…
導:こうなったら…あの人の所に行かなきゃダメみたいですね…。正直顔も見たくないけど…
導:私が必ず西園寺さんの秘密…解き明かしてみせます




