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プロローグ

始まりました。

宜しくお願いします。


―――――


俺は立花隼人たちばなはやと、中学三年生になったばかり。身長は百七十二センチ。髪の毛は、気が向いたら床屋に行く程度。勉強嫌いの俺は、と言っても成績は中の中でめちゃ悪いと言う訳ではない。

だからと言う訳はないが、このまま適当に勉強して近くの高校に入り、適当な大学を出てサラリーマンになる。その程度しか考えていなかった。

陰キャでもなく陽キャでもない俺でも友達はいる。黒い髪の毛が腰まであり、細面の目が大きい鈴木穂香。幼馴染と言う訳ではないが、中学一年の時に知合い、何となく気が合って話す事が多い。いわばお友達。成績は俺より上。


もう一人、男友達がいる。小学校からの腐れ縁の中田幸三。背が高く、頭も良い。家が近くで良く遊ぶ。頭は俺と同じ位。


ところが、ところがだ。三年になるまで気が付かなかったが、如月星世きさらぎほしよという女の子が同じクラスになった。


 俺の胸がドキドキ感満載の女の子。美人というより可愛い感じ。肩まで伸びた黒い髪の毛。クリっとした可愛い大きな目。細面より少し丸顔系。胸はそんなに大きいほどではないが有る事は強調している。成績は優秀。地元如月医院の姉妹の妹らしい。


だが、声を掛ける手段がない。


毎日横目でチラ見しながら、過ごす毎日。


「はぁ」

「どうした。隼人。ため息なんかついて」

「あっ、なんでもねえよ」

「そうか。彼女無し、勉強嫌いのお前がため息つくとしたら…。ずばり面白いマンガがない」


俺は、小学校からの知合いで家が近い中田幸三のアホな一言に呆れながら

「全然違う。それよりクラブ活動は、まだ終わっていないだろう」

「ああ、今日は、上がりだ。家に用事が有る。どうせ図書館で暇つぶしている隼人を誘って一緒に帰ろうかなと思ってさ」

「そうか。嬉しいが、もう少しやりたいことが有ってな。数学クラブで使用する資料を作っていたんだ」

「へっ、お前勉強出来ねえじゃん。何作っているの」

「うるせー。いいだろ。何だって」


「そこの二人。ここは図書室よ。静かにしなさい」


「「すみません」」

「ほら。怒られた。先帰れ」

「わかったよ。じゃあな」


幸三は鞄を片手に持つと図書室を出て行った。


「何嘘ついているの。数学クラブから隼人に作って欲しいいものなんて出してないわよ」


後ろから声を掛けたのは鈴木穂香だ。現在数学クラブの部長。ちなみに数学だけは、通年通して学年一位。


「穂香か。お前と一緒に帰りたかったからな」

「えっ」

少し頬を赤らめると

「なに、隼人も遂に私の魅力に気付いたの」


穂香の方に振り返りジト目で見てやった。

「ばあろー。そんな訳ないだろう。穂香が俺と帰りたがっているかなと思ってさ」

「私なら一人で帰れるわ。もう図書室も閉まる時間だし。じゃあね」

「えっ、あっ、ちょっと待てよ」


俺は机に出していた教科書と小説を鞄に仕舞うと急いで穂香の後を追った。

穂香が既に図書室をでているので急いでドアを開けると

「わっ」

「おっ」


いきなり目の前に女の子が、思い切りぶつかって来た。いや俺がぶつかったか。女の子は持っていた資料を廊下に落として、しりもちをついている。


えっ、白いものがスカートの奥から見えて……。そして相手の顔をよく見ると、如月星世……。


「えっち。何処見ているの」

「あっ、ごめんなさい」


急いで廊下に散った資料をまとめようとすると

「いいです。私一人で出来ますから」

「いや、すみません。直ぐに拾います」

「……」


「はい、これ。本当にごめんなさい」

「ありがとう。いえ、こちらも気を付けていなかったから。ではこれで」


そのまま、図書室の中に入って行った。


あーっ、なんという運の悪さだ。あこがれの人との初めての会話が、これじゃあ。

あっ、いけね。穂香、もう行っちゃったかな。

図書室は三階の隅の部屋だ、急いで一階の下駄箱まで来ると


「隼人。遅ーい。もう一人で帰ろうと思ってたよ」


やっぱり待っていた。穂香と俺はいつも帰りが一緒。周りからは付き合っているのかと聞かれるが、俺とこいつの間に恋愛感情は無いと思っている。

「悪かったよ。急いで履き替えるから」


穂香と肩を並べて歩き校門を通り過ぎた所で

「どうして遅れたの」

「いや、実は…」


仕方なく、図書室の前の如月との衝突事件を話した。

「はーっ、それはご愁傷様。でもこれで彼女との距離が近くなったりして」

「そんな事ないだろう。むしろ遠のいた感じ」


おれの背中をパシパシと叩きながら

「大丈夫。何とかなるって」


学校から真直ぐ大きな交差点の前に来ると

「じゃあねー」

「ああ」


穂香は右に曲がり、俺は左に曲がって別れた。




私は、男の子と女の子が仲良さそうに話ながら校門から出て行くのを見ていた。

さっきぶつかった男の子、同じクラスの子だ。名前は確か…。


「どうしたの。星世。窓からぼーっと外見てて」

「えっ」


如月星世に話しかけて来たのは、星世が中学一年から仲良くなった柏木美緒。図書委員だ。

丸顔で目がぱっちりして胸が大きい。星世と同じく成績優秀。


「えっ、じゃないでしょ。珍しいわね。そんな顔。分かった。誰か好きな人出来た」

「まっさかー。無理無理」

「そうかな。星世、私から見て可愛いと思うけど」


自分では全く思っていない事…。を言われながら、また校庭に目を戻すと先ほどの二人の姿はいなかった。


―――――


物語が始まりました。

次回をお楽しみに


面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。

感想や、誤字脱字のご指摘待っています。

宜しくお願いします。



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