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最後の過去

作者: 小南廿ふ


ああ、起きた。

良い朝だわぁ。

さて、支度をしなくちゃ。

うーん、身体が重い…最近ずっとこんな調子ね…風邪かな…。

うーん。うーん!もっと動きたいのになんでこんな身体を動かしづらいの!

「ねえおかあさん。おかあさん。」

お母さんの調子がなんか変。微笑んでるけどそっけない。

お父さんはもう仕事に行ったのね。

いいや、トイレに行こ。

なんかトイレまでの道のりが長く感じる…

ああ、学校に行こう。学校に。

じゃあ、お母さん行ってくるわね。

えーと確か今日は体育の授業があったような…。

えっと今日って何曜日だっけ…。

あれ、ここはどこ?

考え事をしてたら違う道に来ちゃった。

私の家の近くにこんな都会の町があったとは…

えーと…学校へはどうやって行くんでっけ?

豆腐屋の車が通ってる通りを行くのだけど…

ああ、疲れた。やっぱり今日は学校を休むべきだったかも。

遅刻しちゃう…

「どうしよう…」

あ、お母さん!  じゃない…誰…?

ちょっとなんで私を連れてくの!?

でもなんだか優しい手...

なんであなたはそんなに悲しそうな顔をしているの....

家に着いた。

「おk*********」


----------------------------------------

「ツグさんの様子はどうですか。」

「.. 今日も目覚めが悪くて、頻尿もありました。

徘徊も増えてきて、気づいたら居なくなってて...」

「大分認知症の症状が進行しているようですね。」

「ええ。母は子供の頃に戻りたいとたまに言っていました。それが今、こういった形で叶ったわけです。それなら私達は母の余生が楽しくなるように支えるほかありません。」



 

 

神A「多くの人々は過去に戻りたいと思っているようです。どうにかならないものでしょうか。」

神B「無知で思考力のない頃というものはやはり楽しいものだろう。そしてそれは戻れないものだとしたら余計に美しく見えてしまう。意識が全て無くなる寸前にその頃を再現させよう。」

そうして、神が人々が過去を恋しく思うその気持ちを慮って、脳を少し細工したのです。

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