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第72話 もう1人の天才

メールの差し出し人は綾辻秀となっていた。

なんとも、書道家らしというか和風な名前である。


 メールの内容としては、倉木から紹介された旨とぜひ、協力したいという旨が書かれていた。


「めちゃくちゃレス早いな」


 このレスの速さから仕事ができそうな感じがする。

業界に居ると、レスの速さはかなり大事になってくる。


 俺もすぐに返信する。

すると、話はとんとん拍子で進んでいき、直接お会いしてお話しましょうということになった。


 書道家という自由業からか明日初回の顔合わせをする事になった。



 ♢



 翌日、俺は新たな職業を開拓できる事に胸を弾ませながら、待ち合わせ場所へと向かった。

場所は綾辻さんが指定してきた新宿の喫茶店である。


 店舗で直接待ち合わせましょうとなっていたので、俺は店内に入った。

綾辻さんはすでに店に着いているという。


「待ち合わせなんですけど」

「かしこまりました。店内お探しください」


 店員さんに促され、俺は店内を見回した。

すると、こちらに気づいた綾辻さんは軽く頭を下げた。

俺の服装やらの特徴は伝えていたので、なんとなくわかったのだろう。


「綾辻さんで大丈夫ですか?」

「はい、綾辻と申します。四宮さんでいらっしゃいますね」

「四宮です」


 そういうと、俺は綾辻さんの対面の席へ腰を下ろした。


「改めまして、株式会社フルムーンでチーフプロデューサーをしております四宮渉と申します」


 俺は名刺を取り出すと、綾辻さんに渡した。


「頂戴します。私、書道家をしております綾辻秀と申します」


 綾辻さんも名刺を差し出した。

そこには『書道家 綾辻秀』と達筆な字で書かれていた。


「この度はお声かけいただきありがとうございます」

「いえ、こちらこそです。書道家の先生と聞いていましたのでてっきりもっと年上の方かと思っていました」

「よく言われます」


 綾辻は苦笑いしながら言った…


 見た目から推測するに、綾辻さんは俺より若い。

黒のワイシャツにスリーピースのスーツという、ファッションから落ち着いて見えるが、20代前半に違いはないだろう。


「失礼ですけど、おいくつなんですか?」

「今年で24になりますね」


 やはり、俺より若かった。


「お若いですね。そのお年で錚々たる実績をお持ちで」

「恐縮です」


 大手企業に多数の題字提供をしているとは思えない見た目である。


「では、早速ですが仕事の話に入らせて頂きますね」

「分かりました。よろしくお願いいたします」


 俺はカバンの中から資料を数枚取り出した。


「こちらが、弊社の概要と所属アイドルグループ、そして今回企画するアイドルオーディションの詳細となります」

「拝見します」


 綾辻さんは資料を受け取ると、目を通していった。

お読みいただきありがとうございます。


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