第69話 ライブ見に行ってもいい?
そこから、少しワンマンライブについての打ち合わせをした。
「私たち、頑張ります!」
「うん、頑張ろう」
「せっかくのチャンスだしね」
メンバーたちは改めて気合を入れていた。
「よし、その調子で頼むよ。俺もできる限りバックアップするから」
「よろしくお願いします」
莉奈たちはぺこりと頭を下げた。
「こちらこそです。よし、そろそろ帰ろうか」
大体1時間ちょっとくらいは喋っただろう。
「そうですね。ありがとうございました」
「うん、ありがと。お会計してきちゃうね」
そう言って、俺は伝票を持ってレジへと向かった。
お会計を済ませると、外で待っているWhiteのメンバーの元に行く。
「お待たせ」
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまです」
「いいよー。駅行こうか」
歩いて数分の所にある駅に向かう。
「それじゃあ、気をつけて」
「お疲れ様でした」
「うん、お疲れ様」
俺は莉奈たちとは違う路線に乗って自宅の最寄り駅へと向かう。
約20分ほど電車に揺られて最寄り駅へと到着した。
「ただいまー」
玄関の鍵を開けて靴を脱ぐ。
「おかえりー」
リビングの方から瑠奈の声が飛んできた。
「今日、早かったのか?」
「ノー残業デーなんで!」
瑠奈はピースしながら言った。
いや、可愛いな。
最近はノー残業デーというものもあるのか。
元々、瑠奈の勤める会社はホワイト企業なので19時以降に仕事をさせることはほとんどないようだが。
「楽しそうでいいな」
「お兄ちゃんは楽しくないの?」
瑠奈は料理を配膳しながら言った。
「今は楽しいぞ」
「だよね。前は死んで3日経ったくらいの魚の目をしてたもんね」
瑠奈は笑みを浮かべながら言う。
「俺、そんな酷かったのか?」
「うん、ユメミヤ?時代はね」
確かにあの時は仕事に追われていたし、会社との軋轢もすごかった。
そう考えれば、今は恵まれている。
かなり自由にやらせてくれている。
「はい、ご飯食べるよ」
「おう、いつもありがとうな」
俺は瑠奈の対面に座って食事を開始する。
「そういえばさ、」
瑠奈が切り出した。
「どうした?」
「今度、お兄ちゃんのプロデュースした莉奈さんたちのライブ見に行ってもいい?」
「別にいいよ。関係者席のチケット用意するよ」
別に断る理由などは俺に無い。
むしろ、瑠奈が見に行ったら美穂や莉奈は喜ぶのでは無いだろうか。
「ありがとう。次のライブはいつなの?」
「来週末だな。時間は夕方」
「その日行っていい? 週末なら仕事休みだし」
「わかった。チケット用意しておくよ」
せっかく来るならちょっといい席でも用意した方がいいだろう。
「ありがとう。楽しみにしてるね」
「おう、俺も頑張らないとな」
「無理はだめだよ。お兄ちゃんが倒れたら困る人たくさん居ることを自覚してよね」
「わかってるよ」
この状況で俺がいなくなったら色んなところに迷惑がかかるだろう。
「なら、よろしい」
瑠奈は微笑みを浮かべて言った。
お読みいただきありがとうございます。
僕の推しは瑠奈ちゃんです!!
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