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第51話 いつもの場所

 翌日の朝、俺は昨日約束した警察官、橋本千鶴に会うために準備をしていた。


「あれ、お兄ちゃん今日は休みなんじゃないの?」


 オフィスカジュアル的な服装をし、軽くメイクを済ませた瑠奈が言った。


「ああ、今日はちょっと警察に行くんだよ」

「お兄ちゃん、なんか悪いことしたの?」


 瑠奈は怪訝な顔を俺に向けてきた。


「違うって。昔の知り合いに会ってちょっと相談するだけだよ」

「なるほどね。じゃあ、私はもう出るから」

「ん、行ってらっしゃい」

「はーい」


 そう言うと瑠奈は玄関の方に向かって行った。


「さて、俺も行くか」


 俺は朝食と着替えを済ませると、約束をしている『いつもの所』へと向かう。

電車で約30分ほど揺られて俺は目的の場所に着いた。


 そう、警視庁本部である。


「全く、非番なのに職場にいるとか本当に大変だよな」


 そんなことを思いながら俺は警視庁本部へ入る。

なんか、何も悪いことはしていないのに警察署に入るのは緊張するのは俺だけだろうか。


 一般人からしたら警察署に来るのは免許の更新や住所変更くらいしかないのではないか。


「すみません、警務部の橋本に会いたいんですが」

「はい、これに記入して頂けますか?」


 総合窓口で俺は必要事項を記入する。

氏名に今日の日付に時間、訪問相手は誰か記入する。


 訪問相手には橋本千鶴の名前を記入した。


「これで大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫です。通行証を発行しますね」


 窓口の女性はそう言うと、通行証を渡してくれた。


「見える所につけておいてください」

「分かりました。ありがとうございます」


 俺はスーツの胸ポケットあたりに通行証を付けた。

そして、俺はエレベーターでいつもの場所に向かった。


「お、いたいた」


 俺はいつもの場所、警視庁の剣道場へと到着した。


「四宮先輩、お久しぶりっす!」


 剣道着姿の千鶴が俺の姿を見つけると小走りでやってきた。


「休みの日にも稽古か?」

「はい、日々精進ですから」


 千鶴は警察の剣道大会で優勝するほどの腕前である。

女性にして、男から一本取る姿は惚れ惚れしてしまう。


「先輩もやります?」

「俺なんかじゃ相手にならんだろ」

「何言ってんですか。先輩も学生時代はバリバリだったじゃないですか」


 俺も剣道は習い事程度にはやっていた。


「老いには勝てないもんよ。

それより、剣道大会でまた優勝したらしいな。おめでとう」

「あざっす。相談があるんすよね。ちょっと待っててください。これ外してきます」


 千鶴は防具を外しに行った。


「お待たせしましたー」


 しばらく待っていると防具を外した千鶴がやってきた。


「話ってここでいいすか」

「ああ、構わんよ」


 俺と千鶴は道場の床に座った。

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