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第38話 四宮兄妹

 帰宅してしばらく経った頃、俺のスマホが振動した。

画面には『莉奈』と表示されていた。


 どうやら個人チャットのようである。


『四宮さん、池袋って近いですか?』

『うん、近いよ』


 俺の自宅から池袋までは20分もかからないくらいではないだろうか。

主要都市と呼ばれる所では池袋が一番近いという事になる。


『来週の火曜日、池袋でどうですか?』

『いいよー』


 そういえば莉奈と出かける約束をしていたのが火曜だった。


『時間どうする?』

『お昼の12時くらいでどうですか?』

『了解! 大丈夫だよ』


 俺は基本的に休日は寝ているだけなので何時であろうが、問題はない。


『分かりました! じゃあ、12時に池袋の駅でお願いします!』

『はいよー』


 俺は莉奈と待ち合わせの場所と時間を決めた。


「お兄ちゃん、ご飯食べないの?」


 瑠奈の声がリビングの方から飛んできた。


「食べるよー」


 最近は瑠奈が料理することが増えた。

俺の作る料理にはやや不満があるらしい。


 まあ、俺は料理が得意という訳じゃないし、瑠奈の料理は美味い。

彼氏でもできたらすぐに胃袋を掴んでくるのではないだろうか。


 彼氏ができたらそれはそれ少し複雑なものがあるが。

俺はひょっとしたらシスコンというやつなのかもしれないと思う今日この頃。


「お兄ちゃん、最近忙しいみたいだね」

 

 ダイニングテーブルを挟んで対面に座る瑠奈が言った。


「まあな。色々大きな案件が決まりつつあるし。そっちはどうなんだ?」

「だいぶ慣れたかな。もう半年以上経ったわけだしね」

「そうか、もうそんなに経ったのか」


 これも歳なのか、一日一日がものすごく早く感じる。


「うん、お兄ちゃんもあんまり無理しないでよ。もうおじさんに片足突っ込んでんだから」

「ありがとうな」


 そんな兄妹の会話を交わしながら俺は夕食に手をつけ始めた。


「まあ、前よりも楽しそうなのは分かるけどさ」

「流石だな」

「当たり前でしょ。何年お兄ちゃんの妹やってると思うのよ」

「23年か?」

「マジレスやめて」


 瑠奈もスープに口をつけながら言った。


「それはすまんかったなー」

「べつに。まあ、お兄ちゃんに倒れられたらここの家賃一人で払わないといけなくなりそうだし」


 これは瑠奈なりの照れ隠しのジャンルなのだろうか。

もしかしてツンデレ?


「貯金くらいあるぞ?」

「なら、いいか……」


 おいおい、いいのかよ。


「まあ、お互いに無理せず頑張りましょうや」

「うん。じゃあ、お兄ちゃんは掃除しといてよね。ご飯は私が作ってあげたんだから」

「はいよ。そういう約束だもんね」


 家事は交代制。

でも、出来る人が出来ることをやる。


 これが俺と瑠奈の約束であった。

いい歳して兄妹で住んでいると親には多少心配されるが、これはこれで楽しいからありだと思う日常だった。


お読みいただきありがとうございます。

瑠奈と渉の日常回は書いていて楽しかったりします。


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執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。


GWも半分経過しましたね!

作者は執筆頑張ります!!

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