表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/135

第27話 撮影の日

 今日は水曜日、例の雑誌の撮影の日である。

Whiteのメンバーには現地集合と伝えてあった。


「もう少しで着くか」


 俺は左手の腕時計を確認して言った。

10分ほど前に最寄り駅についたという連絡があった。


 撮影スタジオのビルの前で待っていた。


「お待たせしましたー」


 そこからしばらくして、莉奈たちがやって来た。


「いや、まだ10分前だから大丈夫だよ。行こうか」


 俺はビルのエレベーターのボタンを押した。


「ここの3階だよ」


 エレベーターが止まり、扉が開くとそこはスタジオになっている。


「おおー」

「結構広いんですね」

「ちゃんとしてる……」


 3人は物珍しいのか、スタジオ内を見回していた。



「お疲れ様です。私、週刊少年ブレイブ編集部の保谷と申します」


 黒髪を後ろで一つにまとめ、オフィスカジュアルな感じの服装をした綺麗目な女性が俺に気づくと名刺を名刺と共に挨拶をしてくれた。


「頂戴します。株式会社フルムーン、チーフプロデューサーの四宮と申します」


 俺も彼女に名刺を渡した。


「お噂は伺っております。かなりのやり手のプロデューサーさんだとか」

「そんな噂が広がってるんですね。まあ、悪名は広がりやすいって言いますもんね」


 俺は自嘲するように笑った。


「いえ、いい噂ですよ」

「それならよかった。ありがとうございます」


 保谷さんは慌てた様子で訂正してきた。

俺としては、ちょっとした冗談のつもりだったのだが、これは本当に悪名なのではないだろうか。


「兄貴、こっちの準備はできてますよ。いつでも行けるっす」

「だから、兄貴ってやめろよ」


 貴雄の方は準備ができているらしい。


「四宮さんの弟さんなんですか?」


 莉奈が俺に疑問の目を向けてきた。


「そうっすよ。兄貴は俺の兄貴っす」

「おい! こいつが俺のことを勝手に兄貴って呼んでるだけで俺の弟じゃない」


 全く、誤解されるようなことを言うんじゃない。


「ですよね。弟さんにしては似てないですもんね」

「ああ、こんなチャラチャラしたヤツと一緒にするな」

「兄貴、ひどいっすよー」


 まあ、見た目こそはチャラチャラしているが、腕は確かだ。

ほら、芸術家は変わった人間の方が上手くいくとも言うしな。


「みんなは衣装に着替えてくれ。向こうに準備してあるらしいから」

「「「はーい」」」


 メンバーたちは奥の更衣室へと向かって行った。

今回は露出は少なめの衣装を用意させておいた。


「兄貴、よかったんですか?」

「何がだ?」

「もっとエッチな衣装の方が売れますよ」


 まあ、貴雄が言っていることも一理ある。

しかし、俺はWhiteをそんな安売りはしたくなかった。

そのため、水着は今回NGにしておいた。


「お前が撮りたいだけじゃなくてか?」

「バレました?」


 相変わらずなヤツだが、これくらいの距離感がちょうどよかったりするのだ。

俺たちはメンバーの着替えが終わるのを待った。

お読みいただきありがとうございます。


『面白い』『続きが気になる』という方は☆☆☆☆☆での評価やブクマへの登録をお願いします。


皆さんの応援がこの作品の力になります!!


執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ