第24話 美少女と原宿
適当にスマホをいじりながら待っていると、15分ほどが経過した。
「すみません、お待たせしました」
「おまたせー」
莉奈たちが俺を見つけると、小走りにやって来た。
「いや、俺が早く来ただけだから気にしなくていいよ」
そう言いながら俺はスマホをポケットの中に仕舞った。
莉奈は肩から腕の部分がレースになって透けており、全体的にフリルとレースであしらった淡いピンクのワンピースを着ていた。
美穂はオーバーサイズのシャツにデニムスタイルという、女の子らしさというよりはボーイッシュな感じの服装だった。
そして、友梨は相変わらずの量産型。
地雷系とでもいうのだろうか。
新宿の某街を彷彿とさせる。
まあ、こういう服も嫌いじゃないがね。
「じゃあ、早速いこうかね」
「はい」
俺は今日も美少女たちを引き連れて行く。
まあ、視線は結構いたいよね。
「四宮さんって、いつもスーツなんですね」
莉奈が俺の服装を見ながら言った。
「まともな服がこれくらいしか無いからね」
「でも、どこに行くにもスーツってのはどうかと思うよ」
美穂も俺の服を眺めて言った。
「私は、カッコイイとおもいますよ。でも、毎日は新鮮さがないですよね」
友梨は俺の服装には肯定的だが、痛い所を突かれてしまった。
「これが選ばなくて楽なんだよね」
「今度、四宮さんの服選んであげますよ」
「お、莉奈ナイスアイディア」
莉奈と美穂が二人で盛り上がって行った。
「それで、今日はどんな写真を撮るんですか?」
「今日のテーマは彼女感だ。映えそうなものがあったら言ってくれ」
こういうのは女の子たちに任せた方がいい物が撮れる気がする。
おじさんには限界があるのだ。
「じゃあさ、電球のやつ行こうよ」
「あー、あれね」
「いいですね!!」
女の子たちは何や盛り上がっている。
俺の頭の中には疑問符が浮かぶ。
軽く原宿は調べたが、やはり今の若い子たちには勝てないと痛感した。
「四宮さんは付いてきてください!」
俺は莉奈に手を握られると、そのまま引っ張られた。
「まるで、娘に付き合わされるお父さんだね」
美穂がニヤニヤしながら言った。
「勘弁してくれ。まだ26だぞ?」
「もう、26だよ」
美穂は俺の弱点をうまい事ついてきやがった。
「四宮さん! 行きますよ!」
「はいよ」
莉奈が一番張り切っている。
周りからの痛い視線を受けながらも俺は莉奈に手を引かれた。
でも、こんな日々も最近は悪くないとい思っている。
毎日が新しい刺激があって楽しい。
「ここですー!」
莉奈は迷う事なく目的のお店に到着した。
何というか、流石である。
「早速頼みましょう!」
「うん、好きな物を頼んでくれ。金は出す」
これも経費として計上することが出来るのだ。
領収書さえもらっておけば後で戻ってくる。
莉奈たち3人はメニューを眺めて選んでいた。
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