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第11話 俺がチーフですか?

 俺はまず、スケジュール帳を確認する。


「今日は、ライブの予定か。夕方からだからそれまでに行けばいいかな」


 現場に行くのは夕方でも構わないのだが、その前にやることはある。

まずはメールの確認。


 ここには仕事の依頼から、よくわからないものまで様々なメールが入る。

よく分からんものは基本は無視している。


 Whiteの場合はまだ仕事の依頼自体が少ない。


「やっぱり、こっちから営業かけてくしかないよな」


 やはり、ライブに客を入れるのもアイドルとして上を目指すのにも知名度はそれなりに必要になってくる。

そのためには、メディアへの露出を増やすことが望ましいのだ。


 幸い、というべきか、コネはそれなりに持ち合わせている。


「アポイントを取ってかなきゃな」


 俺は久しぶりに燃えていた。



 ♢



 夕方が近づいてきて、俺はライブ会場である秋葉原に向かっていた。


「四宮さん、おはようございます」

「うん、おはよう」


 俺はライブ前のメンバーと合流した。

メンバーたちは会場の下でビラ配りをしていた。


「俺はちょっと会場見てくるわ」

「分かりました」


 俺はエレベーターで今日のライブ会場の階に登った。


「お疲れ様です」

「おう、お疲れ」


 今日は何故か望月さんの姿があった。

望月さんがわざわざ現場に出てくるのは珍しい。


「社長、珍しいですね。現場にくるなんて」

「まあ、今日は君がうちに入ってからの初ライブだからな。あと、これ渡そうと思ったんだ」


 社長が来てくれるということは、俺も少なからず期待してくれているのだろうか。


「ありがとうございます」


 望月さんは俺にプラスチックのケースに入った名刺を手渡してくれた。


「プロデューサーがいつまでも名刺を持っていないんじゃ話にならんだろ。急ぎで作らせた」

「助かります」


 名刺には『株式会社フルムーン チーフプロデューサー 四宮 渉』と俺の連絡先が入っていた。


「え?」


 俺は思わず声を出してしまった。


「どうかしたのか?」

「あの、いきなりチーフプロデューサーってのは……」


 俺は言ってみればまだ新入社員みたいなもんである。


「チーフじゃ不満なのか?」

「いや、そうではなくてですね。逆にいいんですか?」

「君を雇うというのにただのプロデューサーじゃ面白くないだろう」


 望月さんは子供のような笑みを浮かべていた。


 面白いか面白くないかで人事を決めるのかこの社長は。

俺は内心そう思ってしまった。


「チーフプロデューサー、拝命いたします」

「期待してるぞ。頑張ってくれたまえ」


 望月さんは俺の肩をぽんぽんと叩いた。

そして、バックヤードの方に向かって行った。


「さて、俺も確認したら下に降りるか」


 俺もやるべき仕事を開始するのであった。

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