雪だるまの探し物
今日はねー、お庭に雪がいっぱい降ったから、母さんとお兄ちゃんと一緒に雪だるまさんを作ったの。
お父さんが帰ってきたら見せるんだぁ。
よいしょ、よいしょって雪をまあるく作って、お兄ちゃんが作ったまあるいのの上にお団子みたいに乗っけてもらったの。
拾ってきた木の枝をぷすっさして、先っぽに使わなくなった手袋をつけて、頭にバケツを乗っけたの。
最後に、お目とお口の所に穴を開けて・・・完成!
・・・なんだろう? なにか足りないような気がするの。
お母さんとお兄ちゃんとうんうん言ってもわかんなかったから、お父さんが帰ってきたら見てもらうことにしたの。
でもその前に・・・疲れちゃったからお昼寝するの。
でもお昼寝してたら、お外からざっ、ざって音がしてきたの。
お庭が見える窓からお外を見たら・・・雪だるまさんがいなくなちゃってたの!!
急いでじゃんぱぁを着てお庭にでたら、雪だるまさんがピョンピョンしながらお外に出ちゃってたの。
慌てて追いかけたの。
雪だるまさんを追いかけてたら、いつも遊んでる公園まで来てたの。
そしたら公園がいつもの公園じゃなかったの。
デッカイ・・・テント? が公園をすっぽり隠してたの。
雪だるまさんはピョンピョンしながら、中に入ってっちゃったから慌てて追いかけたの。
テントの中にはイスがいーっぱい並んでて、真ん中におっきな舞台があったの
舞台の上にはピエロのお面をした雪だるまさんたちがいたの。
トランポリンでポヨンポヨンしてたり、雪で出来たライオンさんに乗ってガオーってしてたり、三輪車に乗りながらお手玉みたいなのをしてたの。
ここはサーカスだってすぐに気づいたよ!
雪だるまさんはきっとこのサーカスを見たかったんだね。
と思ったんだけど、その雪だるまさんはどこにもいなかったの。
あれ? って思ってキョロキョロ探したらテントから出ていこうとしてる雪だるまさんが見えたの。
慌てて雪だるまさんを追いかけたの。
雪だるまさんを追いかけてたら、今度は学校まで来たの。
でも今日は学校はお休みだから、門が閉まってて入れないよ?
って思ったんだけど、雪だるまさんはぴょーんって門を飛び越えて中に入っちゃったの。
えーって思ったけど、門はやっぱり閉まってたからはいれなかったの。
でも、門の隙間に頭だけ入ったから、頭だけ入れてキョロキョロ雪だるまさんを探したの。
そしたら、学校のグラウンドに誰かがたくさんいることに気づいたの。
よーっく見たら、雪だるまさんがたくさんいて雪合戦をしてたの。
そっか! 雪だるまさんは他の雪だるまさんたちと雪合戦をしたかったんだね!
そう思ったんだけど、雪だるまさんは急に門のところまで戻ってきてピョーンと門を飛び越えてどこかへ行っちゃったの。
門の隙間から頭を引っ込めて慌てて追いかけたの。
今度は雪だるまさんはおっきな建物の中に入っていったの。
あ! ここ知ってる!
お父さんが働いてるしやくしょって所なの!
そっかー、雪だるまさんはきっとお父さんに会いに来たんだ!
しやくしょの中に入ると、お父さんが着てるみたいな服を着た雪だるまさんたちがたくさんいたの。
えっほ、えっほって何かを運んでいるみたいなの。
気になったから後をついていってみたら、お外にあったでっかいソリに運んでいるみたいだったの。
あ、トナカイさんがいるの。お角、おっきいなぁ。
あの赤い服をきたおじいさんのペットなのかな?
あ! そうだ。雪だるまさんは?
慌ててきょろきょろ探したら、雪だるまさんはお外に出て、またどこかへ行こうとしてたの。
お父さんに会えなかったのは寂しいけど、慌てて追いかけたの。
雪だるまさんを追いかけてきたら、おうちに帰ってきちゃった。
雪だるまさんもおうちに帰りたくなったのかなって思ったけど、お庭に入っても雪だるまさんはいなかったんだ。
キョロキョロ探してみるとお庭の隅っこにある、ものおきの中に雪だるまさんはいたの。
雪だるまさんも物置の中でキョロキョロしてたの。
何をしてるんだろう?
何かを探してるみたいなの。
そう思ってたら、声をかけられたの。
あの子は自分のお鼻を探してるんだよって。
振り返ると、そこにはマフラーをつけた子供がいましたの。
お顔が良く見えなくて知らない子だったけど、雪だるまさんの事を知りたくて聞いてみたの。
雪だるまさん、お鼻を探してるの?
そうだよ。他の雪だるまたちにはお鼻があるのに自分だけお鼻がないから探しまわってたんだろうね。
そっかぁ・・・お鼻を付け忘れちゃってたから雪だるまさん、お鼻を探してたんだね。
ごめんね、雪だるまさん。
急いでおうちの中に入るとニンジンさんを・・・勝手に持って行っちゃうとお母さんに怒られるから代わりにオモチャのニンジンさんを持って雪だるまさんの所に行ったの。
雪だるまさん、雪だるまさん。これ、雪だるまさんのお鼻。付けてあげるね!
物置から出てきた雪だるまさんにお鼻を付けてあげたらピョンピョン喜んでくれたの。
雪だるまさんはピョンピョンしながら、元の場所に戻ったの。
良かった! 雪だるまさん、喜んでくれたの!!
お鼻のことを教えてくれた子にも、教えてくれてありがとうって言ったの。
そしたらその子は、どう致しましてって言ってどこかに行こうとしてたの。
だからちょっと待って!って言っておもちゃのニンジンさんと一緒に持ってきてた毛糸のお帽子をその子にあげたの。
良いの? ってその子は言ったけど、その子マフラーだけだと寒そうだから良いの!って言ってあげちゃった。
ありがとう。君もおうちにお帰り、って言ってその子も行っちゃったの。
その子の言うとおりにおうちに入ると、ふわぁって眠くなってきたから、お昼寝の続きをするの。
お昼寝から起きてお兄ちゃんにその事を話したら、良いことをしたなって褒められたの。
あ、お父さん、帰ってきた!!
見て見て! お母さんとお兄ちゃんと一緒に雪だるまさん、作ったんだよ!!
雪だるまだってちゃんと顔を作って欲しいよねって話。
昨年に引き続き冬の童話ってことで書いてみました。
既にお気づきかと思いますが・・・
さ・・・サーカス
が・・・学校
し・・・市役所
も・・・物置
の・・・のっぺらぼう
で、さがしもの。去年と同じオチ(笑)
こののっぺらぼうは一体何者なんでしょうかねぇ。
あと回りくどい言い回しはわざとやっています。幼い子供視点なのであんまり難しい言葉が出てくるのは不自然かな、と思いまして。
細かいツッコミどころは勘弁して(笑)