7話 親父って......やっぱりチートだね
まずは通常ガチャから引いた。出た数は57、89、60だった。
出たものは小汚ない石が2つと普通の石が1つだ。回数がしっかりと三回に増えている。出たものは全部親父に渡した。きっと何か有効活用してくれるだろう。次は食料ガチャだ。これにはかなり期待している。今後食料が尽きてきた時にこれで食料を確保できたら最高だ。希望を胸にガチャを引いた。出た数は46。出たものはなんと!!!!!!
ーあんまり美味しくないパンー
..............まっ、まあこれも食料っちゃあ食料だよね?
それにそこまでいい出目がでたわけじゃないから!!
そうやって自分に言い聞かせていたら親父が話しかけてきた。
「ん?そんなパンどこにあったんだ?」
「ガチャだよ。」
「へー。ちょっと貸してくれ。」
「いいけど....これあんまり美味しくないよ?」
「いいからいいから。」
そして、奪われるようにして俺のパンは親父にとられた。何をしているのかなと思い見てみると、親父は真剣な顔をして、パンを見るとパンになにかをし、その後どこでとったのかも分からない白い粉(麻薬じゃないと信じたい)をかけた。
「ほれ。食ってみろ。」
なんかパンが美味しそうになっている。一口食べてみると。
「うまっ!!え?なにこれ美味しいんですけど。」
「ふっふっふーそうだろう?俺のスキルだ。すごいだろ?」
「おう!!これならうまい飯がいつでも食える!!どうやってやったんだ?」
「まずは不純物を取り除いて、塩をかけただけだ。」
「そんなので美味しくなるの?」
「いや、俺だけだろうな。」
「...やっぱりチートだ(ボソッ)」
「ん?なんか言ったか?」
「いっいや?なんでもないよ?」
親父のチートが加速した瞬間であった。
その後親父は木材を加工して柵を作った。一つ一つに紋章をつけているようで、紋章が光っていた。
「親父ーこの紋章の効果ってなんだ?」
「よくぞ聞いてくれた!!効果はななななんとぉ!!耐火5倍と耐久力5倍と攻撃反射0.5%だ!!」
「おおっ!!すごい!!のか?」
「いや、はっきり言って失敗作だ。まぁまぁ硬いし耐火もあるが、もっと出来たと思うんだよな。それに攻撃反射0.5%って200ダメージ与えて一ダメージ返ってくるみたいなしょぼい効果だしな。そんなダメージ食らったらほぼ一発で半壊だわ。」
「そっか。でも無いよりはいいよな。」
「そうだな。」
そう言うと親父はてきぱきと動いてさっと柵を設置し終わった。これで少しは安心だな。もうかなり日が沈んで来ている。夜ご飯でも食べて今日は寝るか。
ー次の日ー
俺は朝起きてすぐにガチャを引いた。まずは通常ガチャだ。出た数は64、19、21だ。出たものは、小汚ない石と、砂ふた握りだ。次に食料ガチャだ。出た数は89で、出たものはなんと肉だった。おおーやっとくいでのありそうなものが出たなー。親父に伝えようとしたが、親父がいない。どこ行ったんだろ。親父は強いからちょっとどっか行っても大丈夫だろうけど心配だな。俺はシェルターを出て、親父を探しに行った。柵の中には親父は居ない。どうやら柵の外に行ったようだ。いよいよどこにいるのか分からなくなってきたな。嫌だけど探しに行くか。柵から出て、数分後親父は見つかった。親父は避難所の近くにいた。
「おーい。親父ー。何やってんだよ。」
「ん?ああ。なんか悲鳴が聞こえた気がしてな?俺って朝早いだろ?そのくらいの早い時間に聞こえてな。お前を起こしたら悪いかなって思ったから一人できた。」
「いや。次からは言ってくれよ?心配したんだからな?」
「すまんすまん。けど悲鳴の原因がどこにも居ないんだよな。」
「寝ぼけてただけじゃないのか?」
「そうかもな。じゃあ帰るか。」
そうして帰ろうと避難所に背中を向けた瞬間、声が聞こえた。
「誰か!!助けて!!」
「「!?」」
慌てて避難所を見ると、そこには見たことの無いモンスターと、一人の少女がいた。