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ブタは、薬学を学ぶ。

 今日も、クロノスと一緒に森へ出かけるのであった。

狩りは勿論行うが、今回は薬草等の薬になる物の採取がメインであった。そのため、ローの片手には、生薬図鑑が握られているのだ。


これは、アイリーンからもらったもので、古い本だが詳しく書いてあるので勉強になるとの事だ。


 そして、貴重な生薬を見つけに、森の奥へ進むのであった。以前までは禁止されていたが、ローの戦闘能力も高い事が分かったので、クロノスが付き添いであればアイリーンも納得するのであった。


『良し。ここら辺でいいだろう。』


クロノスが、連れてきたのは森の奥であり、真昼というのに木々で視界は暗いのであった。不思議な事にここまで来るのに、魔物は出ないのであった。


その事をクロノスに話すと、無属性魔法『威圧』を行使しているからと、あっさり話されるのだ。


この魔法は、実力差をあらかじめ周囲に現し魔物を寄せ付けないようにする魔法であった。クロノスは、相当の実力者であるようだ。


『ここら辺には、薄荷、連翹、黄連などの薬があるはずだから、探してみなさい。私は、無属性魔法『探知』をかけておくから、安心して調べるといいよ。』


『分かりました。ありがとうございます。』


私は、それから図鑑を広げ、調べ始めるのであった。


薄荷

シソ科の植物。地上部の全草を乾燥したもの。

なるべく新しいもの。よく乾燥し、根は取り、葉が多くて緑色が良品。また、香りが強いほど良い。

感冒に伴う頭痛・発熱・湿疹、目の炎症などに使用。

使用上の注意

煎じる場合は最後に入れる。

効能は牛蒡の種にも似るが、発熱の場合は薄荷の方が優れている。


『おっ。これなら、私も知っている。シソだな。それなら、その匂いがするはずだ。』


彼は、自然と鼻に魔力を込めて、匂いをかぎ取るのであった。そうして、難なく薄荷の自生している所を見つけるのであった。


彼は、無属性魔法『鋭嗅』を使用した事は知らない。無属性魔法『鋭嗅』は、人の嗅覚を魔力により何倍にも膨れ上げる効果がある。


同じように、生薬図鑑を駆使して、連翹も探していくのであった。


連翹

モクセイ科の植物。その成熟果実を乾燥させたもの。

新鮮で黄色みを帯びて、大きい果実であり果皮が分厚く、香りが強い物が良品。

感冒・発熱・喉の痛み・発疹などに使用。

使用上の注意

身体が冷えている方には適さない。


『今回は、ちょっと匂いが想像できないな。甘そうだけど。そうだ。聞いてみよう。』

彼は、音魔法『テレパシー』を使用するのであった。


(モクセイは、どこですかー?)


私は、四方八方へ語り掛けると、反応が返ってきたのであった。


(ここじゃ。どうしたんだい。)


(あのぉー、あなたの果実を分けて欲しいのです。)


(一部なら構わんぞ。どうせ、いっぱいあるのでの。)


(ありがとうございます。)


彼は、そこから音魔法『テレパス』を使用し、探すのであった。ある程度、見つけ終わるとクロノスが話しかけて来るのであった。


『ロー、こんなにも見つけたんだ。そしたら、ここに入れておきなさい。』


クロノスは空間魔法『収納箱』を広げてくれるのであった。私は、そこに集めた生薬を入れていく。


『お父さん。その魔法は、私にも使えますか?』


『空間魔法かぁ。これは、適性次第じゃないかな。魔法には苦手な分野があるから、そこを伸ばさない人もいるからね。

それも、個性なんだよ。魔法の種類が一つしか使えなくても、それを極めた人は達人だからね。

ちなみに、無属性魔法は、たいていが身体能力魔法が基本だから、魔力があれば誰でも扱えるよ。』


『そうですか。便利そうな魔法だったので。』


『それじゃあ、試してみようか?空間魔法は、他の魔法と違い、想像力が必要だからね。』


『想像力なら自信があります。』 


私は、前世でお金がない時期もあったので、想像力を駆使する時があったのだ。


彼の想像力は、ベクトルが違っているのだ。それは、妄想力である。


『いつもは、身体の一部に意識して、魔法を使用しているだろうけど、空間魔法は外に意識をしなければいけない。此処に、大きな箱がある事を想像してごらん。こんな風にね。』


クロノスは、空間魔法『収納箱』を使用したのだった。それを見て、ローも真似てみるのであった。

しかし、何度試しても、空間魔法『収納箱』は出来ないのであった。


『初めてなんだし、練習すれば、何時かはできるさ。そうだ。それまでは、これで我慢しなさい。ただ、練習は続けるんだよ。』


クロノスは、そういい収納箱から、1つの巾着を取り出すのであった。


『これは、アイテムボックスといって収納箱とほぼ同じ効果がある魔法道具なのさ。私は使わないから空間魔法『収納箱』が使えるようになるまで持ってなさい。』


『ありがとうございます。お父さん。それだったら、『収納箱』は使えなくても、困らないのでは?』


『そうだね。でも、あくまで道具だから、破れたり盗まれたら大切な物が無くなってしまうよ。大事な物を守るには、『収納箱』を覚えた方がいい。だから頑張りなさい。』


『はい。わかりました。』


私は、必死に覚えようと心に誓ったのであった。前世で、エロ本が見つかり、机の上に置かれた時の激しい後悔は、今でも忘れない。


彼は、魔法の使い方を、ある意味、理解しているのだ。


クロノスと帰宅序でに、魔法や狩り・生薬の採集などを繰り返した。たまに、クロノスと実戦練習も行っていくのであった。


夜は、アイリーンから薬学を学び、勉強に精を出すのであった。


彼は、前世であまり勉強してこなかったので、薬学や魔法は、どれも新鮮であったのだ。不純な動機から学び始めたが、今では知識欲が出ているのであった。


そこからあっという間に月日は、流れ、8歳になるのであった。


彼は、この村と森以外を、まだ知らない。

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