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83話 守護天使のランク

「じゃあ、レイスリーネ、ちょっと手を貸して」


 神殿の庭先で、私はレイスリーネに手を差し出した。

 もちろん手をつなぐためだ。


「はっ、はいっ!!」


 何故か赤くなりながら手を差し出すレイスリーネ。

 

 女とわかっていても、見かけ男だからテレもあるのだろう。

 ……うん。彼氏いない歴●●年の私が言うのもなんだけど、この子ものすごく初心なのかもしれない。

 レイスリーネマジ天使。てか本当に天使だけど。



 私はレイスリーネの手を握ると、そのままレイスリーネと自分を含め、魔力を纏う。


「なんとなく感じは伝わるか?」


 私の問いにレイスリーネが、こくんと頷いた。


「ちょっとどれくらいまで範囲を広げられるか、このまま試していいか?」


「は、はい」


 私はレイスリーネに魔力を流した状態で、さらに魔力を纏う範囲を広げてみる。

 レベル143のコロネでは魔力を纏わせる範囲はそれほど大きくなかったがレベル1100超の私ならもっと広範囲に広げられるはずだ。


 魔力を広げてみれば、神殿で動いている者の動きやなんとなく動いてるものの感じはわかる――が。

 わからなくてもいいものまでわかってしまって、情報が物凄く乱雑というか、 神殿で誰かが動いている感じや、木ノ葉の揺れまで感じ取ってしまう。

 これを仕分けるのはかなり慣れが必要だろう。

 ってか、コロネが魔力を纏わせる範囲を狭くしたのはこれも理由なのかもしれない。


 それにーーものすごく疲れる。


 私は一旦、魔力を切った。


「うん。なんかものすごく疲れるな」


「ですが感じは解りました。確かにこれを極められれば、敵の攻撃を避ける事が出来るかもしれませんね!」


 私の手をぎゅっとにぎって目をキラッキラさせてレイスリーネが言う。


「でも【並行思念】覚えないときっついなこれ。

 魔力を放出と魔力の動きを読み取るのは別処理しないと。

 レイスリーネはスキルもってるのか?」


「い、いえ、さすがに……私はAランクですから。

 SSランクのアルファーならもっているかもしれませんね」


 と、シュンとなった。

 

 あ、ああ。

 ゲームでは守護天使にもSSRからCまでランクがあるのだが……まさかの本人たちもランクを自覚してたのか。

 やーそれきっついわ。あんた人間ランクCですよ!とか言われるようなもんだし。


 ちなみにランクはSSR>SS>S>A>B>Cと、なっている。

 SSRは伝説扱いで持っている報告を聞いたことがない。

 SSRはガチャではでないよ✩と公式も宣言しているので実質SSが最高ランクだ。


 Aだって決して弱いほうじゃないんだけど……。


 にしても、アルファーってそういえばSSランクなんだよね。

 私だってガチャしまくって最高Sランクしかでなかったのに。

 そりゃ他の守護天使より強いはずだ。

 ……にしても


「んー。じゃあスキル書堀にいってみようか?

 スキル書なら守護天使だって覚えられるかもしれない。

 ペット扱いのリリが使えたんだから守護天使も使えそうだからな」


「スキル書ですか!?」


「うん。リリとコロネと三人で余裕で倒せたんだから、レイスリーネ達もいる今なら楽勝だろうし。

 sionのレベルも上げたいから」


「は、はい!是非お願いします!」


 レイスリーネが顔を赤らめてにっこり微笑む。

 うん。気の強そうなおねーさんのデレ顔ほどそそるものはないよね。

 いや、やばい私男じゃなくてよかったよ。

 男だったら押し倒しちゃうよ!

 マジ可愛い。こういう女性が男性から好かれるんだろうな。

 私にはきっと無理だわ。

 ……うん。羨ましい。


 何故かここでコロネの顔が浮かんでしまい。

 私は思いっきり首を横にふるのだった。


 

 ▲△▲△▲△


「エルフの大神殿にまた行かれるのですか?」


 リュートがふむと、顎に手をあてながら、私達をみる。


「ああ、守護天使達もパワーアップさせたいし、sionも連れて行くことにしたからレベルをあげたいし」


 結局あのあと、コロネにも相談して、また大神殿でスキル書堀をすることにした。

 守護天使達も硬質化覚えさせたい。

 sionもレベルあげたいし。

 とりあえず対魔王用に仲間を強くしておかないと。


「わかりました。国王に話を通しておきます。

 に、しても今日も師匠はいないのですね?」


 私たちを見て、リュートが小首をかしげる。

 

「ああ、いまsionを質問攻めにしてるところかな」


 と、私。

 私がコロネにsionが神話に詳しいと説明してやると、本を片手に、一生懸命sionに質問をしていた。

 まるで先生と生徒のような感じでsionが質問にばしばし応えていたのだ。

 一旦寝るということで、質問責めをやめさせたが、朝食が終わればまた質問している始末である。


 記憶を見せればはやいのかもしれないがsionが恥ずかしいとのことで却下された。


 ちなみに裏設定集には天界への道がある位置と、ばっちり魔王のレベルもでていた。

 魔王のレベルは1300。

 ただ、ゲーム時点でなので300年も経過してしまっている今レベルが上がっていないという保証はない。

 とにかく、仲間が死なないように硬質化は全員手に入れたいところである。

 sionだって職業的に硬質化のスキルは覚えられないので書で覚えるしかないし。


 こうして私たちは再びエルフの大神殿に挑んだのだが――。


 正直言って楽勝だった。


 いや、だってコロネもリリも瞬間移動覚えたから、オーブ壊すのマッハだし。

 +守護天使3人が一緒にきたわけで。


 アルファーが敵のタゲ(敵の攻撃を引き受ける)をとってくれるから、すっごい楽だったのだ。

 アルファーマジヘイト(敵対心)管理がうめぇ。

 魔法使いで攻撃威力が高いコロネが全力で魔法攻撃あてても、すぐさまコロネに向かった敵のターゲットをアルファーが奪い去っていくという、タンク職の鏡のような存在だ。

 そりゃSSですね。やっぱりSSは格が違うわ。タゲとりのスキルが豊富なのがでかい。


 楽勝すぎてかなり書もゲット。


 sionもレベルが567となり、守護天使達にも硬質化と並行思念を覚えさせた。

 鑑定の書も結構でたので、腹黒王子とグラッドさんにも一つずつあげよう。

 残りはエルフの国王にプレゼントかな。

 書で覚えた人が死んじゃえば、また別の人に覚えさせなきゃだし。


 しかし……瞬間移動は……残念ながらドロップしなかった。

 最初に3つもでたのはかなりラッキーだったらしい。

 うん、ちょっとお気軽にリュートにあげてしまったことを後悔する。

 できればアルファーに覚えさせたかったかな。

 いや、だって念話で視界を共有すればその人の前にワープできるわけだし。

 護衛にピッタリだよね。

 アルファーなら敵の攻撃を盾で防げるし。


 なんとかもう一個瞬間移動の書がでないかと、私はもう一度チャレンジするのだった。



更新不定期になります。

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