閑話 2:恋愛要素強め注意
ハイファンジャンルで投稿したので恋愛要素抑えめで投稿していましたが、ちょっといちゃつかせてみたくなりましたorz苦手な人は読み飛ばしてください。
恋愛要素強めです。苦手な方は読み飛ばし推奨です。
読み飛ばしても本編に影響しません。
△▲△
「大丈夫か?コロネ」
私が尋ねれば、コロネは布団にくるまったまま、「大丈夫です」と笑って答える。
結局、休ませたはいいものを、そのせいで疲れが一気にきてしまったのか、コロネは風邪を引いてしまった。
エルフ特有のこの風邪は状態異常無効の装備ではどうにもできないらしい。
状態異常ではないので回復魔法も効かないとのことなのだ。
うん。よく理屈がわからん。なぜ病気はダメなのか。
なら魔法で病気にさせればいいんじゃね?ともおもうが、病気にできる魔法はないとか。
ここらへんもゲーム化のシステムの弊害なのだろうか。
「猫様 私は大丈夫です、猫様はおやすみください」
コロネが言って微笑むが、顔色はあまりよくない。
エルフ特有の風邪でひたすら寒気が酷い風邪なのだそうだ。
つい日本人ならやってしまいがちなふとももや首元を冷やしてやるとか水分補給させるとかは言語道断でしてはいけないらしい。
ただ、ひたすら寒気に耐えるしかないのだとか。
「病人をほっといて寝るなんてできるわけないだろ。
リリとアルファーがいまエルフの医者を呼びに行ったから。
それまでは我慢してくれ」
言って、私は隣に座る。
どうもこの風邪、人間の医者では治せないらしい。
大分遠いエルフの集落にまで医者を迎えに行ってしまったので戻ってくるにはそれなりに時間がかかるだろう。
「それにしても寒そうだけど、もっと布団かけるか?」
と、言ったところでつい、悪戯心が働いて
「それとも一緒に寝てみるか?」と言うと
「はい。お願いします」
コロネがほぼ同時に震えた声で答えた。
……へ?
つい、全力で断られると思ってした提案だったので思わす固まる。
顔が赤くなってしまうのが自分でもわかった。
「え、い、いや、あのっその……」
私が言葉に詰まっているとコロネが悪戯っぽい笑を浮かべて
「寝てくださるのでしょう?」
と、にっこり微笑む。
「い、いや!?そこはそれ!!冗談というかなんというか!?」
ついあわあわしてしまう。そういう意図がないというのがわかってはいるが、こう……勢いではなく、改めてそういうことをするというのは照れると言うかなんというか!?
私の様子にコロネがくすりと笑い
「はい、わかっております。では、布団の方をお願いします。
それにしても猫様でもそういうお顔をされることがあるのですね」
と、何故かちょっと勝ち誇ったような顔をされる。
ほほぅそうくるか。
なんとなくからかわれる側になったのが納得できない。
「よーし、じゃあ一緒に寝る」
「……は?」
「コロネが勝ちなのが納得できない!だから寝る!」
「えーっと……猫様……子供ではないのですから」
「お願いしますと言ったのはコロネだぞ」
「そ、それは布団の方に返事を………」
「いいから、つべこべ言わない」
言ってコロネの布団に入れば、コロネが思いっきり顔を赤くするのがわかった。
……が。顔が近すぎてこちらも顔を赤くしてしまう。
うおーしまった。自分にもダメージあることを忘れてたっ!!
い、いや普段あれだけお姫様抱っこしたり、なんなりしてるんだから、今更照れる必要はないはずだ!
だって男同士だし!!やましいことでもなんでもない!
リリと一緒だよ。リリと。
ただ、少し触れるコロネの身体は本当にガチガチと震えていた。寒いのは確かなのだろう。
具合悪いのに悪いことしたかな?と反省する。
ぎゅっと抱き寄せれば、コロネの身体が少し強ばるのがわかった。
「あの……猫様?」
おずおずと尋ねてくるコロネに微笑んで
「多少はマシになったか?」
と聞けば、
コロネは、力を緩め、遠慮がちに私の背に手をまわし
「はい……暖かいです」
と、私の胸に顔をうずめ囁いた。
「震えが止まるまでちゃんといてやるから。ゆっくり寝るんだぞ?」
私が言えば、コロネは震えたままで頷いた。
あのコロネがこうやって素直に甘えてくるところをみると、思っていた以上に辛かったらしい。
それにたぶん……風邪だけではなく、レオンの事など精神的な疲れも酷かったのだろう。
からかって悪いことしたな。
しばらく背中をさすってやれば、安心したのかそのまま寝息をたてはじめる。
うん。たまにはこういうのもありだよね。
コロネはもうちょっと人に甘える事を覚えたほうがいいと思う。
まぁ、立場や年齢的に甘えてもいい人がいないというのも大きいのだろうけれど。
私はウトウトしているコロネの背中をさすってやるのだった。




