音が降り出す前に
壊れたギターが鳴らす希望の合図は
イメージを越える毎日さえ軽く踏み越えた
世界の約束を知った真夜中の涙で
明け方の星座が滲む
鐘が鳴る前に僕たちは行く
優しさに包まれた日々を通り過ぎて
金糸鳥が自由にあの空を舞う頃
それをどんな顔して見上げているだろう
古ぼけたレコードが回り途切れる季節の
隙間を駆け抜けていく葉桜は表情を変えた
無くした放課後を探す夕焼けの中で
伸びた影は背中越し
鐘を聞く時 僕たちはまだ
見えたものが明日を彩ると信じていた
蛍の唄がいつかの空を覆うなら
笑って振る手に大きく叫んでいただろう
積み木の城を崩されては
両手で何度も直した
落ちていく魔法の色を
隠すように見えないように
世界の約束を果たす
透明な朝を迎え
ほどけた靴紐をきつく結び直した
音が鳴る前に僕たちは行く
優しさに包まれた日々を通り過ぎて
音が降る前にこの街を行く
イメージの向こう側に足を伸ばしたんだ
金糸鳥が自由にあの空を舞う時
見上げたまぶしさに目を細めて手を振るだろう
読んで頂き、ありがとうございました。