第7話 心配事
題名に迷ってしまいました
時は経ち、悩み事が無くなったのか、木下さんに自然な笑顔が戻り、楽しい日々を暮らしていた
「テストやだー!」
「駄々こねてないで課題しなさい」
どうやら亜希先輩は勉強が苦手みたいだ
美月と同じ感じはしてたけど、まさか当たっていたとは…
「心ちゃん教えて〜」
「いや、2年生の範囲は分からないので…」
「2年が1年に教わろうとするな」
亜希先輩は長澤さんに頭を叩いていた
その一方で佑月さんは勉強をしていたが、その姿はとても絵になっていて、思わず見惚れてしまった
ずっとこんな風にしていればいいのにと今以上に思ったことはない
「赤点はいやだ、赤点はいやだ、赤点は…」
何か呟いているみたいだが、どうしたんだろう
「ああ、佑月は暗記系は強いけど、自分で考えるやつが苦手なの」
「へぇ」
「だから歴史と政治・経済と生物は満点、国語なら漢字、化学や英語、物理の単語は全部正解」
「すごいですね…」
「逆に覚えるだけではどうにもならない文法や計算は苦手っていうこと」
「では、勉強してる教科は…」
「おそらく数学ね」
話を聞いていると、亜希先輩は勉強が苦手、佑月さんは暗記系なら学年上位、葉月さんは各教科の平均点より少し上、長澤さんは全教科90点以上、木下さんは文系ならいけると言っていた
ちなみに、僕も90点以上はとれているけど、長澤先輩は課題をやっているだけであるから、頭の出来が違う
普通の人が葉月さんと木下さんだけだった…
「心ちゃんは勉強出来るの?」
「家では暇なので、食事や睡眠、お風呂以外のときは勉強しているので、そこそこできます」
「いいなあ」
やることがないから、とりあえず勉強していたら、いつの間にか出来るようになっていた。というか、皆は帰ったら何をしているんだろう。
「よし! 今日はこれぐらいかな」
「心ちゃんは課題おわったの?」
「毎日授業でやったところをやってたのでもう終わってます」
「じゃあさっきまでなにを…?」と言いながら近づいてくると
「何これ!?」と急に叫ぶと皆が驚き、こっちに来た
「亜希先輩どうしたんですか?」
「心ちゃんのノート見て!」
と言われ、この場にいる全員が僕のノートを見た瞬間、絶句していた。
そんなにおかしいだろうか?
「これは…?」
「ノートですけど?」
「そうじゃなくて、この文字の多さのこと」
「ただ、不安なところを繰り返しやっているだけですが?」
「常人の域を超えてるわね」
おかしいかな? 各教科を自分で問題が出せるくらいまで復習をやることが。
今回は高校最初のテストだから気合が入って、いつもならノートの四分の一くらいだけど、三分の一も使っちゃったからそのせいだと考えておこう
家に帰って自分の部屋に戻り、携帯を開くと、美月と真司からメールがきていた。
美月からは「テスト前だから部活なくてつまんないよー」
真司からは「時間が合ったときは一緒に帰ろうな」と書かれていた
二人が所属しているクラブは、美月がテニス部、真司がサッカー部で、どちらも一年のエースだったりする。
スポーツが盛んな高校でエースになれるなんて、すごいと思う
「それでどうなの? 木下さんの様子は?」と美月からきたメールに
「大丈夫、最近は元気だよ」と返すと、
「そう? ならいいんだけど
けど、数週間も引きずるような相手ってことは相当嫌なことされたんだろうから心も気を付けなよ。」
美月がちゃん付けしない時は本当に真剣な時だ。多分、気を付けなよってことは目星をつけられないようにしろってことだろう。
しかし、僕なんかより木下さんを気を付けた方がいいんじゃないかとも思う。相当嫌なことをイジメと仮定すると、木下さんはその人にいじめられていたとなるから、また同じことの繰り返しが起こる可能性だってあるはず…いや、むしろこっちの可能性の方が高いと思うが、やはり女の子のことは女の子のほうが分かってるだろうから、美月の言っていた通り、気を付けよう。
真司にもこのことは話したが、
「不安なことがあったり、心配事を話すだけだったらいいけど、ちゃんとした解決を求めてる時は美月の方に言えよ」と言っていたから、僕と同じ事を考えているんだろう
さて、このことを考えるのはもう終わりにして、テスト勉強でもしよう




