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僕たちの日常  作者: ヒマワリ
1年生
17/17

第16話 全員そろって

木下さんと原田さんとが仲直りしてから数日後、ただ街を歩いて、良さげな店があれば寄り道するという、行き当たりバッタリなことをすることになった。

なぜか部活動という名目でやっていて、目的は仲間との絆を深めようということだが、ただ遊びたいだけだろう。


一応、部活動なので、美佐が行きたいと言っても、部員じゃないから行ってはいけないと思っていたのに、亜希さんに連絡を取ってみると、 「むしろ大歓迎!」という答えがきたので、驚いたというか呆気にとられていた。

でも、大歓迎ということは、美佐を部員にしようとしているのだろう。

別に嫌という訳ではないが、仲良くなるとノリが良くなるので、佑月さんと仲良くなったときが心配だ。


「あれ? 美月ちゃんがなぜ?」


「おはよう。 綾ちゃんに教えてもらってね」


「楽しそうだったから来た?」


「当たり!」


なぜか美月も来ていたが、興味本位なのは会話をして分かった。 でも部活が無くて暇だとしても、他のところに勝手に入り込んでくるのはダメだと思う。 ここがきちんとした部活かどうかが疑わしいとしてもダメだ。


「全員来てる?」


亜希さんが人数を確認すると、集合場所から動いて、街をブラブラした。

何かないか探しているが、何も見つからないみたいで、ただ街の中を淡々と歩いているだけだった。


「あっ!」


いきなり亜希さんが大声で指をさした。 その方向にはショッピングできる店があり、そこに入ることにした。

店の中は雑貨や文房具、食品やお菓子などの色々な商品が並べられていた。


「何を買うんですか?」


「見ながら考える」


雑貨コーナーで商品を流して見ている亜希さんは買うものを決めると、すぐにレジに行って精算を済ませて、僕たちと合流した。

一回り歩くと、大きい荷物を持って楽しんでいる女の子の姿を見て、いろんな意味で感心した。 気がつくと葉月さんと同じ表情になっていた。


「次何する?」


「何か食べよ〜」


時間なんて気にしていなかったので、昼時だったことに驚いた。 体感時間では、もう夕方の気分だったのに、時間が経つの遅い。


昼ごはんを食べ終えた後、近くにあった大きい施設に入った。 そこには服が揃っていて、オシャレな格好をするには十分すぎるほどの量があった。 そこで昼ごはん中の不穏な会話が思い出される。 その場から離れたいところだが、完全に包囲されていて、逃げ場所なんてなかった。


案の定、女の子の服があるところに着き、魔の言葉が発された。


「葉月と心ちゃんの服を選ぼ〜」


や、やばい… なんとかして逃れないと女装する羽目になってしまう。 葉月さんも考えが同じらしく、周りの様子を伺っている。 その時に真美さんから救いの手が差し伸べられる。


「何言ってるんですか? 2人とも男の子ですよ。 そんなことしたら可哀想です。」


さすがです。 当然のことを言っているだけだけど、今は真美さんだけが頼りです。 なんとかしてください!


「そんなこと言って、実は見たいんじゃないの?」


「そ、そんなはずないだろ!」


やばい! 心が揺らぎ始めてる。 早くなんとかしないと手遅れになってしまう。 どうしよう…


「見たいんだよね、真美」


「私も、この目で見ておきたいな〜」


「やりましょうよ! 真美先輩!」


「そうです! 一緒にやりましょう!」


真美さんが集中攻撃されている。 ここで壁が崩されたら終わりだ。 頑張ってください真美さん!


「残念だね。 心ちゃん」


美月が笑顔で慰めの言葉を言ってきた。 諦めてたまるか! 絶対女装なんてしないって決めたんだから。


「後輩からお願いされてるんだよ? こんなカワイイ後輩の言うことを否定ばっかりしてたら嫌われちゃうよ?」


「そんなはず…」


原田さんと綾さんが泣きそうな顔をしていた。 これは演技ですよ真美さん。 騙されちゃいけませんよ! っと思っていることが通じるはずもなく…


「じゃあ、 やりましょうか」


やられてしまった。 もう無心に徹することにしよう。 表情をコロコロ変えてたら時間が伸びそうだし。


そして、試着したときに顔を赤らめてしまっていた。 それで恥ずかしくなって、自分でも驚く速さで振り向いて試着室に戻ると、外から声が聞こえてきた。


「なんか女の子として負けた気がする」


「並の男子なら、もう惚れてるレベルの可愛さだったよね」


なんで、僕は何もしていないのに罰ゲームみたいなことをしているんだろう? 何かの呪いにかかっているんだろうか? こんな縁起でもないことがポンポンと浮かび上がってくるほど気が病んでいた。 今頃、葉月さんはどうなっているんだろう? 同じようなことを考えているのかな? もう頭の中で別の事を考えてないと、精神が異常をきたしてしまいそうだ。


服選びという地獄の時間が終わった。 でも、なんで外で女の子の服を着させられて、晒し者になっているんだろう。 葉月さんも僕と同じことをされていた。 楽しむつもりで来たのに、遊ばれて楽しまれている。


「いやー 楽しかったね。 男子なのが勿体無いね」


「本当に女の子だったらよかったのに」


勝手なこと言うな。 好きで性別が間違われる顔に産まれたわけじゃないっていうのに! まったく! 人の気持ちを考えてほしいものだ。


「ねぇ? 一回だけでいいから、私って言ってみて」


木下さんがとんでもないことを言いだした。 こんな格好で一人称が私だったら、完全に女の子じゃないか! 今回ばかりは自分の意見を押し通してみせるぞ。


「言ってみて?」


「……」


どうだ! 無言ならどうすることもできまい!

早速、手が無くなったらしいな。 どうやら軍配はこちらに上がったようだ。 勝つってこんなに気持ちの良いもんなんだ。 人をバカにするからこうなるんだ。 これからの教訓に活かすといいさ!


「どうしても抵抗するっていうんなら…」


どんな手を使ってきたって無駄だ。 今の僕は無視を決め込んでいるのだから。 そんなことを思っていたのだが…


「これをネットに載せちゃうから」


「別にいいよ?」


ダメだ。 完全に動揺してしまっている。 もうここからは追い込まれるだけだ。 でも悪あがきはしたい。 例え、試着で顔を赤らめている写真だったとしてもだ!


「本当に載せちゃうよ? いいの?」


ニヤニヤしながら携帯を見せてきた。 そこには、写真がネット上にばら撒かれる準備がされていた。 恐怖に支配されて、どうしようもなくなってしまった。


「わ、私…」


「抵抗が無ければ、それだけで良かったんだけどね」


「え?」


抵抗が無かったら、それだけでよかったということは…

そう思った途端に冷や汗が止まらなくなった。


「心ちゃんには、 私たちが決めた言葉をいってもらいます!」


や、やばい… 亜希さんは面白がるだろうし、なにより佑月さんは危険な匂いしかしない。


「決定しました! 心ちゃんが言うセリフは…」


どうかまともなものでありますように!


「誰が、あ、アンタみたいなのす… 好きになるもんか! フン! というのを言ってもらいます」


もう早く言って終わらせるか。 やるからには全力じゃないと、もう一回とかになりかねない。 ここは恥ずかしさを我慢して言おう。


「だだ誰が、あああアンタみたいなの、す、す、好きになるもんか! フ、フン!」


噛み噛みだったあああ。 もう一回言うのは嫌だ!


「いい! いいよ!」


「今の録音しておいて良かった。 これから寝る前に聞いてから寝よう」


やっぱり佑月さんが録音してたー! もう嫌だー!


「濃い1日になりましたな」


「僕は、もう疲れました」


そんなこんなで街ブラは終わり、1日が終わった。 これからも、何でもない日常が送れればいいな。

中途半端に終わりますが、これから忙しくなるので、ご了承ください…

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