第14話 お見舞い
僕たちが病院に着くと、家庭科部の2年生の人たちが病室の前で待ってくれていた。
予想通りではあるが、やはり全員が居ないと寂しいというのがある。
「上田さん…?」
どうやら妹のことが気になっているみたいだ。 紹介してなかったから仕方ないんだけど。
まあ別に失礼になるようなことはしないからいいけど。 先輩たちも優しいし。
「この人って入学生代表で挨拶してたよね」
「よく見たら似てるような…」
「もしかして兄妹?」
やっぱり妹は有名人なんだなと実感した。
けど、妹とそんなに似てるんだろうか? 僕にとっては全く違うと思うんだけどな。
「そうですね」
「どっちも可愛くて、頭が良いなんて世の中不公平だよね」
「私は可愛い子は好きだから嬉しいけどね」
「病院で変な事起こしたら承知しないからね」
「そんなことしないから。 ね? だから早くその顔やめて?」
「わかった」
長谷川さんに怒られてる佑月さんを見ていたら、緊張がほぐれてきた。 けど、こんなにリラックス出来ているんだろう? これじゃ木下さんが事故に遭ったのが嘘のように感じる。
それに初対面の人に、この状況で会ったとは思えないくらいフランクだった。
電話の後に医師の人に何か言われたのかな?
「あの、木下さんは?」
「あ、そうだった。 安心して忘れてた。 軽いケガで捻挫で済んだんだって。 運が良かったよね」
「俺も慌てて行ったら、医者から説明されたって亜希と真美が言ってた」
「葉月ってば力が抜けたのか、床に座ってたよ。しかも、女の子座りで。 その時はビックリしたけど、思い出してみたら可笑しいったらありゃしない。 もう完全に女の子だったよ 」 プッ
「言うなよ! そして笑うな!」
「葉月の女の子座り…」
なぜか佑月さんが興奮しながら、鼻血を出していた。 今は近づかない方がいいだろう。
しかし、葉月さんがそんな座り方をしてしまっていたなんて意外だな。ちょっと想像をしてみよう………………… うん、完全に女の子だ。
「とりあえず、綾ちゃんは無事だったし、良かったよね! まぁ事故に遭ってる時点で良くないけど」
「不幸中の幸いってやつだな」
「そうですね!」
最悪の場合も考えてたけど、案外、軽い傷で済んでいて安心していた。 この出来事がキッカケで、また部活にも顔を出してくれたらいいなと思った。
「こうやってみんなで休日に集まったんだし、ついでになんか食べに行きますか?」
「おっ、真美ちゃんいい考えだね! 私は賛成かな」
「俺も」
「私も大歓迎だよ。 葉月も行くし」
「僕も行こうかな」
「あ、あの…」
どうやら美佐が行くのか迷ってるみたいに感じる。 知らない人と食事は緊張するのは分かるけど。
「美佐さんも来ます?」
「では、行かせて頂きます」
「おっ、美佐ちゃんも来るの? やったー」
「可愛い子がもう一人…」
この後、ファミレスで楽しく食事をした。 初対面で緊張していた妹も馴染んできたみたいで、兄である僕には、こういう人たちを紹介できるのは嬉しい。
そして、美佐からは「今日は楽しかった」と言ってもらったのが素直によかった。




