第13話 とある休日
明日は休みだ。 何をしようかな? 休日だから昼まで寝てみたいな。 まあ、とりあえず今日は寝ようか。
翌日…
結局いつも通りの時間に起きてしまった…
まず何をしようかな? 朝ごはんを食べて時間を潰そうか。 朝ごはんのメニューはシンプルで、パンを焼きマーガリンを塗って食べるだけだ。
さて、朝ごはんも食べ終わったし、何をしようか? 美佐が起きるまでテレビでも観てようかな。
とりあえずチャンネルをまわしてみる。 特に観たいのがあったわけでもないけど、音が無いと寂しいので、適当にあわせる。
すると、2階から足音がしたので振り向く。
「おはよう、お兄ちゃん」
「おはよう」
眠そうにしながら、目をこすり、欠伸をしながら背伸びをしている妹をよそに、またテレビの方に向く。 いいのやってないかな?っと、またチャンネルをまわしてみる… 何もない。 暇だし、本でも読んでおこうかな。と思いながら受験勉強の本を手に取り、参考書を見ながらノートに写す。 ここの範囲、もうやった気がするな〜。 けど、不安だしもう一度しておくか。やって損はしないし。
「お兄ちゃん、また勉強?」
「だって、やることないから。 それに予習と復習は基本でしょ?」
「そう言いながら、やってるの大学受験のやつでしょ? まだ一年生なのによくやるね」
「そうだけど、授業でやったものを復習するのも、少し先の予習だって平日でやってるし、暇だから」
「よくやるね」
そう言いながら、美佐は冷蔵庫を開けて、クロワッサンと牛乳だけとり、朝食を終える。
そして、テレビを観ながら美佐が僕に話し掛ける。
「ねぇ、野菜きれてたよ」
「そうなの? じゃあ昼ごはん食べたら買いにいこうか」
「うん、わかった」
そんな素っ気ない会話が終わり、また勉強に取り掛かる。 やっぱり僕は勉強をやっている時間が一番落ち着く。 そして、いつの間にか昼すぎになっていた。
「美佐? 焼きそばでいい?」
「いいよ」
美佐の返事を聞いて、OKをだったので、袋を開けてフライパンに入れる。 それで、ソースとかを入れると、皿に乗せて完了!
「出来たよ〜」
「は〜い」
昼食をとり、買い物の準備を始める。 財布に携帯、よし、これでいいだろう。 けど美佐が降りて来ない。 一体どんな準備をしたら、こんなに時間がかかるんだろうか? と考え事をしてる間に降りてきた。
「支度終わったよ〜って、何してるの?」
「あっ、あ〜、少し考え事…」
「へー、どんなこと考えてたの?」
「それは、 秘密だよ」
プライバシーに関することは聞かない方が良いだろう。 変な間が空いたから怪しまれてるけど。
「ふーん、 まあいいや」
「何を買えばいい?」
「チョコとかプリンとかヨーグルトとか…」
「ふざけてないで、きれてるのは野菜でしょ」
「キャベツとトマト、あと〜、大根とか…人参もかな?」
「それで終わり?」
「あと肉とかも買っといた方が良いかも」
キャベツとトマトと大根、人参に肉類っと… これで終わりかな。 重いけど、幸いなことにスーパーが近くにあって助かった。 と思いながら街を歩いていると…
「あの子達可愛くない?」とか「私もあんな顔だったらな〜」という声が聞こえてくる。しまいには「告白してこいよ」というヒソヒソ話が男の子の声で聞こえる。おそらく僕も女の子として認識されてるんだろうな。
なんで僕が女の子って思われるんだろう?
服装はジーンズにどこにでもあるチェック柄の服を着てるだけなのに…
美佐はオシャレしてきているから、可愛いと言われるのは分かる。 でも僕はなんにもしてないのに、しかも男の子なのにそんなこと言われるのはおかしいと思いながらも、スーパーで買い物をしていた。 その時…
プルルルル、プルルルル…と携帯に電話がかかってきたので、出てみる。
「もしもし? どちらさ…」
「もしもし? 心ちゃん? すぐ病院にきて!」プツッ
何があったんだろう? とりあえず病院に行った方がいいのかな? けど、どこにあるところだろう? 行き先が分からないんじゃ行こうにも行けない。 と思っていた矢先に…
「あ、もしもし上田さん? さっき亜希から電話してもらったんだけど、あの様子だと慌ててるようにしか見えなかったから、念のため言っておくよ」
「はい」
この声と話口調からして長谷川さんだ。
それにしても、さっきの電話は亜希さんだったのが驚きだ。
「今日、木下さんが車と事故に遭ったの。
だから今、病院にいる」
木下さんが事故? そんなはずはない。きっと聞き間違いだ。 そう…これは聞き間違いのはずだ!
「あの、もう一度言ってください」
僕はできるだけ声を抑えながら、落ち着いて言ったつもりだった。 けど、この言い方では怒っているぞと知らせているようなものだった。
「木下さんが車とぶつかった。 原因は車両側の信号無視で…」
「全部作り話ですよね?」
「残念なことに本当よ」
なんで不幸なことは立て続けに起きるんだ?
何か悪いことでもしたっていうのか?
だとしても、ひどすぎるよ、神様… こんな試練を与えるなんて。 僕だけにこんな思いをさせるなんて。
電話をしているのを忘れて僕は泣いていた。
その間は何にも考えられなかった。
そして、しばらく経ったあとに長谷川さんの声で電話をしていたことを思い出した。
「ごめんなさい」
「え⁉︎」
急に謝ったことに驚いてしまった。
その声は小さく、消え入りそうな程であったが、どうして謝るのだろう?
この順番でそんなことをされると、長谷川さんが突き飛ばしたんじゃないかとか、色々な悪い想像をしてしまう。 もし、想像通りのことをしていれば、こんな所にはいないとは分かっていても、やっぱり疑ってしまう。
「信号が青になって渡ろうとしたら車が来て、その車が減速してるように見えなかったから私は止まったんだけど、偶然…」
「わかりました」
謝る理由は大体分かったけど、これは全く悪いことはしていないと思う。 長谷川さんは責任感が強いためなのか、罪悪感を感じてしまっているのだろう。 それが素直にすごいと思った。 僕だったら「あれは仕方なかったんだ」と自分に言い聞かせ、勝手に納得しないと、自分が保てなくなると思う。
「あの時、ちゃんと注意しておけば、こんなことにはならなかったのに!」
「後悔しても仕方ないですよ? 長谷川さん」
「そんなこと分かってる!」
「す、すみません…」
先輩を慰めるつもりだったのに、逆に怒られてしまった。 こういう時に限って言葉が見つからない。 どうしようか? えっと、えっと
ダメだ。頭の中で整理して言葉を見つけようとすればするほど、焦って何も思いつかなくなってしまう。
あ、そういえば病院の場所を聞くのを忘れていた。
「ところで、病院の場所って…」
「え? ああ、すっかり忘れてた。 取り乱してごめんなさいね」
「いいですよ、気にしてませんから」
こんな時に動揺するのは当然だ。 逆に冷静でいたら、怖くなってしまう
「桜川駅の近くに大きい病院があるの。 そこよ」
「わかりました 今行きます」
あそこか。 結構大きいから家の窓からでも見えるし、学校から帰ってるときに救急車の音とかよく聞こえてきてたな…
便利ではあるけど、駅の近くに建てるのは不吉な感じがして、なんとも言えない。
「お兄ちゃん、大丈夫? 電話で泣いてたけど」
「え? うん、大丈夫だよ。 なんともないから」
「それならいいんだけど、皆に注目されてるから早くこの店出たい」
「わかった」
自分では気付かなかったけど、近くに居たおばさんが心配そうに見ていたので、「ご迷惑をかけてすみません。 もう大丈夫ですので…」と言いながら店を出た。
そして、妹に「何で泣いてたの?」と聞かれたので、誤魔化してその場を凌ごうとしたけど、どうやらバレバレだったみたいで、結局は正直に話した。
「私も行っていい?」
「僕はどっちでもいいけど、美佐からしたらただのクラスメイトだけどいいの?」
「これを機に仲良くなりたいなって思ったから。 お兄ちゃんが親しいなら悪い人じゃなさそうだし」
「わかったよ」
話して少しは気分がスッキリしたような気がする。 こういう時に人が居てくれるとありがたい。それが身内ならなおさらだ。 やはり血の繋がった妹がいると、僕のことを一番理解してくれているから、安心してしまう。
そんなことを言うと、シスコンに見えるかもしれないが、断じて違う。 僕から見たら兄妹で恋愛感情を持つのは、信じられない。
「じゃあ一緒に行くか」
「うん」
美佐は待っていたかのように、僕に返事をして、一緒に病院に行った。
更新が遅くなりました。
ですが、今年も頑張りたいと思いますので、応援のほどをよろしくお願いします。




