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僕たちの日常  作者: ヒマワリ
1年生
10/17

第9話 クラブ内の分裂

あの出来事以来、木下さんは急に来なくなった。原田さんに会いたくない事情でもあるんだろうか? そのことを勇気を出して聞いてみたものの、彼女に話を流されてしまった…

この話はしないのがいいのかな? けど、しなかったら、真の友達になれない気がする… だからと言って聞いてしまったら関係が崩れるような感じもする。


「どうすればいいのかな?」

何もできなくて、何をしたらいいか分からない自分。 木下さんの居ない家庭科部でやっていけるか不安な気持ち。何が起こっているか理解出来ず、焦りだけが次第に大きくなっていく。

自分の考えていることさえ支離滅裂になっていく…


「顔色が悪いですよ、上田さん」

いつの間にか原田さんに心配させてしまっていた。自分は今、どんな表情をしていたのだろう? 考えすぎてしまうと、つい周りが見えなくなり、ネガティブな発想に行き着いてしまう。昔も度々、妹や美月に心配されていた。


「やはり、木下さんの事ですか?」

図星をつかれたけど、あまり驚かなかった。

時々、岩本先輩も「早く戻ってこないかな?」と独り言を言っているから、嫌でも分かるだろう


「その人、早く戻ってきてほしいですね」

早く戻ってきて、話し相手になってほしい、

他愛ない会話がしたいと思って、色々な思索をして、これはダメ、あれはダメと考えているうちに時間だけが経ち、結局何もしていない。考えるだけで実践しないのは悪い癖だと気づいているのに、なかなか治らない。


「………」

原田さんが何か言っているように見えたが、聞き取れなった。

きっと挨拶して仲良くなりたいと思っているだろう


「そういえば舞衣ちゃんは、なんでこのクラブに入ろうと思ったの?」


「裁縫とか好きなので」

当然といえば当然の理由なのだが、一瞬ビクッとなったように見えた。 何か他の目的があってきたのかな?


「改めて聞くけど、ここって家庭科部よね?」


「そうだけど、急にどうしたの?」


「確認しないと忘れそうだから」

確かに調理器具こそあるけど、料理とか作ってるの見たことないから仕方が無いね。


「なぜ、家庭科部にしたんですか?」

今までずっと気になっていたことを聞いてみた。今更と思ったが、知らないことを質問することは自然なことだから、しょうがない。


「なんでだったっけ? 真美ちゃん」


「亜美が女子力を上げるために料理したいから、家庭科部を作りますとか言ってたからだよ」


「あれ? そうだった?」


「まあ、言ってた本人が忘れてるくらいだから、クラブ名は気にしなくていいよ」


「じゃあ、部長って亜美さん?」


「そうだよー♪」


「ずっと真美さんだと思ってました。」

部長ってしっかりしているものと思っていたけど、亜美さんは思い切りがいいから、そういう面では向いているのかもしれない。まあ、新鮮でいいかな?


「葉月? ずっと黙ってるけど、どうかしたの?」

話を聞くのに夢中で気づかなかったけど、そこに気づくとは、さすが真美さん。


「いや、なんでのうのうとクラブに来れるのかなと思って」

そう言いながら葉月さんは目線を原田さんに向けていた。

原田さんが何かしたんだろうか?


「原田さんがどうしたの?」

当然の疑問に葉月さんは答えた


「そいつ、木下をいじめてたんだよ」

葉月さんは何か冗談を真剣な顔で言い始めた


「冗談でも趣味が悪いわね、葉月。 何を思ったか知らないけど、舞衣がいじめなんてできるはずがないでしょ?」

真美さんには、若干怒りが混じっていた

当たり前だ、あったかどうかも分からない罪を仲間が着させさられそうになっているのだから。


「俺も最初はそう思っていた。 いや、今でも思いたいよ」

何が言いたいんだろう?


「どういう意味?」


「食堂で昼飯食べてたら、原田は中学生の時いじめてた人が居たって聞こえてきたんだ」


「それだけで原田さんがいじめてたなんて決めつけてたの? あなたには失望した。 仲間も信じられないなんて思わなかった」


「話は最後まで聞け!」


「聞いても無駄じゃない? だって私達は仲間を信じてる、 葉月は信じていない。だから聞きたくない」


「俺はそんなの嘘だと思っ……」


「聞きたくないって言ったの聞こえなかった? 葉月さん?」

真美さんは本気で葉月さんに対しての怒りに満ちている。


「頼むから聞いてくれ! こういう噂はすぐに広まる。 そこに事情も知らない第三者がこの話は嘘だと口出ししても、誰も信じてくれないぞ」

確かにそうだ


「そうね、あなたの話が本当ならば、だけど」


「真美ちゃん! 話くらい…」


「どうしたの亜美? あなたは葉月側につくの? そんなでっち上げの話信じるの?」


「例え、この噂が流れてること自体嘘だったとしても、流れてたときに、もし舞衣ちゃんがいじめられたときに救いの手を差しのばしたいから、私は葉月の話を聞く」


「そう… 亜美は葉月側につくのね」


「ありがとう、亜美。 理解者が居てくれると助かるよ」


「心は同級生でしょ? もちろん私の意見に賛成よね?」

僕は… 仲間を信じたい… だからこそ!


「僕も亜美さんの意見に賛成します」


「原田さん? あなたはこっち側よね?」


「私も葉月さんの話を聞きます」


「あなたのことを悪く言われてるのよ!」


「だからこそです。 自分の事だから聞かないといけないと思うから…」


「分かった、もうあんた達だけで話せばいいじゃない。 私は帰るから」

急に声が小さくなってしまった。と思ったらドアを閉めるときに思い切り閉め、ドンッという音を立てて帰って行った。 どんどんこのクラブが壊れてきていっている予感がしていた……

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