TS転生エルフの引きこもり日記4
今日は、私の誕生日。
大人になったんだもん、決めたよ。
「パルラ、おめでとう、あのか弱い子がこんなに綺麗になって…すぐ、お嫁に行っちゃうのかしら。」
お祝いに来てくれた、魔法の一族のゼセセ伯母さんが言った。
伯父さんはお仕事なんだってさ。
「お母さん、お婿にいくんだよ。」
魔法の一族の従姉アルルお姉ちゃんが頭を抱えた。
「パルラはお婿になんてやらないわ、一生、ここで楽しく暮らすのよ、お嫁さんはだから強い人がいいわ。」
お母さんが言った。
「そうだな、オレを倒せるくらいの女でないと、パルラはやれん。」
お父さんが腕組みしていった。
ええ?私、一生結婚出来ないじゃん。
お父さん、剣の一族最強クラスだもん。
成人になる誕生日なのでおめかしして
高級レストランのディナーです。
ケイタリングなんだけどね。
どんだけ、私の事出したくないんだろう。
でも、シェフがきてくれて作ってくれるなんで贅沢って言えば贅沢だよね。
伯母さんとアルルお姉ちゃんが遠くのエルフの町から連れてきてくれたんだ。
まあ、町も一応あるんですよ、エルフでも。
「パルラちゃん、おめでとう。」
マリエスさんがジャスティクとなんか運んできた。
「みんなから、誕生日プレゼントだ、欲しがってたよな。」
ジャスティックが言った。
も、もしかして、新しいミシン?
前のはピピアお祖母ちゃんが子供の時買ってくれたのだから、あんまり機能がなくて、共有の通信機で最新の見てたの気がついてた?
「わー、ありがとう♪」
私は二人に抱きついた。
「おい、おおげさだな♪」
マリエスさんが言った。
「パルラ。」
ジャスティックが私を抱き返した。
「うーん…女子力負けてる気がする…。」
アルルお姉ちゃんが言った。
「おい、パルラは男だぜ、負けてなんていねーよ。」
マリエスさんが言った。
「パルラ、オレな。」
ジャスティックが言った。
なんだろう?困ったことでもあるのかな?
「ジャスティック、家族水入らずの邪魔しちゃいけない、帰るぞ、パルラちゃんまたな。」
マリエスさんがジャスティックを引き離して出て行った。
「あいかわらず、やもめなんだね、マリエスさんは…。」
ゼセセ伯母さんが言った。
「まあな…オリエンティアが死んで以来、浮いた噂もないよ。」
お父さんが言った。
オリエンティアさんはマリエスさんの奥さんで何十年が前の大戦で戦死したんだって…。
私が生まれる前の話で、私と同じ緑の髪にチャリーピンクの目の戦士だったらしい。
「カッコいいのにもったいないなぁ。」
アルルお姉ちゃんが言った。
そうだよね、それより、開けてみたいなプレゼント。
「ああ、村の奴らに先をこされたがプレゼントだ、最新機種らしい、オレにはよくわからんが。」
お父さんが紙パッグをだした。
もしかして…。
「うふふ、村の共有の通信機もパルラ専用状態だったけど、最新機種欲しがってたものね。」
お母さんが笑った。
「通信機…アンリンスの最新機種…嬉しい、ありがとう。」
わーい、うれしい!これで見積もりも簡単にできるし、掲示板もいける。
「おれたちには抱きついてくれないのか?」
お父さんが言った。
「いらっしゃい、パルラ。」
お母さんが腕を伸ばしたので二人に抱き付いた。
「うーん…お母さん、嫁入りするような気がしてきたよ。」
アルルお姉ちゃんが言った。
「でも、その前に両親を倒さないとね。」
ゼセセ伯母さんが言った。
そうかな?そんなことないと思う…。
私、男だし…嫁入りしないよ。
「前菜お持ちしていいですか?」
綺麗なウェートレスさんが言った。
もちろんエルフだ。
「はい、お願いします。」
ゼセセ伯母さんが答えた。
「オレイユスの恵みの前菜七種盛りでございます。」
最初のお皿が出てきた。
綺麗の盛り付けられた料理はテンションがあがる。
あのスモークサーモンの花ってどうにつくるんだろう?
野菜も新鮮そのものでおいしい。
『良いなぁ…食べたいな…。』
グラが言った。
あとでバースディーケーキ供えてあげるから。
『うん、楽しみにしてる、それより、決めた事、お話しないの?』
グラが言った。
うん…話すよ。
「パルラ?どうしたんだ、あわなかったか?」
お父さんが言った。
メインのオーロラ鳥のロースト、オレンジソースをかけてを前にグラと脳内会話をしてたからだ。
まったく…困るよ。
「おいしいよ。」
私は笑った。
「そう、よかったわ、パルラは笑ってるのが一番いいわ。」
お母さんが言った。
「あのね、実は私、就職しようと思ってるの。」
私はオーロラ鳥を切り分けながら言った。
「ここに就職してるじゃないか。」
お父さんが言った。
「そうよ、パルラはずっとここにいればいいのよ、大事な一人息子なんだから。」
お母さんが言った。
エルフは出生率が低いのは前言ったよね。
お父さんとお母さんも結婚して二十何年も子供が出来なかったから。
すこし慎重になってるんじゃないかな?
私みたいにか弱い息子だからよけいにさ。
「パルラ、どこに就職するの?」
アルルお姉ちゃんが言った。
「あのね、チエアイス武王国のラルーナ・タナール・チエアイス国王陛下の秘書官になるの。」
きめたんだ…ここにいてもなにもはじまらないから。
と言うか…恋愛対象にならないだろうけど、気になる人のそばにいたいんだもん。
「あいつか…チエアイス武王国…パルラ、半年まってろ、あの地をとってきてやる。」
お父さんが言った。
「お父さん…そんなことしたら私…泣いちゃうから。」
私は泣き真似した。
「パルラ!しない!だからなくな。」
お父さんが言った。
考えてみれば…大人の男が泣き真似…なさけないよね。
「女子力負けてる…。」
アルルお姉ちゃんが言った。
「最初から相手にならないわよ。」
ゼセセ伯母さんがワインを飲みながら言った。
「パルラ…あなた…そう、わかったわ、全力で落としなさい。」
お母さんが言った。
何を落とすんだろう?
「行ってもいいの?」
嬉しいけど。
「ええ、お父さんはなんとかしておくから。」
お母さんが言った。
「おい、オレは許さないからな。」
お父さんが言った。
「あ、な、た、邪魔しちゃいけないわ。」
お母さんがお父さんにウインドボール、極小をぶつけた。
「いた…分かった…パルラ嫌な事があったらすぐ帰ってくるんだぞ。」
お父さんが言った。
「ええ、そうしたらすぐに国ごと潰してあげるわ。」
お母さんが微笑んだ。
「だ、大丈夫だよ。」
なんか怖いよ。
「姉さんもアルルちゃんもやってくれるわよね。」
お母さんが言った。
「もちろんよ。」
伯母さんが言った。
アルルおねえちゃんもうなずいた。
なんか、失敗が許されない感じなのですが…。
でも…あの人の所にいけるのはうれしいな♪
祝☆引きこもり脱却だよ。