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女竜騎士の黒歴史もっと増加中

つづくもんなんですね…。

ねぇ…アリアス、私、アイルパーン竜騎国帰化しちゃおうかな?


今日も護衛士詰所はにぎやかだ。

忙しそうに出入りする護衛士たちをしりめに先輩と呼び出しを受けていた。


「まったく…王太子殿下にも困ったもんだ。」

お父さん…護衛士大隊長が机の前で苦虫を潰したかおをした。

「申し訳ございません。」

オルディラン先輩がなぜか謝った。

「お前の指導不足と言うより…王太子殿下の職権濫用が問題だ…議会からミラルーシュ辞めさせるか…国境警備隊にとばすように迫られた…落ち度がないと陛下が突っぱねてくださったが…。」

護衛士大隊長がさらに苦い顔をした。

「陛下が…。」

私はラルーナ国王陛下を思い出した。

名君と名高い陛下にかばってもらうなんてある意味名誉なんだろうけど…。

「貴重な竜騎士を辞めさせるなどと軍のお偉方は議会と一応対立してくれている、国境警備も今は平和で過剰武力は隣国…帝国を刺激するからな。」

護衛士大隊長がため息をついた。

「ハミルトン護衛士は迂闊ですが、王太子殿下は迂闊を装い狡猾にハミルトンを自分だけのものにしようとしています。」

オルディラン先輩が苦い顔をした。

「…いっそ竜騎士なんだから外に出すか?国境警備は論外だが王都の警務隊…いや陛下は王太子殿下の嫁は決定だといって外にはだしたがらんしな、議会も竜騎士の遺伝子が王家にはいるのは賛成…。」

護衛士大隊長がブツブツつぶやいた。


どうすりゃいいのさ。


夕方、竜舎に行った。

アリアスがどうしたと心話で伝えてきた。

「アリアス…どうしよう。」

アリアスに抱きついた。

いつでもアリアスに抱きつくと落ち着く。


だって、私の相棒…一心同体に近い存在だもんね。


「ミラ、なに悩んでるんだ?」

耳元で声がした。

「私がいるせいで護衛士たちがうまく護衛出来ないの。」

子供みたいに答えた。

今日も王太子殿下に夕食も誘われた~。

断ったよ、護衛(シゴト)に支障きたすもん。

アイルパーン竜騎国のキヌーネリ王太子殿下を招いての夜会も護衛士でなくて許嫁としてでるように要望されたしさ…オルディラン先輩がため息ついたよ。

「そうか…それならば…帰ってくればいい。」

声が優しくささやいた。

「帰る…どこに?ここが故郷だよ。」

私は顔を上げて声の主…セラワストに顔を向けた。

「違うな、お前の故郷はすでにアイルパーン竜騎国のイアルダス領…いやカササダ竜騎兵団だ。」

セラが私の頭を撫でた。

「たしかに…セツラおばさんの美味しい唐揚げ食べたいよ~。」

あの唐揚げ美味しいんだよね…いつも忙しいおばさんがたまに作ってくれるのが…。

カササダ竜騎兵団のみんなにもあいたいな…。

「帰ろう、お前の隣はオレでいいだろう?」

セラが優しく私の頭を抱き寄せた。

耳元で心臓の音がしている。

「うん、私の一番近くはセラがいい。」

私は安心して頭を寄せた。

セラが私の頭をもって上を向けた。

綺麗なセラの顔が見えた。

「そんなにあおるな。」

少し苦しそうに言ってセラが私に…。

なんで…なんでキスされてるの~。

「いや!」

私はセラを押し返した。

「ミラ、オレはお前を嫁にしたいと思っている。」

セラの真剣な眼差しにドキドキした。


よ、嫁にしたい…?

セラと結婚…。


「わ、私…よくわかんないよ。」

距離をとろうとして抱き込まれた。

セラの筋肉質の身体が顔にあたった。

「お前はオレの愛しい大事な女だ。」

セラがそういいながら背中を撫でた。

「セラ…あのね、私、うちに帰っても違和感があったんだ。」

弟はしっかりした跡取り息子としての地位を確定している…私がいなくてもいいよね?

「イアルダスに帰ろう、オレと一緒にずっといよう。」

セラがそういって甘く私の首元に顔をうずめた。


「却下です~いまさら、王太子殿下の許嫁はいなくなられるわけにいかないのです~。」

ヤシェル君がオズオズと竜舎を覗き込んだ。

アリアスたちにキュっと見つめられてビクビクしている。

「ミラには関係ない。」

セラがにらみつけるとひっと言ってヤシェル君は縮こまった。

「アイルパーンにうらみはありませんが~自国の利益のためとご理解いただきたいです~。」

この国の宰相デーケシ卿…ヤシェル君の父親とお父さんまで覗き込んだ。

「かけおちするなら全力で阻止するぞ…昔戦場で竜騎士と渡りあった事もあるから何とかなるだろう。」

お父さんが苦虫つぶした顔をした。


一騎当千の戦士でラルーナ陛下と戦場を駆け巡ったお父さんに勝てる気がしない。


「私の意志はどうなるの?」

私はきゅっとセラの服を握ってつぶやいた。

セラが私を抱きしめたままお父さんたちを睨み付けた。

「あなたたちはミラのことをなんだと思っているんだ!」

いつも冷静なセラが怒鳴り付けた。


その怒声に竜たちが騒ぎだした。

お父さんはともかくヤシェル君もデーケシ卿も怯えたのがわかった。


「オレの大事な娘だ。」

お父さんが静かに答えた。

あ…そう思ってくれてるんだ…。

「ではなんでこんな仕打ちをするんだ!」

セラは今にも槍取りそうな勢いだ。

「だが、この国の護衛士大隊長としては私情に流されるわけに行かない。」

お父さんがゆっくりと竜舎に入ってきた。

竜がますます騒ぐ。

「僕だってミラちゃんには幸せになってもらいたいんです。」

ヤシェル君がおずおず言った。

「ならば…見逃すのがミラのためだ。」

セラが私の肩を抱いたまま自分の愛竜(ジェニファー)を呼んだ。


「逃がすわけには行かない。」

お父さんが構えた。

「ジェニファー、いくぞ!」

セラが私を抱き上げて乗り込もうとしている。

ハーネスがないよ不味いよね。


それに…もしアイルパーン竜騎国に…。

カササダ竜騎兵団に戻るなら…。


「僕の許嫁つれていくなら誘拐とみなして宣戦布告するかもね!」

美声が竜舎の入り口に響いた。

パリラード王太子殿下が珍しく息切れしてる。

「大事な女にこんな仕打ち許せるか!」

セラが怒鳴り付けた。

「僕にとってはこの世のすべてより大事な女性だよ。」

パリラード王太子殿下が極上の笑みを浮かべてるのに背筋が凍る笑みを浮かべた。


誰も動けない…動いた瞬間になにかが起こる。

そんな緊張感が竜舎を支配した。

竜たちですら静か…違う人の気持ちに敏感だから騒げないんだ。


一瞬の静寂…。


「覇王誕生次世代編阻止ってなんなのよ、グラ。」

のんきに麗しい王配パルラ殿下が竜舎をのぞきこんだ。

「パルラ様~なんかあったんですか~?」

デーケシ卿が心配そうにパルラ殿下の前に立った。

「全くだ、私との時間を邪魔するなど…。」

すぐ後ろから精悍な美男子(だけど女性)風なラルーナ国王陛下が追いかけてきてパルラ殿下を後ろから抱きしめた。


「父上、私の許嫁が連れ去られそうなので阻止しようと思っただけですよ。」

パリラード王太子殿下が微笑んだ。

「そうか、ミラルーシュ・ハミルトン。」

国王陛下が鋭い眼差しで私を見た。

「はい。」

急いで護衛士の礼を取った。

「しばらく謹慎していろ。」

国王陛下が迫力満点でいった。

「かしこまりました。」

冷静なふりしてるけどもしかして左遷?解雇?

どうしよう?

「陛下、ミラルーシュ・ハミルトンがこの国に必要ないと言うのなら…。」

セラが真剣な眼差しで国王陛下にいいかけた。

「夜会までにうるさいのはパリラードと何とかしておく、パルラ、面倒みてやれ。」

それを遮って国王陛下はニヤリとしていった。

「はい、さあ、いきましょう。」

パルラ様が優しく私のてを握って導いてくれた。


「ミラ、オレは諦めない。」

声がして振り向くと竜舎の扉から爛々としたセラと目があった。


「ちゃんと考えるから。」

私はセラにしがみついたのを思い出して恥ずかしくて悶えながらつぶやいた。


「大丈夫、きっといいようになりますよ。」

パルラ様の優しい声を聞きながら…本当にいいようになるのかなとちょっと思った。


どうしたらいいのかな?

セラにドキドキして本当に嫁にいきそうになったよ。

でも…流されちゃいけないよね。

きちんと考えないと…。


ところで…なんで後宮(今は王配殿下と王太后様しか住んでない)に私サイズのドレスが置いてあるんですか?

身長高くて胸があるからオーダーメイドじゃないと着られないのに!?


ま、まさか…陛下計画的ですか?

王配殿下も含めて?


わーん、外堀埋められ中?

王太后様、私、孫嫁じゃないですよ~。


一気に悲壮感無くなったよ。

でも、ちゃんと考えないとね。

本当にカササダ竜騎兵団帰りたくなったよ。

でも…セラが…本気なのかな…そうだよね、やっぱり…。

駄文を読んでいただきありがとうございます♪

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