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男の娘王太子は白歴史?に浸る

なぜがつづいてます。

今回は王太子目線です。

猫かぶりが僕

公務中は私

プライベートがオレなのでパリラード王太子殿下の思考の一人称はオレです(笑)

ルーシュはなんでオレの事を避けるんだ。


「本日分です~。」

ヤシェルが台車からどささと書類を置いた。

「…うん、わかった。」

無意識にとって自動的に処理する。

部屋のすみには愛しいオレの許嫁がいるのに…。


竜騎士らしく長く伸ばした緑の髪はミツアミしてあげていてそこからエルフにしては短い尖った耳が見える。

あの煌めく緑の瞳がオレを誘惑してる。


「殿下~追加です~。」

ヤシェルが次の分を持ってきたみたいだ。

「わかった。」

今日はやけに多いな。


初めてあったのはルーシュが赤ちゃんのときだ。

父上の従姉妹と母上の親友の娘のルーシュは間違いなくオレの未来の側近だからな。


だから幼なじみでオレの部下で間違いなくいつでも一緒のはずだった。


『ルーシュ~こっちなの~。』

王宮内で鬼ごっこもした。

隠れん坊もした。


勉強もヤシェル含めて一緒だった。


それは普通の昼下がりだった。

勉強が終わって遊びにいこうと後宮の中庭に出たところだった。

『パリラード殿下。』

若い男の護衛士がすっと目の前にたった。

いつも目に入らない位置にいるのになぜだろうと思った。

『何かあったの?』

いたけなふりをしてオレは小首をかしげた。

一瞬たじろいで護衛士がすらりと剣を抜いた。

『申し訳ございません、儚くなっていただきたく存じます。』

護衛士がオレにきりかかった。

降り下ろされる凶刃。

『パリラード様~。』

ヤシェルが叫んでる間にルーシュが…オレより小さなルーシュがオレを突き飛ばした。


凶刃がルーシュに突き刺さった瞬間に何かの衝撃が護衛士に襲いかかった。

そのまま護衛士は壁に激突して倒れた。


『風って攻撃に使えるのね。』

呆然と父上が両手を前に出したまま言った。

父上についてきた護衛士たちがあの護衛士を拘束していく。


その前でルーシュは肩を押さえて立ち上がりかけた。

指のあいだから血がぽたぽたと垂れている…そのままグタリと倒れこんだ。


『ルーシュ!』

オレはあわててルーシュを支えた。

びっくりするくらい軽くて…それなのにオレをかばってくれて…もう。


落ちなければ男としておかしいだろう?


あの護衛士は脅されていたそうだ。

国王陛下(ははうえ)に自分の息子をあてがおうとして失敗した血縁の高位貴族がオレと父上の暗殺をはかってあの護衛士の恋人を人質に取ったんだそうだ。


それで…悩んだ末に…。

計画はお粗末だけど…使った護衛士はハミルトン大隊長の信頼あつい精鋭の護衛士だったらしくあの護衛士に迷いがなければルーシュもオレも死んでたという話だった。


父上のところにもべつの刺客がきてそれを護衛士が拘束している時に父上が中庭に目をやって異常に気がついて駆けつけたそうだ。


だから…護衛士がではらってたらしい。


まあ、そいつらは適切に裁判を受けて処理された。


『パリラード殿下を守ります。』

ルーシュは強い眼差しで病室に見舞いに行ったオレに言った。


それ以来ルーシュは余計に身体を鍛えだした。


オレは守られるより…ルーシュを守りたいと思った。


ずっと一緒だと思っていた。

なのに…あの時…竜騎士になるといってでていこうとしたときに…。


オレは止めたかった。


『帰ってくるといってるのよ、見送ってあげなさい。』

父上がそういいながらカエルのぬいぐるみを縫いながら言った。

『嫌なの。』

オレはどうやって止めようかとおもってた。

『きらわれるわよ、それよりこのカエルのぬいぐるみに無事に帰ってこれるようにおまじないしましょう?カエルはお父様の故郷の無事にカエルのおまじないなのよ。』

まるまるしくデフォルメしたカエルのぬいぐるみを見せられて諭された。


だから本物ならすぐに帰ってくると思って…。


本物のカエルを用意したんだ。

そうしたら怯えられて。

『大丈夫なの怖くないの。』

怯えるルーシュの前で両手を広げた。

『いや~カエル嫌い~。』

ルーシュが手のひらに乗った丸々としたカエルを見て泣き出した。


どうして泣くんだろう?

オレは困ってカエルをルーシュの頭にのせた。


そのまま気絶したルーシュを抱き締めた。

やっぱり絶対に手を離したくないって思った。


だから国王陛下(ははうえ)に叱られながらも願い出た。


ミラルーシュ・ハミルトンと婚約したいと。

オレもルーシュも幼いことがネックなのと議会の連中がルーシュが平民なのを問題にして許嫁にしかできなかったけど…オレはあきらめない。


オレは文句を言われないような王太子殿下を目指した。

ルーシュが平民だから暗君なんだと言われないように。

帝王学も武術も魔法も頑張った。

才能もあったのだろうが対外的にはオレは有能な王太子殿下として有名だ。


帰ってきたとき嬉しかった。

記憶よりも綺麗で凛々しくてそして可愛い。


なのに…あのセラワストに求婚されてどうする。

しかもまんざらでも無さそうじゃないか?


オレは…ルーシュしかいないんだぞ。


「午前はこれで終わりです~。」

ヤシェルが言った。

「そう…じゃ、もういいよね、ルーシュ。」

オレはルーシュを呼び寄せた。


他の護衛士が少し顔をしかめたのがみえた。

不満らしいな。


「なんのご用でございますか?」

しっかりと猫をかぶってルーシュが護衛士の敬礼をした。

「お昼にいくから一緒に食事しようよ。」

オレはルーシュの頬を撫でながら言った。

「業務中でございますので…。」

きりっとルーシュが断った。

「それも業務だよ、毒味。」

もちろん毒味なんてさせるつもりはない。

「パリラード王太子殿下それはハミルトン護衛士の職分ではございません。」

もう一人の護衛士が礼をしていった。

「僕はルーシュと一緒にいたいんだ、癒しの邪魔をしないでね。」

邪魔をするな…。

「それは、プライベートでなさってください。」

きっぱりと護衛士が言った。


ルーシュが尊敬する眼差しで護衛士を見ている。


「名前は?」

ある意味いい護衛士だ。

ルーシュとの事を邪魔しなければな。

「ピリックス・オルディランでございます。」

オルディラン護衛士がきりっと敬礼をして答えた。

「そうか覚えておこう。」

オレは微笑んだ。


国王陛下(ははうえ)が全幅の信頼をおくハミルトン大隊長のような相手はいまから探しておかなければならない。


ルーシュを守るためにも。

でも今は…。


「ルーシュ、いくよ。」

オレはルーシュのてを握った。

戸惑うルーシュをエスコートして歩き出した。


自分の癒しを逃すわけにはいかない。

議会もルーシュを側室にして正室は王族か貴族とうるさいが…オレの嫁はルーシュだけだ。


そのためにも完璧王太子でいないとな。


癒されて午後も頑張らないといけない。

大事な白歴史を増やしていくためにも…。


可愛いルーシュ…絶対に逃がさない。

セラワストなど絶対に排除だ。

駄文を読んでいただきありがとうございます♪

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