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女竜騎士の黒歴史は増殖する。

番外編の電波が参りました。

『大丈夫なの怖くないの。』

幼いあの人が怯える私の前で両手を広げた。

『いや~カエル嫌い~。』

私はあの人の手のひらに乗った丸々としたカエルを見て泣き出した。


「あのあとさらに近づけようとするあの人に私がパニック起こして…頭に無理矢理乗せられたところでお父さんと王配殿下が駆けつけてくれたところから記憶がない…。」

私は黒歴史をあえて思い出しながら自分の(アリアス)の鱗を磨きながら呟いた。


明日には黒歴史の元とあわないといけないから。


「本当に帰るのか?ミラ。」

セラワスト・イアルダスが竜舎に入ってきて不機嫌そうに腕組みした。

茶色の長いかみをひとつにまとめた紫の瞳のがたいのいい美青年で私となかがいい、カササダ竜騎兵団の次代団長呼び声高い男だ。

「私の故郷はチエアイス武王国だからね。」

私は少し遠い目をしながら言った。

カササダ竜騎兵団から離れるのはつらい。

ミラルーシュ・ハミルトンはチエアイス武王国人なんだよね…帰りたくないな…。

「オレの背中を任せられるのはお前だけだ。」

セラが真剣な眼差しで私に近づいてきた。

「はいはいはい。」

最近そればっかたよ、あんた。

「ここにいてほしい。」

低いセラの美声が竜舎に響いた。


「オレの大事な右腕として。」

セラがそうにいって私の手をつかんだ。

「それは無理なの知ってるよね、私はチエアイス武王国の武官…護衛士だって。」

私はセラの手から強引に手を抜き取って鱗磨きを再開した。


セラはぶつぶつまだなんかいってたけど無視だよ。


こいつが盛大に求愛じみたこと言うからカササダ竜騎兵団のみんなから未来のセラの嫁とか次代イアルダス夫人とか言われるんだよね。

…それもいいかとかイアルダス領の後継者(セラ)はのんきなこと言うしさ。


完璧にこいつが求めているのはカササダ竜騎兵団での腹心のパートナー…副官です。

少しのときめき返せ~。


まあ、カササダ竜騎兵団での留学(シュギョウ)も今日で最後だし…こいつと容易に会えなくなるのも寂しいかな?



チエアイス武王国は当代国王陛下ラルーナ様の代になってから文化的発展を著しくとげたといわれている。


その影に王配パルラ殿下の内助の功が多大にあるのは知る人以外も知っている事実だ。


「ふー、やっと片付いたよ。」

私は汗をぬぐった。

そこそこ広い部屋はなんとか引っ越し荷物が収まっている。


ベッドの上のカササダ竜騎兵団のマークの入った胴着を着た一抱えもある丸い竜の縫いぐるみは団のみんなから可愛いもの好きの私への贈り物だ。


まだまだ数の少ない竜騎士のために王宮には竜舎に近い位置に寮を準備していてくれていた。


さてとアリアスのところでもいって様子を見てこようかな。


「おかえり!ルーシュ!」

凄い勢いで扉が開いた。

「だ、誰?」

次の瞬間抱き込まれた。


わー、油断した~教官にしごかれる~。

その前に死ぬかも?


「ルーシュ、僕のルーシュ。」

うわ言のように言う相手を無理矢理引き離して目を合わした。


チェリーピンクの瞳が甘く煌めいている。

ビックリするくらい綺麗な顔を白銀の短い髪が彩っている。


すらりとした美青年?…美女?


「どちら様ですか。」

どこかでみたような。

「ルーシュ、僕の事忘れたの?パリラード…君の許嫁だよ。」

甘く美青年?は微笑んで再び抱き付かれた。


ハア?いつそんなことになった?

パリラード…パリラード…パリラード思い出した。


「王太子殿下、ご冗談を。」

美青年?のうでのなかから出ようと試みた。


あのカエル王子なら一瞬たりともうでのなかなんかいたくない。


「冗談じゃないよ、可愛い僕の許嫁。」

意外に力強く抱き込んで顔を近づける。

顎を捕まれてキスされそうになったところでなんとか腕から逃れた。

目の下に唇がかすめた。


一定の距離をとる。


「お久しぶりでございます、パリラード王太子殿下。」

私は略式の敬礼をしながらもいつでも動けるように構えた。

「他人行儀だね、でも許嫁なのは本当だよ、そうでなければアイルパーンになんかいかせなかった。」

優しい微笑みに見えて抜け目ない様子が見とれた。

「おこがましいので辞退させていただきます。」

私は完璧に離れていった。

「辞退?護衛士勤務の事だよね、花嫁修業なら父上に頼んであげるよ。」

パリラード王太子殿下がニコニコ近づいてきた。


で、できる…すらりとしてる美女風なのに隙がない。


私は壁に立て掛けた槍をとれる位置にさがろうと後ずさった。


「私は一護衛士でございますので!」

槍をつかもうとしたところで扉がまた開いた。


「パリラード!無体はいけないです!」

美しい緑の長い髪のエルフの美女が飛び込んできた。


「父上…ヤシェルまで。」

パリラード王太子殿下がそちらをみていった。

「ミラちゃん、うちのバカ息子がごめんなさいね。」

美しいエルフ…王配パルラ殿下が頭を下げた。


うーん、あれで男って世の中間違ってないかな?


「父上、僕は本気ですよ、カササダ竜騎兵団のセラワスト・イアルダスにルーシュを渡す趣味はありません。」

暗い笑みを浮かべてパリラード王太子殿下が言った。

「渡す渡さないは兎も角として~、王太子殿下にはお仕事をしていただきたいです~。」

誠実そうな丸顔の青年が言った。

文官の衣装を着ている…ってヤシェル君じゃん。

「セラはそんな相手じゃないです。」

私はそういいながら中庭から竜舎に逃げようと試みる。

「ルーシュ…逃げるなんて許さない。」

王太子殿下が迫ってきた。


こ、これ以上近づかないで欲しいです。

攻撃しちゃうよ。


「あ、パリラード様~お客様がおみえになりました~。」

ヤシェル君が通信機を片手に言った。

「あとにしてもらって。」

私を獲物を狙う目でみながらじりじり近づく。

「アイルパーンの王太子殿下とくだんのセラワスト様ですよ~。」

ヤシェル君がいったとたん王太子殿下がピタッと止まった。

「ルーシュ、君は一護衛士といったよね、護衛して。」

にっこりと極上の笑みを浮かべて王太子殿下が言った。

「はい。」

よかった、諦めてくれたみたいだよ。

「パリラード…無理矢理は行けませんよ。」

王配殿下がぽそっといったけど。

その時はなんの事だがわからなかったんだよね。


無理矢理って王太子殿下が私と手を繋ごうとしていることですよね。


私は能天気についていったことを後悔することになる。


私の許嫁宣言しないでください~王太子殿下~。


セラワストがなんかスイッチ入っちゃったじゃないですか~。


その話はまたの機会に語ろうかと思います。

あー…黒歴史増えたよ…。

このあとどうなったのでしょうか?


駄文を読んでいただきありがとうございます♪

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