エピローグ TS転生エルフは引きこもりました、フォーエバー?
ついに最終回を迎えられました。
ありがとうございます♪
朝の日差しが窓から入る。
私はベッドの中で身動きした。
適度に筋肉のついた長い腕が絡まっている。
「ラルーナ様。」
白銀の髪を優しく撫でた。
「パルラ…目が覚めたのか?」
ラルーナ様が薄目を開けて微笑んだ。
気だるそうで色っぽい。
昨夜も色々と…やっぱり男って実感しました。
「もう、起きますね。」
ラルーナ様の腕から抜け出そうとしながらいった。
「もう少しいいのではないか?」
ラルーナ様がそういって抱き込んだ。
「ラルーナ様、離してください、私はどこにもいきませんよ。」
私は優しくラルーナ様の背中を撫でた。
「……仕方ないな。」
ラルーナ様が私に口づけて腕を解いた。
結婚しました。
議会も承認しました。
ラルーナ様の迫力とウェルスさんの根回しのお陰さまで。
カササダ竜騎兵団の竜から私がラルーナ様に抱えられて降りてきた姿がまるで王子様(本当は女王陛下)とお姫様(男エルフ)に見えたのが民衆うけしたらしいです。
小説にアニメに映画になんかパルエラっていう絶世美女エルフがラルックスという美形王子との恋愛メインの冒険ものみたいなのが流行って大変でした。
あれから5年…。
まだ、引きこもってますよ。
さてと朝食いこうかな?
「おとうちゃま、おかあちゃま~。」
うちの可愛い王子様がかけてきました。
「パリラード、今日も可愛いな。」
ラルーナ様がニコニコ息子を抱き上げた。
それにしても…うちの子本当に可愛い…男の娘…。
白銀の髪にチェリーピンクの瞳の息子を見て思った。
長じてのち私そっくりの可愛い容貌とラルーナ様の肉食系の性格を受け継いだ息子に振り回された女の子が現れるんだけど、それはまた別のはなし、今は幼児だしね。
「ぶっころり嫌いにゃの。」
ラルーナ様がパリラードにブロッコリーのグラタンを食べさせようとしたとたんパリラードがそっぽを向いた。
「好き嫌いはいけないぞ、パリラード。」
ラルーナ様がそうにいってさらに食べさせようとした。
「いにゃの。」
パリラードがプイとして膝から降りる。
「パリラード。」
私が呼ぶとふりむいた。
「おとうちゃま~。」
涙を浮かべた幼児最強説、可愛いです…は、ここは心を鬼にして…無理…三歳かわいすぎ。
私はメロメロで抱き上げた。
「パリラード、この野菜たべると強くなれるんだよ。」
もちろんそんなことありません。
でもバランスよくたべれば身体が丈夫になるのは前世の学校の授業で学習ずみです。
「そうみゃのうぇるおじちゃま?」
ウェルスさんを上目遣いでパリラードが見つめて言った。
「子供ほしくなりました~、もちろんですよ~。」
まだ独身のウェルスさんがニコニコ言った。
「そうか、嫁を紹介してやろう、パリラード、ブロッコリーを残すのは許さん。」
ラルーナ様がそういいながらブロッコリーをちいさくきってパリラードの口にほおりこんで泣かれた。
あーあ…乳母さんが眉つり上げてるよ。
私みたいな引きこもり(仕事のために)のかわりに面倒見てくれる大事な人で頭が上がりません。
まあ、ブロッコリー食べなくても問題はないけどね。
もう少し大きくなったら王宮託児所に預けようと目論んでいます。
社会勉強は大事だもんね。
あれから、どうなったかと言うとですね…。
フーマエルン峡谷国はチエアイス武王国とアイルパーン竜騎国に定期的な視察を受けていて侵略だと騒いでいますが、回りの国は相手にしていません。
貢ぎ物もらってないもんね。
例の破滅の魔女及び武器商人はチエアイス武王国の監獄に収監されました。
髭男たちはフーマエルンの方でさばくとかなんとかいってうやむやにされました。
ハミルトン護衛士はぶつぶついってました…ああ、今は護衛隊長でしたね…可愛いエルフのお嫁さんもらいました、私の従姉妹です…尻にしかれてるらしいです。
ウライシア工業国のアリアン国王陛下は
将来、娘ができたらぜひ正妃にとこの間のたまっていました。
うーん、まだ生まれていないのに…第一生まれるかどうかもわからないのに…。
セシルーシャ姫はルレーアスさんといい感じみたいです。
戦闘事務官ラミアーナさんはウタシロ将軍にすっぱりと王位継承権を返上して嫁ぎ今は女の子のお母さんです。
戦闘事務官はまだまだ、兼業中です。
エルフの里のみんなとも交流は続けてますよ。
ジャスティックが女の子を嫁にもらっててよかったです。
お母さんがパルラが幸せにならなければ、チエアイス武王国を攻め滅ぼすところだったから結婚してよかったわ。
といったとき背筋が少し凍りつきました。
「パルラ。」
ラルーナ様が微笑んで私を抱き締めた。
「おかあちゃま、ぼちゅも。」
パリラードが足にしがみついたのでラルーナ様が私を離して抱き上げた。
「幸せです。」
私は二人を抱き締めた。
『うん、このまま幸せで平和に暮らしてね。』
ニコニコとグラが言った。
うん、最初はグラのこと恨んだけどここに生まれさせてくれてありがとうね。
『こちらこそ、ありがとー、あと僕の名前をもっと広めてよ。』
グラが満面の笑みでいった。
えーと…グラ…なんだっけ?
『わーん、パルラのいけず~。』
グラが泣きながらかけていった。
まったく、まあ、こんどバナナケーキでもお供えしてあげるから。
「おとうちゃま?」
不思議にパリラードに見つめられてた。
「おとうちゃまは大丈夫ですよ。」
可愛い息子の頬っぺたに口付ける。
「パルラ。」
ラルーナ様が私にキスした。
何はともあれ幸せです。
たぶん、ずっと私ラルーナ様の腕の中に引きこもってます。
皆様、チエアイス武王国に来たら王宮見学に来てくださいね。
引きこもってますのであんまり会えませんけど。
王宮特製のバナナケーキとかシフォンケーキをお土産にどうぞ。
チエアイス武王国は今日も平和ですよ。
覇王はいません。
私、本当に幸せです。
長い間ご愛読いたただきありがとうございました。
駄文を長い間読んでいただきありがとうございます♪