TS転生エルフのずっと引きこもり日記3
すみません、一週抜きました。
いい加減行動しないといけないみたいだ。
でも、なかなかうまくいかない。
部屋には常に屈強な髭男がいる。
何人くらい仲間がいるんだろう?
長様とやらは初日以来顔だしてない。
もう三日かな…たったの。
「ハミルトンさんはどうしていますか?」
私はさりげなく見張りに聞いた。
ベッドからやっと半身をおこす状態見せかけている。
本当は回復してきている。
一応、私、剣の一族のエルフだよ。
エルフである以上、人族より長寿で丈夫なんだよね。
たとえ戦闘能力が無くても。
「本当に男かよ…ハミルトンは生きてるぞ。」
見張りが言った。
「そうですか。」
なんとか状態確認しないと。
尋問、手段を選ばずって言ってた…まさか…ご…まさか。
「会いたいのであれば手配してやってもいい。」
見張りがニヤリとした。
「本当ですか?」
あってなんとか二人で逃げる算段をしないと。
見張りがこちらに近づいてきた。
そのまま抱きついてきた。
「お前の態度次第だな。」
髭の顔が迫る。
ええ~どうすればいい…。
「オイアグッダまでカマエルフにタブらかされたか!」
アガゼンとか言う髭男が扉を開けた。
「アガゼンさん、みてくださいよ、本当に俺らと同じ性別ですか?」
オイアグッダとか言う髭男が私の頬を撫でながら言った。
気色悪い…髭そりやめようかな…ちゃんと生えるよ、薄いけど…髭男は嫌だけどね。
「同じに間違いない、お前らが怪しい言動するからオレがこいつの世話をせにゃならんのだろう、長さまといいなんだってこんなのがいいんだ。」
アガゼンが半眼になった。
「アガゼンさんは変態だからですよ、どこがいいんですか?丸々巫女なんて。」
オイアグッダがそういいながら私から離れた。
「丸々巫女、いい称号だな、可愛いあの方にぴったりだ、いつかオーレウス帝国のエウリール大神殿にいってもう一度会いたいな。」
アガゼンがうっとりした目をした。
丸々巫女って誰だろう?
でも、油断してる…魔法で使えそうなのは…。
光の魔法…ハーブ乾燥…火の魔法…調理…風も乾燥に使ってた気がする…。
ふ、複合魔法ってどうだろう?
えーと…たしか…。
「…こんな細いだけの優男に欲情するお前らの気がしれない!やっぱりフクフクプニプニだろう!」
アカゼンがそうに叫んでるのを聞きながら思考がとぎれた。
『…わー、エウリールと趣味が一緒…たしかに可愛いけどさ、僕はパルラタイプの方が好きだな。』
グラが呑気に言った。
あのさ…私、男だよ…。
『うん、わかってる、ハミルトンさん助け出すんだよね、じゃあ一応啓示だよ、へたな魔法つかわない方がいいんじゃない?…エウリール~べつに僕、あの子のことけなしてないよー。』
グラがそういってすごい勢いで逃げて行ったのが分かった。
お供え…やっぱりひげ男しかいないや…。
「ハミルトンさんに会わせて下さい。」
正攻法で行こう。
「だから交換条件。」
オイアグッダがいいかけてアガゼンに背後から頭をどつかれた。
「いいぞ、あの男もその方が素直になるかもしれん、ただし歩いてもらうぞ、抱き上げるのならぷっくり巫女様だ!」
アカゼンが趣味丸だしでいってオイアグッダがこけた。
…いいのかな…そんなのでさ。
露天掘りの廃坑を利用したというその穴には鉱夫が住んでたらしい建物の廃屋がいくつもあり不気味だった。
大きな壊れかけの櫓も立っている。
蝶が係留されてるのも見えたけど…当然のれない。
昔の鉱夫はどうやってここまで降りてきてたんだろう、高い崖に残るノミあと?を見ながら思った。
ここまでの道のりひげ男二人ついたけどまったく拘束されてません。
どんだけか弱いっておもわれてるんだろう。
比較的頑丈に補修されてる建物に導かれた。
木造の床にハミルトンさんが鎖で手足を拘束されて転がされていた。
あきらかに怪我してる…意識あるのかな…。
「アカゼンさん、カマエルフをつれてきたんですか?」
眼鏡かけたひげが比較的薄い男が棒をもったまま言った。
あれ…なんにつかってるの?
「ああ、この男に人質が居る事を思いだしてもらわないとだからな。」
アカゼンが暗い笑みをうかべてハミルトンさんを足蹴にした。
「うっ。」
ハミルトンさんがうめく。
私がアカゼンに恥ずかしながら世話してもらっているうちも尋問されてたらしく汚れと…血がみえる。
「さて、護衛士殿、チエアイス武王国の布陣についてはいてもらおうか?」
アカゼンが眼鏡男に合図をすると眼鏡男が棒でハミルトンさんの顎をもちあげた。
「オレは…しらん。」
ハミルトンさんがかすれた声で言った。
「戦場をかけてたあなたが知らないはずはないでしょう?もっと痛めつけられたいみたいですね。」
眼鏡男が嬉しそうに笑った。
「このサディスト…。」
ハミルトンさんがつぶやくと眼鏡男がハミルトンさんの首を棒でおさえつけた。
「ええ、そうですよ、あなたみたいな屈強な男が堕ちていくのがすきなんです。」
そういいながら傷のある腹をふみつける。
…息も絶え絶え…。
「殺すな、ダヤル。」
アカゼンが目をひそめていった。
「わかりましたよ。」
残念そうにダヤルが離れた。
「相変わらずだな…カマエルフ殿大丈夫か?」
さりげなくオイアグッダが私の隣に来た。
「カマエルフに近ずくな。」
アカゼンがにらみつけるとオイアグッダは渋々はなれた。
「アカゼンさん、カマエルフもせめさせていただけないですか、優男が堕ちていくのもすきなんです。」
ダヤルが眼鏡をきらめかせて言った。
「…こいつは事態がおわったら進呈する予定だからだめだ。」
アカゼンが苦々しい顔をした。
「ええ、もったいない、どこのはげ親父ですか!」
オイアグッダが叫んだ。
意識が離れてる…回復と防御の魔法ならかけられる。
私は集中した…ハミルトンさんの傷に回復促進の魔法をかける。
再生の術とかかけられれば早いけどそれは巫女の神術しかない。
あれ…私、グラの巫子だよね…何の特権もないのかな?
そして最高級の防御魔法。
戦えないから護るのはがんばったんだ、こんなところで役立つなんて…。
ハミルトンさんが薄目を開けたのでかすかにうなづくとわかったのか目を閉じた。
今は助けられない…。
めまいがしてふらついた。
「カマエルフ殿!」
アカゼンがそういって私をささえた。
「オレが背負いましょうか?」
オイアグッダが言うとアカゼンがだまって私に背を向けた。
結局、アカゼンに背負われて元の部屋に帰った。
途中で崖の割れ目に通路みたいなのを見た気がした。
そこに何か動いてた気もするけど…。
疲れ過ぎてて見間違えかな?
防御魔法はしばらく効力がある。
その間に逃げる算段をしないとハミルトンさんが…。
本気だして頑張らないとだよ。
絶対に二人でチエアイス武王国に帰って見せる。
駄文をよんでいただきありがとうございます。