TS転生エルフのさらに引きこもり日記4
新キャラ登場!
本日も主人公は乙女系男性です。
苦手な方はまわれみぎお願いします。
最近おかしい、廊下を歩けばなにかにつまずくし。
庭に出れば花瓶が降ってくる。
「ありゃ、どうしよう?!」
水のはいったぞうきんバケツが空中を飛んだ。
そうじのおばちゃんがどうしようという顔で階段の踊り場から言った。
水がスローモーションのように溢れるのが見えた。
とっさに顔をかばう。
「パルラ秘書官!大丈夫ですか?!」
ハミルトン護衛士が前に出てシールドを展開しながら言った。
水は魔法の盾で見事に防がれてる。
「わるかったね!大丈夫かい?」
おばちゃんがすごい勢いで降りてきた。
「パルラ秘書官、ご無事ですか?」
ハミルトン護衛士が私の身体を確認するように見ていった。
「大丈夫です。」
私はひきつった笑みを浮かべた。
「パルちゃん、ごめんよ、あのバケツ、どうして飛んだのか、私しゃわかんないんだよ。」
掃除のイゼルおばちゃんが困惑したように言った。
「イゼル夫人、それはまことですか?」
ハミルトン護衛士がバケツを調べながらきいた。
「ふ、夫人?やめとくれ、そんな呼び方、私しゃ、御大層な身分じゃないし…そのバケツを階段の一番上に置いて踊り場で柵をぞうきん掛けしてたんだよ、それなのに…パルちゃんのところまでなんで飛んだんだろうね?」
イゼルおばちゃんが小首を傾げた。
水色の三角巾がヒラヒラゆれる、小柄の可愛いおばちゃんだ。
「魔法ですか?痕跡が水に流されかけていますが…。」
ハミルトン護衛士がバケツの確認をしながら言った。
ハミルトン護衛士はあまりに事故が多発するので私にラルーナ陛下がつけてくれた護衛士でかつてはラルーナ陛下と戦場を駆け抜けたらしい。
魔法も武器も使える、魔法戦士でラルーナ陛下の信頼も厚い人物らしい。
「私しゃ、魔法何て使えないよ。」
イゼルおばちゃんが両手のひらを前に出して振りながら言った。
「陛下に報告します、イゼル夫人は連絡が取れるようにしておいてください。」
ハミルトン護衛士が冷静に言った。
「なるほど…手段を選ばなくなってきたな。」
ラルーナ陛下が私室のソファーで私を抱き寄せながら言った。
ハミルトン護衛士がいるのに恥ずかしい。
「イゼル夫人は無関係かどうか分かりませんが…十中八九、シロだと思います。」
ハミルトン護衛士が直立不動で言った。
「いたいけなおばちゃんを脅さないでください。」
私はそっとラルーナ陛下の腕をはずしながら言った。
「パルラ秘書官、イゼル夫人も容疑者ではあるのですよ。」
ハミルトン護衛士が鋭い眼差しで言った。
私がビクッとしたところでまたラルーナ陛下に抱き寄せられた。
「パルラ、なぜ離れようとする?」
ラルーナ陛下がそういって耳たぶをアマガミした。
「ハミルトン護衛士の前で恥ずかしいです。」
うん、冷静に見られてるのってダメージだよ。
「パルラ秘書官、私は別に気にしていません、こいつ…失礼、わが君にやっと本当に愛するものができたことをむしろ喜んでおります、暇さえあれば花街に入り浸って、ハーレムをつくってたわが君がよくまともな男性とこんな関係に…。」
ハミルトン護衛士がすこし潤んだ目をした。
「おい、オルセリウス、そこは感動するところじゃないぞ。」
ラルーナ陛下が慌てたように言った。
「なにいってるんだ!花街にいけば最高級の娼婦にしなだれかかられ、女ハーレムをつくるのを隣でよだれが出そうに見てたのに!今度はこんな可憐な男?エルフと結婚だと!羨ましすぎる!」
ハミルトン護衛士が言った。
「女ハーレム?最高級の娼婦?ラルーナ陛下それって…。」
私はラルーナ陛下を見つめた。
『うーん、本当に羨ましかったよ、どうやったらあんなにこませるのかな?僕も教えてもらいたいよ。』
グラが乱入した。
グラも羨ましいんだ…ラルーナ陛下は本当は女性の方が好きなのかな?
『運命の相手にあったんだからもうパルラひとすじだよ、昔のことは許してやんなよ。』
グラが珍しくフォローした。
うん、そうだよね、チーズケーキ、今度供えるね。
やっほーってグラがいって交信が切れた。
「パルラ!パルラ?そんな嫌だったのか?」
ラルーナ陛下にどさくさに紛れてひざの上に抱き上げられた。
「昔のことですよね、不潔とか少しおもいますけど、良いですよ、今は私だけですから。」
私はニッコリ微笑んでラルーナ陛下にキスした。
「羨ましい、たとえ男の娘でもあの麗しさなら飯が何杯いけるか…。」
ハミルトン護衛士が呟いた。
「お前、化けの皮が剥がれてるぞ。」
ラルーナ陛下が私の頭を撫でながら言った。
「仕方ないだろう、わが君、オレは戦場上がりなんでね。」
ハミルトン護衛士が獰猛な笑いを浮かべた。
「ま、そうだな、パルラで妄想することは許さん。」
ラルーナ陛下が言った。
「こころがせまいな…ま、大事な御姫さんはオレが守るから、わが君、パルラ秘書官、安心して、私にお任せくださいませ。」
最後はきりっと護衛士の顔になってハミルトン護衛士が護衛士の礼をした。
「ああ、お前を信頼している、愛しい私の王配を守ってほしい。」
ラルーナ陛下が重々しく言った。
「で、パルラ秘書官、姉妹とか従姉妹とか女の身内いない?紹介してくれるとオレ嬉しいんだけどな。」
ハミルトン護衛士が軽くいって私はラルーナ陛下の腕のなかでずっこけた。
「従姉妹はいますけど…私より強いですよ。」
魔法の一族だしね。
お父さん側は男ばっかりかな?
「そう?今度よろしく、わが君、捜査状況を確認してきますのでごゆっくり。」
ハミルトン護衛士がいたずらっぽく笑っててをふって出ていった。
「あやつは明るくてよいな、パルラ、いこうか。」
ラルーナ陛下が妖しく微笑んで私を抱き上げた。
あのー、まだ昼間ですよー。
いくら時間が空いたからって不味いんじゃ…。
だめだ…ヤッパリラルーナ陛下の魅力に逆らえないよ。
私はダメダメエルフだよ…。
駄文を読んでいただきありがとうございます♪