TS転生エルフのさらに引きこもり日記1
どうしよう…服装変えてみようかな?
後宮の廊下を通って今日もラルーナ陛下の所へいく。
「おはようございます。」
中に入ると執務室では例のあの人がソファーにすわって待っていた。
「おはよう!マイハニー。」
ウライシア工業国の若き国王アリアン・ウライシア国王陛下があさからニコニコ言った。
ラルーナ陛下は席をはずしてるらしい。
朱金色の肩につく髪を一つにまとめた知的な国王陛下を後宮の侍女さんがキャー素敵と休憩中会話してたのは知ってる。
「私は男です。」
ウェルスさんの服を借りて着てみたらずるので見習い用の緑の宮廷服をきている。(13~4歳位から貴族の子弟が見習いで入るらしい。)
いつもの長い宮廷服(ラルーナ陛下の趣味らしく私のはみんな足首丈だった。)ではなくて上着はきちんと男性用の長さの腰までだ。
それにズボン…襟元が立襟なんで小さい喉仏がさらに目立たないのはいたい。
ひげ…はえないんだよね…エルフはヒゲ薄いけど…特に薄いし…。
『ええ?美形オカマ系エルフにヒゲなんかいらないじゃん。』
グラがいつも通り交信してきた。
美形オカマエルフってなにさ…わかった今日のお供えは雑草です。
『ええ?せめて食べ物にしてよ。』
グラが甘えた声をだした。
はいはい、買っといた菓子でも供えてあげるよ。
「パルラ大丈夫か?」
いつも通りトリップから戻ると心配そうなラルーナ陛下の顔がすぐそばにあった。
どうやら戻ってきたとたん倒れそうな私を支えてくれたみたいだ。
「ラルーナ殿、パルラは僕の花嫁ですよ。」
アリアン陛下がソファーを立って寄って来た。
「…アリアン殿、パルラが男だと何度説明したらわかるんですか?書類をお見せしたはずだが?」
ラルーナ陛下が不機嫌そうに言った。
「そんなの偽造できますからね。」
アリアン陛下がそう言いながら通信機の画面を見た。
今回は表向きは新しいレーダーの使い方指導なのでそう言う連絡らしい。
通信機に向かって難しそうな話をしている。
そう言う所は尊敬できるけど私を『花嫁』扱いはいただけないです。
「パルラ…いっそ…。」
ラルーナ陛下が私をそのまま自分の隣の椅子に誘導しながら言った。
そう言う事してくれるの意識が女の私的には嬉しいけど…。
後宮の侍女の一部からオカマって批判されてるのも知ってるんです。
言動がどうしても直らないんです。
集落のみんなは特にカマって言わなかったしな…あんまり言われると集落にかえりたくなるよ。
「パルラ、マイハニー、花嫁衣装の仮縫いをしたいから日にちをあけてね。」
アリアン陛下がそう言って通信機から顔をあげた。
「私は男だです。」
ああ、男ことば難しい。
「男だです?どう見ても綺麗な女性にしか見えないけどね。」
そう言いながら通信機をしまう。
「ならば証明して見せます。」
私は服のボタンに手をかけた。
「パルラ、やめろ。」
ラルーナ陛下が鋭い眼差しで見た。
ついでに私の手首を握る。
「ぬぎたいなら、僕と二人っきりになった時にね。」
アリアン陛下がウインクした。
「そんな事は許可しない。」
ラルーナ陛下が静かに言った。
「でももうこの方法しか思いつかなくて…。」
だから脱ぎやすい前開きの宮廷服にしたんだし。
「…仕事にはいってくれ。」
ラルーナ陛下がそう言って大型通信機に視線を戻した。
私は大型通信機にこの間の作戦の収支決算のデータを入力しながらラルーナ陛下を観察した。
難しい問題があるのか額にしわを寄せている。
「パルラは色が白いね。」
アリアン陛下が突然言った。
何見てるのさ…それもオカマといわれる元なんですよー。
ああ、ストレス…なんとか…なんとかこの人納得させないとね。
「今度一緒に入浴しませんか?」
同性だし普通だよね。
「そんなことは許さない。」
ラルーナ陛下が静かに言った。
「うん、嬉しいけど嫁入り前の娘が言う事じゃないよ。」
アリアン陛下がそう言ってるうちに通信機がまたなったらしくアリアン陛下は通信機をとった。
「パルラさん…刺激しないでくださいよー。」
ウェルスさんが隣に来て少し涙目で言った。
刺激しないでって誰をさ?
私の方が泣きたいよ…。
どうすりゃ男だって分かってくれるのさ。
あと、ついでにオカマ疑惑も何とかしないと…そっちは無理かな?