TS転生エルフのもっと引きこもり日記7
救出内容は美形年下武人殿下の許嫁らしいです。(辞退致しますー。)の平成25年11月3日投稿分でリンク中です。
よろしくお願いいたします。
天竜から金髪の美形の王子殿下が
愛らしい黒髪の女性を抱き抱えて降りてくる。
王子殿下は血まみれですが。
夢のような光景です…たぶん。
「セツラ姫は無事だったようだな。」
ラルーナ陛下が窓の外を見ていった。
中庭はどうみても天竜と竜騎兵でいっぱいだ。
なぜか万歳三唱してるし。
「パルラ、これからが大変だな。」
ラルーナ陛下が私の腰を抱いて言った。
まあ、それ以前の最新のレーダーを破るのも大変だったけど。
『最新のレーダー…破れません。』
私は泣き言を言った。
最新はネット攻撃からの弱点を強化したんだ。
『何とかしてくださいー、カササダ竜騎兵団に殺されますー。』
ウェルスさんが頭を抱えた。
そんなこといったってパスワードでもなきゃ無理だよ。
>恋する天才さん:私の出番みたいね。
ん?なんか入った?
>恋する天才さん:不埒なエルフより役にたって見せますわ!
『…なんか聞き覚えがある発言だな。』
私は画面を見ながら呟いた。
見る間にレーダーの作動停止パスワードが入力されていく…。
>第一プロテクト解除。
>第二プロテクト解除。
>最終プロテクト解除。
>対空対人レーダーを停止しますか?
画面にそうにでた。
>恋する天才さん:実行ですわ。
>対空対人レーダーを停止しました。
>恋する天才さん:不埒なエルフ、あとで取り立てますわ♪
わーんよくわかんないけどたぶんあの人に恩きせられた。
『……止まりました。』
涙ぐみながら私はいった。
『そうですかーすぐいってきますー。』
ウェルスさんがそういって駆け出した。
中庭に集まってたカササダ竜騎兵団の天竜が次々飛び立っていく。
『パルラ、どうした?』
ラルーナ陛下が顔をだして泣いてる私を抱き込んだ。
『レーダー停止…あの人に恩売られました。』
わーん怖いよー。
『そうか、私が何とかする。』
ラルーナ陛下がそういって私の額にキスをした。
「ラルーナ陛下、無事にセツラを取り戻せた、感謝する。」
颯爽と歩いてきた若い武人王子が言った。
腕には取り戻した許嫁のカササダ竜騎兵団の頭領姫が恥ずかしそうに武人王子にしがみついてる。
女性ならあの状態でも可愛いんだよね羨ましい。
『パルラも大分小柄だから大丈夫だよ、すっぽり腕の中に収納サイズだよ。』
グラが言った。
それも男としてどうなんだろうね。
「パルラ?」
ラルーナ陛下が心配そうに私をのぞきこんでいる。
抱き込まれてるし!
頭領姫がガン見してる。
「ところで、この事件を起こしたケーサルシア妃殿下とルレーアス王弟殿下はどのような処分をなさるおつもりか?」
美形の武人王子が言った。
「もちろん、裁判を行い決める。」
ラルーナ陛下がかたい表情で答えた。
「ルレーアス様は被害者だよ、結婚強要されてさ。」
意外と庶民てきなしゃべり方で頭領姫が言った。
「…ルレーアスが居なければ、この事態は起きなかった、それに何があっても王族として止めなければいけなかった。」
ラルーナ陛下が言った。
「最悪処刑か。」
ボソリと武人王子が言った。
「じゃ、私がもらうよ!」
頭領姫が言った。
「セツラ、お前、許嫁の腕の中で言うことではない。」
武人王子が言った、少しイラついているようだ。
「だってさ、直売所のチエアイス支店売れてるのに人手が足んないんだよ、レイモンドは支店長としておいていくから、イアルダス本店から人手補充するとイアルダス本店が足んなくなるし。」
頭領姫が訳のわかんないことを言った。
「…カササダ竜騎兵団が動いた以上、なにもないことにはできないぞ。」
武人王子が言った。
「そうだけどさ、そこを訓練とか美形年下武人殿下のお迎えとかさ。」
頭領姫はいった。
すごくお人好しさんらしい。
「セツラ、人の心配より自分の心配だ、医療班に見てもらえ軽いぞ、ラルーナ陛下失礼させてもらう。」
武人王子は一礼してなんか言いたそうな許嫁を抱えて去っていった。
武人王子腕は体重計かなんかなのかな?
「……パルラも見てもらわないとな。」
ラルーナ陛下が言った。
「特に問題ありません。」
ご飯食べられてるしね。
「ええ、そうですわ!不埒なエルフ!離れなさい!」
やっぱり例のあの人がやって来た。
「セシルーシャ、ルレーアスの元に行ったのではないのか?」
ラルーナ陛下が言った。
「もちろん、行きましたわ。」
悪びれもなくセシルーシャ姫が言った。
「ではお前も捕らえねばならない。」
ラルーナ陛下が言った。
近衛兵がその言葉に動き出す。
「ラルーナ様、私はルレーアス様のご依頼を受けて今回の計画を潰すために潜入しただけですの。」
セシルーシャ姫が言った。
近衛兵がセシルーシャ姫を拘束しようとしたのをラルーナ陛下が目で制した。
「つまりルレーアスは今回の計画を止めようと動いたのだな?」
ラルーナ陛下が聞いた。
「はい、オーラダー神の神官様もルレーアス様が結婚させないように選んだ志の高い、ハーウエゼ高神官ですもの。」
ニコニコとセシルーシャ姫が言った。
「…それならば…セツラ姫の証言とセシルーシャの証言があればルレーアスは救えるかも知れない。」
ラルーナ陛下が言った。
「ええ、もちろんラルーナ様の為ですもの証言致しますわ。」
セシルーシャ姫が言った。
「頼むセシルーシャ。」
ラルーナ陛下が言った。
「ところで、不埒なエルフ、わかっているわね、貸しの事を。」
セシルーシャ姫が言った。
わーんやっぱりこの人だった。
「…はい…恋する天才さん…。」
えーん、こわいよー。
「まず、ラルーナ様から離れなさい。」
セシルーシャ姫が言ったのでモゾモゾと抱えられた腕の中でしていたらさらに抱えられた。
「セシルーシャ、パルラは私に命じられたのだから代償は私が払おう。」
ラルーナ陛下が言った。
「いいえ、ラルーナ陛下には払えないのですわ。」
セシルーシャ姫が言った。
「どういうことだ?」
ラルーナ陛下が言った。
「不埒なエルフ、結婚しなさい。」
セシルーシャ姫が言った。
「け、結婚?誰とですか?」
覇王の男嫁の予定なのですが?
「家の兄とよ!」
セシルーシャ姫が言った。
兄ってウライシア工業国の現国王陛下じゃなかったっけ?
覇王じゃないよね、ある意味発明品が世界制覇してるけど。
「私、男ですよ。」
セシルーシャ姫知ってるよね。
「…………あら?男?」
セシルーシャ姫がはとが豆鉄砲食らった顔をした。
知らなかったんかい?
というか私、男に見えないんかい?
「パルラは男だが…。」
ラルーナ陛下がやさしく背中を撫でた。
「どうしましょう、お兄様超乗り気なんですわ、あんな美女見たことない、貧乳でも構わないって!」
セシルーシャ姫が言った。
貧乳美女って思われてたんだ。
昔はそこそこ胸ありましたよ美女じゃないけど。
「セシルーシャ…どう対処するつもりだ、私はお前の兄は苦手なのだが。」
ラルーナ陛下が苦々しい顔をした。
「陛下ー、ウライシア工業国の国王陛下が突然ご訪問されましたー。」
ウェルスさんが駆けてきた。
「お兄様、早すぎですわ。」
セシルーシャ姫が言った。
扉のむこうが騒がしい。
「パルラ、逃げるか。」
ラルーナ陛下が私を抱き上げた。
中庭に出る前に扉が開いた。
「ラルーナ陛下!久しぶりだね!僕の奥さんから離れてくれないかな?」
やたらテンションの高いセシルーシャ姫に似てる男性が両手を広げて飛び込んできた。
ぼ、僕の奥さん?
「お兄様!実はですわね。」
セシルーシャ姫が言った。
「ああ、セシー、君のお陰で理想の妻をもらえるよ、おいでパルラ。」
男性は手招きした。
この兄妹暴走タイプだ。
少しは話を聞いてよ。
覇王の男嫁も嫌だけど。
暴走の男の男嫁も嫌だ。
わーん、どうしよう。