TS転生エルフのもっと引きこもり日記4
美形年下武人殿下の許嫁らしいです。(辞退致しますー。)と只今リンク中です。
本日投稿分平成25年10月19日よりしばらくリンク予定です。
こちらはTS 転生エルフサイドとなります。
よろしくお願いいたします。
あのー、なんで二人して期待の眼差しで
アオスイラの薄絹持ってくるの?
「パルラさんに似合いますね。」
財務大臣がニヤニヤした。
「見るな、減る。」
ラルーナ陛下が面白いことを言った。
使用人に囲まれて無理矢理、アオスイラの薄絹を着せられた。
ああ、もうお嫁にいけないよ~。
『お婿さんになるんだよね♪それ似合ってるよー、まあ、僕はボンキュボンの方が好きだけど。』
グラがのんきに言った。
私だって好きで男の訳じゃ無いもん。
昔なら胸普通にあったもん。
『良いじゃない、好きな人が喜んでくれるのならさ♪』
グラが言った。
グラの馬鹿!
今日は生じゃがいも供えてやる!
『わーん、手抜き?』
グラが言った。
手抜きする価値もないよ。
「パルラ、大丈夫か?」
ラルーナ陛下の顔がすぐ近くにあった。
倒れそうな私を抱き寄せて支えてくれてるらしい。
「大丈夫ですよ。」
私は微笑んだ。
本当は透け透けの衣装がはすかしい。
「パルラ、今夜は寝かさない。」
ラルーナ陛下が妖しく笑った。
ええ?私、食べられちゃう宣言?
あの…男としてウハウハなんでしょうか?
よくわからないな。
「…陛下、パルラさんの独占はお止めください。」
財務大臣が言った。
あ、あのー、独占禁止法ってなんですか?
ひ、一人でもどうしようと思ってるのに
複数人何て無理です。
「パルラは私のものだ、お前と共有するつもりはない。」
ラルーナ陛下が私の肩をアマガミしながら言った。
「パルラさんに許可は得たのですか?」
財務大臣が言った。
許可は出した覚えないよ~。
というかなんでこんな恥ずかしい格好させるんですかー。
深い黒紫の薄絹にエルフにしては色白な肌が透けて見える。
どうせなら…お父さんみたいに浅黒い肌とかなりたいよ。
「絹のような肌だな。」
ラルーナ陛下が開いてる胸元に手を滑らせた。
「やめてください。」
どうしよう、本当に食べられちゃう。
自然に涙が出た。
「なんて可愛いんだ、パルラ。」
ラルーナ陛下が涙に濡れた目元をなめる。
いつまでこれ着てれば良いのかな?
「アオスイラはいままで、こう言う使い方が一般的でした、まあ、染料自体も高いからですが。」
ギジエリス財務大臣がそういいながらなにか取り出した。
ぬののかせらしい。
「それで、絹でなく綿で染めてみてのですが、そうすると黒っぽさが強いので…ロウケツ染めで作ったのですが…やっぱり、手間がかかるので高価ですね。」
ギジエリス財務大臣が布のかせをといた。
綺麗なはなの模様が浮かび上がってる。
色は違うけど藍染めみたいだ。
「そうか…それで、セシルーシャに工業化のことを聞いたのだな?」
ラルーナ陛下が言った。
「はい、陛下が来ればセシルーシャ姫もおいでになると思いまして…。」
ギジエリス財務大臣が笑った。
うーん、底知れない人だよ。
「そのセシルーシャは見つかったか?」
ラルーナ陛下が私の首もとに舌をはしらせながら言った。
あのー、使用人さんが部屋のすみでガン見してますが…。
「さてどうですかね。」
ギジエリス財務大臣が通信機を確認した。
「パルラ、そろそろ部屋にいこうか?」
ラルーナ陛下が妖しく笑った。
え?やっぱり食べられるの決定ですか?
「あ、あの…。」
なんか恥ずかしい…男として
上げ膳据え膳?
無理です、絶対に!グラの馬鹿!
「歩けないのか?…パルラは軽いな。」
ラルーナ陛下が私を抱きあげた。
「…陛下、お遊びはのちほどに…セシルーシャ姫が王都に向かわれたそうです。」
ギジエリス財務大臣が言った。
「…わかった、母上に泣き付く気だな。」
ラルーナ陛下が言った。
「どうでしょうか?謎の人物がセシルーシャ姫に接触したそうですが…。」
ギジエリス財務大臣が言った。
謎の人物?誰それ?
「…王都にむかったのだな、ウェルスに問い合わせよう。」
ラルーナ陛下が残念そうに私を下ろして言った。
今のうちにきがえないと!
本当にお持ち帰りされて食べられちゃう。
あの、男だけど、乙女なので
そういうことは結婚してからにしてください!
ラルーナ陛下の伴侶になりたい何て言うおこがましいおもいないです!
だって、しょせん私はどっかの覇王の男嫁なんですから。
ラルーナ陛下のすすめで就職ってたぶん
私がその覇王にあうためにグラが仕組んだんだろうな。
ラルーナ陛下が覇王のはず無いもん。
こんなに優しくて色男…いや色女なんだし。
結婚相手がラルーナ陛下みたいに優しい人ならいいのに。
でも、違うよね。
今は好きな人のところにいたいけど。
本当は運命に逆らいきれないんだろうな…。
「パルラ!王都に帰るぞ!不味いことになった。」
ラルーナ陛下が通信機の画面から顔をあげた。
「え?どういうことですか?」
私は聞いた。
「…ギジエリス財務大臣!最速の車を用意してくれ!アイルパーン竜騎国の客人の婚約者が誘拐されたようだ。」
ラルーナ陛下が苦々しい顔をした。
アイルパーン竜騎国の客人?
そんな人がいたのにここにきたの?
「オズワルト王子殿下の婚約者が誘拐?その方は、まさかカササダ竜騎兵団の…。」
ギジエリス財務大臣が言った。
「ああ、天刀のイグサの孫娘…次代カササダ竜騎兵団の頭領、セツラ・イアルダス姫だ。」
ラルーナ陛下が言った。
「すぐに準備致します!戦は起こしたくありません!」
ギジエリス財務大臣が部屋を飛び出した。
「セツラ姫がチエアイス武王国にいることは聞いていたが…なぜこんなことに…さっさと、オズワルト王子殿下なぞ、国に帰しておくのだった。」
ラルーナ陛下がため息をついた。
「ラルーナ陛下、きっと見つかりますよ。」
私はラルーナ陛下を抱き締めた。
「パルラ…。」
ラルーナ陛下が私にしがみついた。
いつもとなんか違う。
私はラルーナ陛下の背中を撫でた。
ああ、どうしよう…。
本当に戦がおこったら…。
お父さんもお母さんも一族のみんなも
戦に駆り出される。
それにこの人も…戦にでて
いなくなってしまうかもしれない。
絶対そんなことさせない。
だから、どんなことをしても
無事にカササダ竜騎兵団の頭領姫を
無事に見つけだすんだ!
頭領姫ってなんか強そうだから
自力で逃げてくれないかな?
そんな弱気じゃダメだよね。
うん、なんとかするんだ。
愛しい…愛しいラルーナ陛下のために。
読んでいただきありがとうございます。