プロローグ
オリジナル作品では初投稿です。
不定期更新ですが、どうか生暖かい目で見守ってくれるとうれしいです。
私がまだ何もできない子供だった頃、両親にこう尋ねたことがあった。
『どうして私はここにいて、何のために生きてるの?』
なぜ子供の頃にそんな質問を両親に尋ねたのかはよく覚えていない。
子供故の幼さからなのか、その当時の私が多少ぶっ飛んだ子供だったのか。
今となって覚えているのは、この質問を問いかけた時、少し顔をゆがめた母と苦笑いを浮かべた父の顔だけだ。
それから数年。
私はそれなりに成長して、それなりに大きくなり、それなりに知識を蓄え、もうすぐ大人になる。
原点回帰というやつだろうか。
最近になって、自分が言った言葉の意味をたびたび考えることがある。
≪生きる意味について≫
人は何のために生きるのか。
お金を稼ぐために生きるのか。
友達とばか騒ぎするために生きるのか。
他人と恋をするために生きるのか。
それとも、お金や権力を手に入れるために生きているのか。
私の友達は言った。
『え、えっと……やっぱり、お母さんやお父さん、それに友達と幸せに過ごすため……なのかな? 些細なことかもしれないけど、私にとってはとても大事なことだから』
おじいちゃんは言った。
『フム……生きる意味、か。建前だけとはいっても、儂はこの村の村長じゃからのう。里をまとめ、皆の平穏な暮らしを守るのが、今の儂の役目だと思っておるよ』
母さんは言った。
『……ふん。愚問だな、我が娘よ。私はこの村を、村の人々を、お前の父を、そしてお前を守るために今を生きている―――お前は、お前らしく生きればいいさ』
父さんは言った。
『うーん……そうだね……この世の中を、いま生きている人々を、どんな形でもいいから幸せにしたい―――そう言ったら、僕の可愛い娘は笑うかな?』
何千、何万、何億、命の数だけ『生きる意味』を持ち、『生』を瞬間から、『死』の瞬間まで、自分自身の一生を全うするために生き続ける。
友達も、おじいちゃんも、お母さんも、お父さんも、この世界で生き続けるすべての人々も。
みんなが『生きる意味』を持つことでこの世界は成り立っている。
なら、私は何のために生きている?
それなりに成長して、それなりに大きくなり、それなりに知識を蓄え、もうすぐ大人になる私は、自我が目覚めた瞬間から今まで、自分の『生きる意味』を知らずに生きてきた。
目標もなく、将来したいこともなく、自分の力で守ってあげれるような人もいない。
まだ若いのだから気にするな、と言う大人もいるが私の中にある不安は晴れることがなく、日々増えていくだけだった。
私はいつまでこんな不安と向き合って生きていかなければいけないのか。
長い間、ずっと、ずっと、そう思っていた。
これは私の『生きる意味』を探す物語。
小さいようでとっても大きい世界をめぐり、それを救う物語。
私、『ライカ・ヴァンヴァーレ』と、小さな一人の少女をめぐる、人の絆の物語。