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11.意外な戦い 6

 惑星に残された12人の少年少女とアンドロイド達の物語

「まあ、そんなとこよね。でも……イメージねぇ」アルテはまだ釈然としていない。

「解らないのならば解らないなりにイメージを具体化するのです」何故かレミが乗り気だ。

「はい?」全員が再び疑問形で返すがレミは気にしない。

「ブライ様は炎、ラミは風というか雷鳴、アルテ様は大地でワタシは水なのです」

「はあ? ブライは置いといてアタシが何で雷鳴なのよ?」

「いつもレミを怒ってカミナリを落とすからなのです」

 ラミは何か言い返そうとしたが納得が先行し、反論はできなかった。

「ブライは兎も角、アタシは何で大地なのよ?」アルテが代わりに反論する。

「巧く飛べないからなのです」

 アルテ以外の全員が納得した。

「そ、それで何でレミが水なのよ?」アルテが訊き返す。

「そうよ。ブライが炎だというのはどうでも良いけど、レミが水だという理由は何?」

 ラミもアルテに同調する。

「それは……」レミがくるりと身体を回し何かの姿に変る。

「……ワタシが水の女神のように美しいからなのです」

 変った姿は女神の彫刻のような、絵画の中の女神を象ったような姿。

「……はいはい」

 アルテとラミは怒るよりも呆れることを選択した。

 ブライは自分が何故に『炎』なのかを確認したかったのだが、そんな雰囲気ではなくなり、ただ溜息で、呆れているアルテ達に同調した。


「あ、そうだ。プレゼントって何?」

 渡された小箱を開けると入っていたのは……メモリースティック。丁寧にも『ウィルスは入ってませんよ』と子どもが書いたようなイラスト付きの付箋が貼ってある。

「なんだろうな? というかこんなモノをこんな場所で渡されても……読めないぞ」

 ブライが困惑しているとレミが指摘した。

「ブライ様はテミス様と交信できるではないですか。つまり、テミス様が読み込めるのでしたらワタシ達も読み取れるのです」

 何故か胸を張って自慢しているようにも見える。

「そうか?」

 まだ困惑のままにいると……メモリースティックを持つ指の先がコネクタへと変った。

「おお」とブライを除く全員が感嘆の声を上げる。

「便利なのもここまで来ると嫌味に思えてくるよ」

 ブライは何十回目かの溜息を声に変えて接続しメモリーの中を読み込んだ。

『銀河中央政府のデータベースから次の情報を検索致しました。一読下さいませ』

「え?」

 中に入っていた情報は……在る狂信科学者の情報。


 マディア・ドゥガイア・ディモン。

 狂信的自然科学者。ガイア神教関係者からも異端と言われる。テロリスト。『宇宙があるがままで美しくあるためには人類は滅亡すべきだ』と主張。性別をも否定していたため性別の記録無し。自身の細胞を遺伝子レベルで改造していたとの怪情報在り。惑星アポピスなど数十の星系での大規模テロを画策し実行。終身刑を受ける。本人の申し立てにより宇宙流刑へ変更。共犯者達と共にフロンティア型宇宙移民船にて凍結睡眠状態で放出。その後、凍結睡眠が解除された信号を辺境を巡視していた銀河中央政府監視船ランス01型機体番号1999が受信。微弱だったため到着した惑星等は不明。現在、発信源と推定される星域は植民が完了しているが、総ての星系では痕跡が確認されず。解除信号は誤信だと判断されている。


「なお、推定された星域は……」ブライは言いかけた言葉を失った。

 推定された星域を銀河中央からの角度で延長すれば……惑星ルクソルの星域へと辿り着く。

「……コイツらか」ブライは遺跡を睨む。

「みたいね」アルテも睨む。

「己を知り、敵を知れば百戦錬磨、必勝不敗なのですっ!」レミが気合を入れる。

「レミ。微妙にというよりかなり違うけど……それで良いわ」ラミが訂正よりも気迫を選ぶ。

 そして皆で睨み付けた。

 虹色と漆黒が混ざり合う遺跡を。



 この小説は『イシスの記憶』、『ラプラスの魔女』、『101人の瑠璃』などの後編となります。

 途中ですが感想をお待ちしてます。

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