37.ミキとアイザック (四)
A:ミキの予言が現実化した
M:アイザック?
A:モニターの中からミキと同じく移民とともに転移したいという希望者が
出るからモニターとの接触を保つようにというアドバイスを覚えているか
M:ああ、予言ですか、そんな表現をしましたね
やはり出ましたか、そうでしょうとも
A:可能性はかなり低いのだが?
地球に残っても、モニターの世代には何の影響もない
今までの生活を変える意味があるのか
M:誰だか当ててみましょうか
A:言ってみたまえ
M:名は名乗らないことになっていましたから、名前は知りませんが、
女性で、移住者の能力はばらばらの方がいい、能力が違うことでヒトは
助け合おうと思う、という発言をした人ではありませんか
A:その通りだ
彼女の名は、マリエッテという。名をミキに教える了承を得ている
ミキの名をマリエッテに教えてよいか
M:了承します
A:そうか、第二次移民となる
またブレイン・ストーミングに参加したいと言っている
M:わかりました、楽しみに待っていると伝えてください
もう間もなくですよね、九月一日でしたよね
A:伝えよう、美輝星ではないが私を通じて通信できるようにしよう
マリエッテがモニターとなったのは、得た報酬で子どもの親権を
確保するためだったそうだ
現在、ふたりの子を養育しており、子とともに移民を求めている
M:そうでしたか
これで他のモニターが移民を希望するための魔法の言葉が
アイザックにもわかりましたよね
A:魔法の言葉?
M:アイザックは、モニターのアシストがある方がいいのでしょう?
各移民集団には、アイザックの部下の方が参加しているが
何が起こっているかはわかっても
その理由がよくわからない、と言っていましたよね
A:そうだ
M:セレシオンは上手く運営できていて、生存率が九十九%を越えているが、
すでに五十%を切った移民団もある
同じ日に送り込み、同じ支援を提供しているのに、
その違いが出る理由が判らないと
A:その通りだ
M:モニターがいれば、アイザックに説明してくれますよね
A:確かにそうなのだが
M:モニターに、魔法の言葉を唱えてみるといいわ、アイザック
それは、「モニターの中から家族とともに移民する者が出た」です
まあ、私だってアイザックの許可を得なくても、自分の部屋に
別の誰かを連れて来ていれば簡単だったのですけどね
モニターは全員ひとりで送られたので、思いつかなかったのです
きっと魔法の言葉を唱えれば、家族じゃなくてもイケルとひらめきますよ
A:……そうか。全く理解できない
M:そうですか。モニターが欲しければ、魔法の言葉を唱えてみてくださいね
A:考慮しよう




