表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夏のホラー2023『帰り道』

チェイサー

作者: 家紋 武範

 私は一人、事務所からでていつもの帰り道を進む。いつもと同じに──。


 しかし、その日は違った。

 後ろから足音が聞こえる。振り返ると帽子やコートに身を包んだ男の影が、電信柱の裏に隠れるのが分かった。


 恐ろしくなり、私は少し早足で駆け出す。すると、後ろの足音も早くなる。

 最後には私は走り出していた。だがソイツも同じだ。恐ろしくて振り返ると、なにやら銃のようなものを持っている。

 私は泣きながら助けを呼んで走り続けた。


 すると通報があったのか、私たちの通路はパトカーにふさがれ、私は警官の胸に飛び付いた。警官は、あっという間に男を取り押さえた。


 その男は、まったく見覚えがない男だったが、私の顔を見て悔しそうに叫んだ。


「くそぅ! 放せ! その女を生かしてはおけない!」


 しかし警官はますます男を締め上げる。


「くぅ! 俺は未来から来たんだ! その女は将来独裁者になって、世界を滅ぼすんだぞ! 君も! 君たちの子どもたちも!」

「何を言ってる! あんな可愛らしいお嬢さんに何ができると言うんだ!」


「今はまだ芽生えてないが、彼女の心理操作(マインドコントロール)は異常なんだ。それで誰しも従わせ、世界は破滅に……」


 私は震えながら警官に言った。


「お巡りさん。こんな不審者怖いですわ。地域住民のために人目のつかないところで射殺してください」

「ええ、そうですね。さぁキミ! さっさとパトカーに乗りたまえ!」


 パトカーはサイレンを鳴らして去っていった。私を保護してくれた警官は、家まで護送してくれたのだ。


「最近、あのような不審者が多いですから気を付けてくださいね」

「ふふ。本当ね」


 私はパトカーを微笑みながら見送った。




「ふふふふふ。


 ほほほほほ。


 あははははははははははは!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 警官は撃ってしまっているのでしょうね、追跡者を。 最期の三段笑い、良い感じの余韻を残してくれてます。 [気になる点] 特にありません。 [一言] 「デッドゾーン」的なお話に思えましたが、…
[良い点] 可愛らしいお嬢様!  何処迄もお供します。 ジークハイル!
[良い点] お邪魔いたします。 そのチェイサーも操られてないかい、 「私のところに来るのは、私の“力”の覚醒後」 とかって?
2023/08/03 14:34 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ