小さな路地って怖いよね!
星の輝きが綺麗だと思いながら、私は疲れきった足を無理矢理に動かして帰り道を歩いていた。
街は静まり返って街灯の明かりが怪しく揺れて、不気味な空気が私を包み込んでいる。
途中、闇に包まれた小さな路地に足を踏み入れることにした。少しでも早く家に帰りたかったから。
……寒気がするのは気のせいだろう。周囲の暗闇が私を飲み込んでいくようで、心臓が高鳴る。それでも私は進んでいくことにした。
「ヒヒヒッ」
すると、闇の中から不気味な笑い声が聞こえてくる。私は怖くなってもう逃げ出したくなったけど、どこか引き寄せられるように進んでいく自分を止めることができなかった。脳が、体が欲しているのだ。
道はますます狭くなり、不気味な光の中には悪夢のような風景が広がっていた。
「きゃあああああああ!?」
視界に入るのは倒れている人。人。人。赤い血が壁や地面にこびりついている。
絶望が私を包み込み、自分が夢の中にいるのではないかと錯覚するほどだ。
その場に立ち尽くす私の肌に風が触り、不気味な声が耳に入ってきた。
「次に死ぬのはお前だ」
と、言葉が闇の中から響いてきたのだ。
私の周りには見知らぬ奇妙なものが集まり始め、悪意に満ちた目が私を睨みつけた。恐怖が私の全身を支配し、絶望に押し潰されそうだ。
逃げ出したいという思いが頭を駆け巡る。
恐怖の中、私は通った道を引き返す。走って、走って、走り続けた。
しかし、結果は変わらなかった。体験したことがない痛みが襲ってきて私の意識は途切れた。
それからというもの、私は二度と帰り道を歩むことはない。
だって、歩くための部位がなくなってしまったから。
恐怖と死は変わらず街を覆い、私の姿は永遠に消えたままだろう。誰も私の最期を知ることはなく、この恐怖の物語は終わりを迎えた。
ありがとうございました。