[4]The beginning of the war
本日2つ目!!
第4話「The beginning of the war」
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時刻は午前3時。
ベルリン宮殿前に並ぶ約400名の生徒に対し担当教官であるウィリアム・スタンリー少佐は浮足立つ生徒らを抑えるために活を入れていた。
「本日より貴官らの所属する各特務実践隊は作戦行動を開始する。
軍規約に則った行動であれば作戦行動中は自由となる。しかし貴官らがこのエデン陸軍の配備兵ということを自覚して作戦行動を取ることを望む。以上!!」
まあ、私には一切関係ない。言うても私は数少ないエデン中央陸軍士官学校の優秀生徒の一人だ。
もちろん先生方からの期待は大きいし、今回の別作戦行動も表では優秀だからということになっているはずだ。
でもなぜこんなに注意しているのか?
それはひとえに横のセーナ隊員のような奴らが時折いるからであろう。
全く出撃前なのに居眠りをしかけるのはやめておきなさい、朝2時にお越して準備させておいて本当に良かったと思う。
でなければ今頃パジャマでこの会に望んでいただろう。
「それでは各隊ベルリン宮殿後方軍車両駐車場に急げ!!」
さあ、戦争への始まりだ。
他の隊より統率しやすいので(ヘルマンとメルティーは軍序列には従ってくれるため作戦遂行のためだとお願いしたところ快くついてきてくれる。それもある意味で不気味ではあるが)5分ほど予定より早く到着することができた。
我々第17特務実践隊が使用する車両は他の隊が使用するSd Kfz 247ではなく移動要塞「ヘレ(Hlle)」である。よって実際の車両はエデンの外に出ておりそこまで行くための各人のバイクが必要なのである。
周りを見ると約100両ほどのSd kfz 247があり、その一番奥に軍用BMW75があったのでそれに乗る。あったBMW75は3両、運転できる人数は私、ヘルマン、リッベントロップの三人。
「じゃあオルヴァン副隊長はセーナ隊員と乗ってくれ。」
「えー」
「わかりました!!隊長」
セーナが文句を言っているが仕方がない、ほらリッベントロップの運転は安全だよ。
「ヘルマン整備長はアドミラル隊員と」
「了解」
「わかった、星隊長」
うむ、聞き分けが良くて何より何より。
「ではメルティー隊員は私とだな」
「・・・・」
まあ何も言わなくてもバイクに先に乗ってくれたということは良いというこのなのだろう。
隊長なので先導しながらエデン最終ゲートまで行く。
ちなみにエデン最終ゲートまでは30分ほど・・・その間は気まずっ!!
しばらく見なくなるであろうエデンの風景を目に焼き付けておく、純白の美しい建物やその向こうにチラリちらりと見える湖。
外周部に出ると畑が広がり時々農民の人が手を振ってくれる。
実はエデン中央陸軍士官学校に入学すると初日にこのエデンの外に連れて行かれる。
なんでもこれまでその美しい都しか見てこなかった僕達に戦場へ向かう覚悟と命の重みというものを知らしめるために毎年やっていることだそうだ。
次第に人の数が少なくなっていきこのエデンが地下都市であることを感じさせる唯一のもの、岩石の岩肌が見えてくる。
これが見えてきたということはもうすぐそこにエデン最終ゲートがある。
エデン最終ゲート・・・数百年に渡るこのエデンを守り続けてきた金属製の門だ。
地球には存在しない貴重な隕鉄をふんだんに使用されているこの門は複製不可能であるこの世に2つとは存在しない、ある意味アーティファクトだ。
「本日より作戦行動に入っている第17特務実践隊隊長フィメール茜星隊長と言う。
現在より我が第17特務実践隊はエデン最終ゲートを抜け特別車両に乗り込む。ゲートの開放を願いたい。」
「了解、ゲート開放のため第5ゲートを閉鎖。
第17特務実践隊の作戦行動に基づき特別車両の使用許可も出す。
貴官らの健闘を祈る。」
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