[2]Weight of life, To the next stage
11月6日に投稿する予定だったのを初日からめんどくさがるなんて信じられない作者ですね。
第二話「Weight of life, To the next stage」
「確認を」
目の前の40代だと思われる陸軍士官。だらけているように見えるが目からはたかのような鋭い光が放たれており気が付かれないように体の隅々まで確認している。
「エデン中央陸軍士官学校最終学年所属。フィメール茜星第17特務実践隊隊長です」
手足の一挙一動に気をつけて敬礼をしながら答える。
後ろでセーナ隊員がそこまでする必要があるかと呆れているような雰囲気が漂っているがこれは大事なエリートへのステップなのだ。
「フィメール茜星第17特務実践隊長。貴官の隊集合場所は方位座標で中心をこことした場合の56,23である。迅速な集合と丁寧な報告書に感謝する。」
「はっ!!」
「(小さな声で)フィメール茜星特務隊長。君は後で私の部屋に来てくれ、報告書のことで話がある。」
「(小さな声で)了解です。エデン軍研究庁最高責任者ライマー・ジュガレーヴェス・暁少将。」
エデン軍研究超最高責任者ライマー・ジュガレーヴェス・暁少将とは人事部にも影響を与えるエデン陸軍で7番目に偉い人物である。
私は「空軍と陸軍による合同アプローチの有効性と具体的に実戦投入によるコスト問題の解決法」という報告書を提出したことがあり後日帰ってきた手紙には実際にあったときに話してみたいと書かれていたのだ。
まさかここに来て会えるとは思っていなかったが、これは大きい。
後ろでセーナ隊員が報告をしているのを確認し、指定された集合場所へと急ぐ。
自然と早足になるが、できるだけ威厳を保って歩かなければ後々舐められることになるのだ少し時間はかかる。
「隊長、待ってくれてもいいじゃないですか。」
などとほざいている輩が追いかけてくるが実際の集合場所はすぐそこだ、待つ必要性を感じない。
というか陸軍士官学校の生徒なのに軍人的な口調ではないセーナ隊員は目立っているのであまり一緒に歩きたくない。
そしてついた集合場所、私のセーナ隊員以外は全員揃っていてそれぞれ好きなことをしている。
「はぁ、やっとついた。」
セーナ隊員が後ろで気を使ってほしそうに見ているのがわかっているが(おそらく私が携帯しているハンドタオルを貸してもらいたいのであろう)無視してすでに集まっている各員の動きに注目しておく。
私達にとって一番手前側で手を降ってくれているのはオルヴァン・リッベントロップ副隊長に違いない。
今では見慣れた茶色に近いベージュの髪の毛、元は金髪だったと予想されるがその頃は今の黒に近い赤の瞳は似合わなかっただろう。
てか、手を振りすぎだろ。セーナ隊員ふりかえしてやれよ涙目になりながら腕抑えてまだふってるぞ。
その後ろでこちらをじっと観察しているのがアドミラル・ツェッペリンだろう。
私なんかが丸腰で戦ったらポッキリおられてしまいそうな凶悪な肉体だな−と眺めていると悪魔も怖がる大胸筋!!をはりながらこっちへ歩いてきた。
仕方なく話しかけてみる。
「どうも、第17特務実践隊隊長を務めさせていただく、フィメール茜星隊長だ。これからよろしく」
普段なら科白とともに手を差し出して握手を促すのだが残念ながら彼と握手をすると私の手が粉砕されるであろう未来が見えたのでやめておいた。
彼は一瞬眉をピクッと動かすと
「ああ、よろしく頼む。それで隊長のことはなんと呼べばいいんだ?」
てか、自分の呼ばれ方なんて考えたことないからわかんないな。
「隊長じゃだめか?」
と聞くと彼は少し考えると
「それだと他の特務実践隊隊長と混ざって呼びにくいからやだな」
といい、
「フィメール茜星隊長なんだから、星隊長と読んでもいいか?」
と聞いてきたから、許可してやった。いいやつだったよ。
そんなフレンドリーな会話を繰り返す中二人だけ空間から隔絶されている奴らがいるな。
うん。だからね多分メルティー・ラングレーさんだと思われる人物は自分の読書に没頭して私に話しかけないでオーラ全開にするのをやめようか。
話しかけようとしてセーナ隊員が硬直してるよ。
ちなみにメルティーさんだと思われるのは赤い髪に青い目の女の子。
やっぱ黒髪って少ないんだなぁと思う今日このごろだが視界のはしにチラチラと映り込む深緑の髪の毛。
持ち主はライターでカタカタとなにかの報告書を作成している。
ちなみに持ってるのは高級軍耐久試験合格済み簡易ライター「ゼクター」だと思われる。いいなぁ
しかし話しかけるまもなく時間は過ぎていき、二人との溝を残したまま注意事項と実戦形式の1年間の配備の話が終わると私達は解散してしまった。
実践的配備についての話が終わり自由時間となった私はベルリン宮殿の約束された会議室に一人で向かった。
セーナ隊員が一緒に来たがったが私の代わりに保存食である持ち込み許可のクッキーを買ってくるように頼むと上機嫌で街の大通りへと歩を進めていった。
「失礼します。エデン軍研究庁最高責任者ライマー・ジュガレーヴェス・暁少将のご招待を受け参りました」
「入り給え。第17特務実践隊隊長フィメール茜星隊長。」
合うのは敬愛する暁少将。感動を胸いっぱいにしながら待っていたことばの最初は
「すまない、まずは今回の特務実践的配備のせいで君たちの命を弄ぶ結果となった」
謎の謝罪だった。
次回は11月9日です、
実質不定期投稿なのでブックマークなどお願いします。